【参院選2022】女性当選者35人「過去最多」となった理由

7月10日に投開票された参院選では、女性候補者の当選が過去最多の35人に上り、全当選者125人に占める女性の割合も28%と最高だった。だが、衆院と合わせた国会議員に占める女性割合は15・4%にとどまり、さらなる政治参加が望まれる。

今回参院選で女性候補は選挙区で21人(うち新人7人)、比例代表で14人(同5人)が当選。女性の当選者はこれまで最も多かった2016年と2019年の28人を更新した。

【写真】参院選の選挙区で初当選した女性7人喜びの表情

立憲民主と共産、当選者の半数が女性

女性当選者を党派別に見ると、自民党が13人(同党当選20・6%)、立憲民主党が9人(同52・9%)で、それぞれ19年の前回選より3人増えた。日本維新の会は3人(同25%)で2人増。国民民主党は2人(同40%)、社民党は1人(同100%)で、それぞれ前回より1人増えた。公明党は2人(同15・4%)で前回と同数。共産党は2人(同50%)で前回より1人減った。無所属は3人が当選した。

今回の参院選には、過去最多となる181人の女性が立候補。全候補者545人に占める女性の割合も過去最高の33・2%を占めた。各党が女性候補の擁立に積極的に取り組んだことが、当選者の増加にもつながったとみられる。

若い世代「#女性に投票チャレンジ」

若い世代が女性候補への投票を訴える活動も見られた。投票行動に関するキャンペーン「#女性に投票チャレンジ」は、18歳から40代の学生や会社員らが中心となり、SNSを通して比例選の投票用紙に女性候補の名前を書くよう呼びかけた。政党名を書くより、女性が当選する可能性を高めるためだ。インスタグラムには6000件を超えるフォロワーがつき、動画共有アプリTikTok(ティックトック)には10~20代の若者を中心に多くの反応があったという。

発起人となった市民団体「みらい子育て全国ネットワーク」代表の天野妙さん(47)は「女性議員が増えれば、政策の優先順位が変わる。出生率の低下、夫の長時間労働による妻のワンオペ育児、出産や子育てにかかる金銭的負担など、男性中心の政治で置き去りにされてきた多くの問題が解決されていくかもしれない」と手応えを感じている。

上智大教授(政治学)の三浦まりさんは「社会を変えていく担い手として、女性候補への期待が高まっていると感じる。そうした有権者の期待に押され、各政党でも女性を出さなければという機運が高まっている」と話す。

女性候補の擁立、自民・公明は2割台

ただ、女性候補の擁立については政党間に温度差も見られた。立憲民主党と共産党が候補者の半数以上を女性とした一方で、与党の自民、公明両党はいずれも2割台前半にとどまった。18年に施行された「政治分野における男女共同参画推進法」では、男女の候補者数を同数に近づけるよう各政党に求めているが、達成されていない。

今回の結果を受け、非改選と合わせた参院の女性議員は64人となり、定数248の4分の1を占めた。だが、昨年秋に改選された衆院は女性が46人(9・9%)と低調だ。国会議員全体に占める女性は計110人で、7人に1人の割合にすぎない。

三浦さんは「今後も有権者が政党に対して女性を増やそうというプレッシャーをかけ続け、この流れを持続していく必要がある」と訴える。

(読売新聞生活部 宮木優美)

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