株主優待廃止の企業が続々、個人投資家として知っておきたいこと

個人投資家に絶大な人気を誇る株主優待。優待の内容に魅力を感じて、投資をしているという方も多いのではないでしょうか。ところが、最近、株主優待を廃止する企業が続々と出てきています。そこで、今回は、株主優待の基本から優待廃止の背景、優待目当てで投資をする時に気をつけたいポイントについてお話しします。

株主優待とは何?

株主優待とは、企業が株主に感謝の意を込めて、自社の商品やサービスなどを株主へプレゼントするというもの。贈呈する品物は企業によって異なり、新開発の商品やサービスの優待券のこともあれば、金券、お米、カタログギフト、株主限定のオリジナルグッズなど様々です。

株主優待をもらうためには、その企業の株式を保有していること、つまり株主になっている必要があります。

まず、各企業が定めている「権利確定日」に株主名簿に掲載されている必要があります。その株主名簿に掲載されるまでに時間がかかるため、権利確定日の2営業日前の「権利付き最終日」までに株を購入しておく必要があります。

例えば、6月末に権利確定日の優待銘柄を購入する場合、6月30日の2営業日前の「権利付き最終日」までに株式を購入しておかなければなりません。

この時、株式数の条件についても必ず確認しましょう。銘柄によって、株主優待がもらえるのが100株なのか、300株なのか、500株なのかは異なってきます。また、保有期間に応じて優待内容を変えている銘柄もありますので、各社ホームページなどで確認しておきましょう。

権利確定日のイメージ
株式会社Money&Youの作成した資料

人気の優待銘柄は、買うタイミングが重要!

権利付き最終日に株式を保有さえしていれば、株主優待や配当金をもらうことができます。ということは、権利付き最終日の次の日に株を売っても株主優待や配当金はもらえます。

このルールにより、株価は通常、「権利付き最終日」前1か月くらいから株価が上昇し、権利落ち日(権利付き最終日の翌営業日)には株価が下落する傾向があります。特に人気の優待銘柄は、このような動きをする傾向が強いので、気をつけましょう。

株主優待が目的で銘柄を選んでしまうと、権利確定日前に慌てて購入し、株価下落によりずっと換金できないという事態になることもありますので、購入するタイミングに注意が必要です。

優待を廃止する企業が相次ぐ理由とは

個人投資家にとっては魅力的な優待銘柄ですが、業績の悪化や企業の方針転換などにより、その株主優待の内容が変更になったり、終了になったりする可能性があることも覚えておきましょう。

参考までに最近は、多くの企業で株主優待を廃止する傾向にあります。というのも、2022年4月の東京証券取引所の再編で、上場する際の株主数の規定が緩和されたからです。東証1部に代わるプライム市場に必要な株主数は800人以上となり、以前の東証1部の株主数2200人よりも緩和されました。企業にとっては、株主の数を確保する手段としての優待の必要性が薄らいできたのです。

また、もともと株主優待は日本独特のものです。海外投資家や機関投資家は優待を受けとれません。このため、株主平等の観点を重視し、優待よりも配当を重視する企業が増えたこともあります。

ですから、優待目当てで投資をするにせよ、投資する企業の財務内容や企業業績をしっかりと確認した上で投資をすることを心がけましょう。ある銘柄の株主優待が魅力的なものだとしても、株を保有している間に、優待が廃止になることもあります。経営状態が良くない企業や赤字が続く企業の株式は購入しない方がよいでしょう。

高山一恵さん
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に、「ゼロから始めて2時間で一生困らないマネープランができる本」(彩図社)など。

高山一恵さんと頼藤太希さんの共著「1日1分読むだけで身につく お金大全100」(自由国民社)が出版されました。お金の節約、税金・社会保険から、クレジットカードやスマホ決済の取り入れ方、お金の増やし方の基本と投資商品の選び方まで、わかりやすく解説しています。楽天ブックスなどで注文できます。

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