女性の結婚できる年齢が16歳から18歳になって思うこと

日常生活の中で、「何かがおかしい」「なんか不平等だよ」「なんで女性だけ」、そんなことを思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

私も日々、様々な違和感に遭遇し、女性を取り巻く「分厚い高い壁」に打ちのめされそうになることもあります。

「制度や法律」もその中の一つ。今回は、4月に施行された女性の婚姻開始年齢の引き上げをテーマに、女性を取り巻く制度や法律の違和感について考えてみたいと思います。

16歳だった理由

民法が改正されて、この4月から女性が結婚することができる年齢(婚姻開始年齢)が18歳に引き上げられました。これまでは、男性は18歳、女性は16歳でした。

私が婚姻開始年齢に男女で差異があることを知ったのは、子どもの頃に親から聞いたときだった気がします。純粋に「なんで?」と理由が全然わかりませんでした。

これまで男女で婚姻開始年齢が違ったのは、「男女間で心身の発達に差異があるから」とされていました。つまり、生物学的に女性の方が早熟だ、と。それを理由とするのであれば、他の制度や法律も生物学的女性の特性を踏まえた設定にすれば良いのに、そうはなっていないのです。

さらに、男性は「稼ぐ」、女性は「家事・育児」というジェンダーバイアスが、今なお残っていてそれがそのまま反映されてきた、とも指摘されています。

社会的・経済的な成熟の観点からは男女に特段の差異はありません。そこで、様々な議論を経た結果、発達の特性のみではなく「社会的・経済的な成熟」という観点が加わり、女性も男性同様、18歳になりました。

そんな今回の改正でしたが、子どもの頃に感じていた男女での婚姻開始年齢の違いに対する「違和感」について、すっかり忘れてしまっていたことに気づきました。

16歳を過ぎていつでも結婚できるようになり、いつの間にか自分ごとではないテーマになって、忘れてしまっていたんですね。当時は「おかしい」と思っていたことも、社会の中で当たり前に制度としてあって、当たり前に運用されていると、「そういうものだ」と思ってしまっていました。

内閣府は、男女共同参画社会に関する世論調査を行っています。令和元年度(2019年度)の「法律や制度の上での男女の地位の平等感」について、約47%の人が「男性の方が優遇されている」と回答しています。女性だけだと約52%の人が「男性の方が優遇されている」と回答。約半数の女性が男女間の平等感に違和感を持っているのです。

今後、年齢や自分が置かれている環境が変化していくことによって、別のテーマでも「違和感」や「不平等感」を持つことが出てくるのではないでしょうか。

法律や制度は変えられる

違和感を持っていても、「制度や法律だから仕方ない」「決まっているのだからそういうものなのだ」と受け入れてしまって、当たり前になっていることも多くあると思います。でも、法律や制度は「変えられる」のです。法律や制度というと遠い存在で難しく感じられますが、社会の変化に合わせて変わるもの、いや、変えていくべきものです。

私は以前、国家公務員だったときに、会社法や産業競争力強化法という法律の改正に携わったことがあります。

法律や制度は、様々な有識者の意見を聞き、パブリックコメントなど多くの国民の意見を取り入れ、原案がつくられます。そして国会で審議して、最終的に改正されていきます。今回のような大きな法改正だと、とても時間はかかりますが、「変えられる」のです。

担当者は法律改正となると、とっても大変で大忙しですが、関係者は皆、昼夜を問わず取り組んでいて、「あぁ、こうやって法律は変えていけるものなんだなぁ」と実感しました。

花を楽しむ小林味愛さんと娘さんの写真
花を楽しむ小林さんと娘(東京都立川市で)

冒頭で書いたように、特に女性を取り巻く法律や制度は、論理性だけではなく様々な価値観や昔からの慣例・風習も絡みます。様々な法律や制度を変えていくためには「分厚い高い壁」が存在することも確かだと思います。

しかし、SNSをはじめ、一人ひとりの声が社会へ届きやすくなった現代では、一人ひとりの発信や行動が大きなうねりとなって社会を変えていくきっかけにもなっています。違和感を発信する、同じ違和感を持って活動している人を応援するなど、方法はなんでもいい。何十年、何百年先かもしれませんが、一人ひとりの小さな一歩が、わたしたちの未来をつくっていくことができると信じています。

あわせて読みたい

小林味愛プロフィル写真
小林 味愛(こばやし・みあい)
起業家

1987年東京都立川市生まれ。慶應義塾大学を卒業後、衆議院調査局入局、経済産業省出向、日本総合研究所を経て、福島県国見町で株式会社陽と人(ひとびと)を設立。福島県の地域資源をいかして、農産物の流通や加工品の企画販売など様々な事業を展開。あんぽ柿の製造工程で廃棄されていた柿の皮から抽出した成分を配合した国産デリケートゾーンケアブランド「明日 わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた。現在、3歳の娘を育てながら福島県と東京都の2拠点生活を送る。

Keywords 関連キーワードから探す