村田製作所 5Gの未来は私が担う!最適解探るエンジニア魂

ポジティブな気持ちになれたり、仕事の役に立ったり。自分らしく、生き生きと働く女性たちの「ハッピーアイテム」を紹介します。

荒川遥香(28)
通信モジュール事業部 ミリ波事業推進部 開発1課

エンジニアとして、スマートフォンに搭載されている高速・大容量通信規格「5G」のアンテナ付き通信モジュールの開発を担当しています。

スマホの高性能化に伴って、内蔵する部品は数が増え、一つひとつを小型化しなければなりません。通信速度もさらに上げていくことが求められてます。

その課題に応えるアンテナ付き通信モジュールの形状を探り、新たな加工技術を開発しています。

期待する結果を予測した上で取りかかるので、想定通りの結果が出ると、「よし、やった!」とやりがいを感じます。スマホメーカーのリクエストをある程度想定し、提案できる条件をあらかじめ考える必要もあり、開発のプロセスで培った予測と実現性を見極める力が役立っています。

競合他社のスマホを買って、搭載されているモジュールを調べることも大切な仕事です。アンテナの形状を見比べ、5Gの特徴を生かす工夫に目を凝らします。同じようなサイズにもかかわらず、モジュールの見た目も構造もまったく違うということがあって、「おお!」とうなってしまいます。

村田製作所の荒川遥香さん
「開発や加工、商品の評価など学ぶことがたくさんあります。より良い設計につなげていきたいです」と話す荒川さん。村田製作所チアリーディング部とムラタセイサク君もエールを送っているよう

小学生の頃は図工が好きで、自分で何かを作り上げるのに夢中でした。中学、高校生になると、数学に興味を持つようになりました。数式に当てはめると解が導き出されることが心地良く感じました。覚えるのが公式だけでいいのは楽だなと(笑)。問題が複雑であればあるほど、公式に当てはめていってシンプルな答えが出る爽快感はたまりません。父親の影響でジグソーパズルも好きです。難解な図柄に挑戦し、ピタッとはまるとスッキリします。

東京工業大学では電気電子工学を専攻し、大学院では今の仕事につながるアンテナ設計を研究しました。教授がいい人だったからという不純な動機で入った研究室でしたが、思い描いたイメージを設計し実際に形作るという一連のプロセスにおもしろさを見いだしました。設計から製造まで一貫で生産する村田製作所への就職も自然な流れでした。

入社初のプロジェクトで苦い経験

入社して初めて携わったプロジェクトで苦い経験をしました。メーカーの要望は「性能第一」。メーカーの要望に合う設計で商品化しようしたら、市場には受け入れられないコストになることが分かりました。メーカー側の意向もあり、コンセプトから見直すことになり、結局、開発は中止となりました。

ものづくりに携わる者として、とてもショックでした。入社して最初に携わったプロジェクトで個人的な思い入れも強く、開発の中止決定から1か月ほど落ち込みました。私がかかわったのは2年でしたがプロジェクトは5年に及ぶもの。時間をかけたプロジェクトを断念することはあり得ると頭では理解していましたが、がっくりしました。

ただ、そこで学びもありました。「性能第一」を追求したために、「コスト」にはしっかり目を向けていなかったのです。開発中断のリスクについても同様です。営業や企画の担当者も市場のニーズにアンテナをはっていますが、開発する私自身も市場のニーズに敏感になり、開発途中でも軌道修正できる感覚を身につけなければいけないと痛感しました。

鮮やかな花に癒やし

コロナ禍で在宅勤務が増えましたが、四六時中パソコンとにらめっこしている状況は変わりません。気分転換のために、1年ほど前から部屋に花を飾るようになりました。2週に1度、ポストに生花が届くサブスクリプションを利用し、季節の花の鮮やかな色に癒やされています。最近のお気に入りは「ムーンウォーク」という品種のバラです。花弁がギュッと集まったフォルムの美しさに、どうしてこんな形状になったのかしら、とつい考えてしまいます。初めて見る花との出会いも楽しみの一つですね。

私の開発しているものは、多くの人の目に触れるわけではありませんが、縁の下の力持ちというところにやりがいを感じています。目立たないけれど、みんなの生活を支えている自負があります。私たちが開発した技術、そして造った部品があるからこそ、実現できる世の中があることを誇りに、未来の暮らしを支えていきたいです。

(読売新聞メディア局 野倉早奈恵)

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