制度があれば長く働ける?仕事のやりがい「評価」を高める方法

「結婚や出産などでライフスタイルに変化があっても長く働き続けたい。仕事を通じて社会と関わり続けたい」。キャリア相談を受けている中で、女性たちからこういった声を聞くことが増えています。

そのため、「出産後、復職しやすいか」「時短勤務で育児と両立ができるか」を重視し、育児支援制度などが整っている企業を希望する人が多くみられます。しかし、制度が整っている企業に入れば、誰もが長く働けて安心ということではありません。重要なのは、制度を利用できることだけでなく、「復職後も仕事を通じて活躍できるか」です。

もし、自分が職場で「評価されていない」「必要とされていない」などと感じてしまえば、働くこと自体が嫌になってしまう可能性もあります。反対に、仕事で活躍することで周囲から評価され、キャリアを積み重ねていけばやりがいも大きくなり、より輝く日々が待っているかもしれません。

活躍し続けるためには、自分の価値を高めていくことが大切です。では、どうしたら高められるでしょう? 実際にキャリアカウンセリングでアドバイスしているポイントを紹介します。

「自分に求められていること」を正しく認識する

先日、都内に勤務する女性社員から、今後のキャリアについて相談を受けました。女性は、一生懸命取り組んでいるのに仕事で評価されず、自分に向いていないかもしれないと悩み、転職も考えているそうです。

今後も働き続けたいという思いを熱く語る女性は、「どんなスキルを磨けばいいですか?」「どんな資格を取れば有利ですか?」と尋ねました。これは、キャリア相談で、女性たちからよく聞かれる質問です。

もちろん知識・スキルを身に付けることも大切ですが、その前にするべきことがあります。それは、「今の職場の上司や同僚とコミュニケーションをとり、自分に求められていることを正しく理解すること」です。

自分では「ここまでやればOK」と思っていても、周囲は「もっとやってほしい」と思っていることも。自分ががんばっていることが、実は周囲の期待からズレている可能性もゼロではありません。

求められていることを正しく理解すれば、具体的に取り組むべきこと、学ぶべきことがみえてきます。

上司に面談を申し出るなど、「自分に求められていること、期待されていること」をすり合わせる機会を定期的につくることをおすすめします。

「期待を上回る行動」を心がけてみる

上司から高評価を受ける人には、共通している点があります。それは、「求められている以上のことを率先してやる」「先回りしてやる」ことです。

私が現在担当している人材派遣サービスでは、さまざまな職種から未経験の事務職へキャリアチェンジし、新たな職場でチャレンジする女性が多くいます。たとえ、経験がなくても、この「期待を上回る行動」を発揮できれば、企業にとって必要な人材となり、もっとやりがいのある仕事にトライさせてもらえたり、派遣先企業への直接雇用につながったりすることもあります。

まずは、小さなアクションからで構いません。例えば、自分に何ができるかを考え、周りの人に「それ、やりましょうか」と声がけをしてみるのもいいと思います。実践してみると、周囲の人に喜ばれ、それが評価につながります。評価が上がると、自分自身もやりがいや成長を感じられるはずです。「次はこうしてみよう」。その積み重ねで、自分の市場価値も高まっていきます。

上司と面談をする女性社員。何が自分に求められているか知ることが大切
写真はイメージです

「目的意識を持ってチャレンジする」ことを増やす

自らの強みの数とバリエーションを増やしておくことも大切です。例えば、仕事のスキルといっても、「簿記」「英語力」「資料作成スキル」「ホスピタリティー」「顧客との折衝力」「業務改善への提案力」など、発揮できる「強み」は人それぞれです。

ところが、自分の強みに気付いていない人も少なくありません。キャリアカウンセラーから「それは素晴らしい能力ですね」と言われ、「そうなんですか、こんなの普通じゃないですか?」と驚く人も多いのです。

せっかく強みを持っていても、自分で「強み」と意識していなければ、適切に生かすことも、さらに伸ばしていくこともできません。「自分の強みとは何なのか」を意識してみましょう。相談しやすい人などに聞いてみて、分析するのも良いかもしれません。

また、「強み」の数やバリエーションは、目的意識を持ってチャレンジしていくことで増えていきます。

「業務効率化のため、手順をこう変えてみた」「ミスを減らすために、こんな工夫を取り入れた」――。こうした過程で身に付けた能力や得られた成果は、そのまま自分自身の「強み」となります。これらを実践することは、先ほど述べた上司から評価される「期待を上回る行動」にも通じますね。

とはいえ、日々の業務で忙しい中、「一体何にチャレンジすればいいのか」と迷うこともあると思います。そんなとき、私は「『向いている・向いていない』で決めないほうがいい」と伝えています。

必ずしも、「向いていないからできない」ということもないからです。「向いていない」と決めつけて、選択肢を減らしてしまうのはもったいない。少しでも興味があったり、必要だと思ったりしたのであれば、向き不向きを考えずチャレンジしてみてください。

正解・不正解はない。選んだ道を正解にしていく

長く働き続けると決めた時に、「転職するか、しないか」という大きな岐路に立ち、迷うこともあるでしょう。しかし、しっかり考えた上での決断であれば、どちらの道を選んだとしても正解・不正解はないと、私は思います。結果的に選んだ道が「正解」になるように働いていくことが大切です。

事前に正解を見極めようとするよりも、「選んだことを正確にしていく」つもりでチャレンジしてみてください。

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今の仕事を続けるより転職を考えたほうがいいのか、今後どのようなキャリアを歩んでいけばいいのか、仕事と家庭を両立するには――。人材派遣を通じてキャリア支援を行っているリクルートスタッフィングのキャリアカウンセラーらが、働く女性たちの悩みや不安にアドバイスします。

犬飼幸一
犬飼 幸一(いぬかい・こういち)
リクルートスタッフィング エンゲージメント推進部キャリアウィンクグループ

2001年にリクルートスタッフィング入社。営業や理工系学生の就職・転職支援事業を経て、2019年より、事務職未経験の方を対象にした無期雇用派遣サービス「キャリアウィンク」の人事企画業務を担当。キャリアウィンクスタッフの採用、育成、企画まで幅広い業務に携わり、キャリアチェンジを望む方々と人手不足に直面する企業双方にサポートを行う。国家資格キャリアコンサルタント。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)。

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