安倍元首相「女性活躍の重要性を発信」、女性リーダーらから悼む声

凶弾に倒れた安倍晋三・元首相は、女性活躍を成長戦略の中核に位置づけ、様々な施策を前進させた。ゆかりのある女性たちからは、その功績をたたえるとともに、早すぎる死を悼む声が上がった。

各界の女性リーダーらが女性活躍推進の課題などを話し合う「国際女性ビジネス会議」が7月10日、オンラインで開かれ、1000人超が参加した。主催したコンサルティング会社「イー・ウーマン」社長の佐々木かをりさんは冒頭のあいさつで安倍元首相に触れ、「悲報に触れて言葉もない。女性は経済の柱と明言し、国内外に女性活躍の重要性を発信し続けた方だった」と急逝を惜しんだ。

安倍元首相は過去4回登場し、激励の言葉を寄せてくれたという。「会議にわざわざ足を運んでくださり、大きな励みとなった。信念を体現し、実行に移せるリーダーだった」と佐々木さんは語った。

2012年に発足した第2次安倍内閣では、女性の力を「我が国最大の潜在力」とし、持続的な経済成長に不可欠だと明示。安倍元首相は上場企業に女性役員を1人以上登用するよう要請するなど、経済界も巻き込み、女性活躍の大きなうねりを作った。

女性の活躍推進に関する国際シンポジウムであいさつする安倍元首相(2014年9月13日、東京都港区で)

新興企業への投資を行う「Mパワー・パートナーズ」共同創業者のキャシー松井さんは、女性活躍による経済の活性化を「ウーマノミクス」と名付け、安倍政権の政策にも影響を与えた。松井さんは「安倍元首相は多様性のある組織は成長を生むのだと経済合理性を基に語り、それまで無関心だった人たちの意識を変えるきっかけを作った」と振り返った。

企業に対し、女性登用の目標などを公表させる女性活躍推進法の施行、育児休業制度の充実などを評価。「政府は今後もウーマノミクスを進めていってほしい」と語った。

政府の男女共同参画会議議員の経験もあるNPO法人「J―Win」会長理事の内永ゆか子さんは「社会に女性活躍推進の意識を強く植え付けた。企業の男性トップを集め、女性活躍を加速させるための会議を設けるなど、変化の波を作った功績は大きい。この動きを止めず、さらに進めてもらいたい」と話す。

働き方改革前進

安倍元首相は働き方改革も前進させた。コンサルティング会社「ワーク・ライフバランス」社長の小室淑恵さんは2016年5月に官邸を訪れ、長時間労働を規制する労働基準法の改正を提言した。

間もなく「働き方改革」担当相が新設され、2018年6月には残業時間の上限を規制する「働き方改革関連法」が成立した。「時間的な制約があっても働ける環境を作ることは社会のプラスになる。そんな女性活躍の本質をつかまれた最初の首相だったと思う」と悼んだ。

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