ブルベもイエベも気にしない。今っぽい女が色をまとうルールって?

最近、SNSでパーソナルカラーなど色に関する話題をよく見かける。私は色をポイントにスタイリングを作ることが多い。それは毎日の自分のスタイリングでもそうだ。「今っぽい色」は取り入れるだけでフレッシュなコーディネートに見えるし、「今っぽい人」になれる。

よく見る色でも新鮮な組み合わせをすれば、今っぽさは演出できる。例えばピンク。定番の人気色だが、子どもっぽく見えることもあり難しい色だ。今の私なら、断然、チョコレートブラウンなどの茶系と合わせる。

色の組み合わせ次第で、その人のキャラクターを表現することもできる。印象は、服のシルエットや素材も含めて決まるが、色の力を借りるのが一番わかりやすいと思う。ピンクとの組み合わせで考えるなら、カーキなどくすんだアースカラーと合わせれば大人っぽく落ち着いた印象に、ホワイトと合わせれば爽やかで女性らしく見える。キリッと強めにカッコよく見せたいなら、黒を合わせるといい。

やっぱり、きれいな色の服を着ている人と会うと「いいね!」と話しかけたくなるし、華やかなオーラも感じる。その人の意思を感じさせる色の組み合わせにひかれる、という方が適切かもしれない。というのも、きれいな色にひかれるのとは別に、オールブラックの装いにも芯の強さとかっこよさを感じるからだ。

スタイリストの入江陽子さんがスタイリングした装い
「カラーブロック」をテーマにした撮影のスタイリング(入江さんのインスタグラムより)

気分と予定で色選び

私にとって、その日の気分や予定で色を選ぶのは毎朝の楽しみの一つでもある。今日はこんな撮影があるな、この人に会う予定があったな、などその日のスケジュールを見ながら考えている。

例えば、緑が美しい公園や山に行くときは、パキッとした原色の服が着たい。オールホワイトも緑に映えて気持ちがいいかもしれない。夜、久しぶりに友達と食事に行くときは、流行色のピスタチオグリーンとラベンダーを両方合わせようか、大人っぽさも演出したいからベージュかアースカラーを合わせてしめたらいいかも、という具合に色を選ぶ。

仕事の時も同じこと。今日の撮影はフレッシュな若い人が多くて、にぎやかになりそうだから、パステルカラーとデニムで。子どもっぽくなりすぎても「痛い」から黒のジャケットを羽織って、足元は革靴にしよう。また別の日の撮影は難しい内容で大変になりそうだから、安定のオールブラックにしようかな、といった感じだ。そうそう、私は、オールブラックにするだけで自分が賢くなった気がしてくる。

ちなみに、色選びにおいて、ぶれない人は格好いい。いつでもカラフル、いつでもモノトーンなど、とにかくぶれない人が私の周りにもいる。私の場合、気分次第で七変化するので、欲張りというか、八方美人というか……。ただ、一つだけ確実に言えることがある。「こう見られなきゃいけない」と思うのではなく、「こうありたい」となりたい自分をポジティブに作ったほうが絶対いいと思う。

最近ブルーベース(ブルベ)、イエローベース(イエベ)と自分の肌を基準に似合うカラーを勧められることがあるが、ブルベだからオレンジのトップスは似合わない、なんて制限する必要はない。自分の気持ちの上がる色、を着ることが一番大事だ。

スタイリストの入江陽子さんの娘の装い
娘には見ていて明るい気分になる色を着せることが多い(入江さん提供)

プロの観点から言わせてもらえば、唯一、気にするべきは、色を着るなら今っぽさ、トレンドを大事にしてほしいということ。これを外すと、老けて見える可能性がある。トレンドを楽しんで色を着れば、ブルベでもイエベでも関係ない。ちなみに、これだけ色について語っているけれど、特に資格を持っているわけではなく完全に私の主観です。そう、それこそ感覚と気分。でも、今っぽい女でいるには、感覚と気分こそ一番重要だと思っている。

大好きな安野モヨコさんのマンガの中で、主人公と女友達が落ち込みつつも出かけようと着替えた時の服装に、「やる気がない日のボトムは黒」とキャプションがついていて、なるほどな、と思った。気分と服の色って絶対にリンクしている。ポジティブにとらえるなら、黒いボトムの時の安心感というか安定感は絶大ってこと。それこそ、その人の気分次第なんだろう。

そういう私も、いつかはトレンドカラーを気にしなくなって、常にモノトーンを選ぶようになっているかもしれない。でもその「気分」がきた時は、きっとそれを楽しむはず。実際、パリで2週間ほど過ごした時、なぜかシックに黒を着たい気分になって、帰国する頃には黒い服が増えていた。

決してスマートな生き方ではないし、おかげでクローゼットはいつでもパンパンだ。でも好きな色に囲まれていると気分は上がる。何より、自分自身を、自分の行きたい方向に動かしていく力があると思っている。

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入江陽子さん顔写真
入江 陽子(いりえ・ようこ)
スタイリスト

1985年、広島県生まれ。文化女子大学(現・文化学園大学)卒業。スタイリスト長瀬哲朗氏のアシスタントを経て2013年独立。「NYLON JAPAN」や「GINZA」、「装苑」などのファッション誌や広告、アーティストのスタイリングなどを手がけている。

入江さんのインスタグラム

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