アンカー・ジャパン 異国の地で充電して見つけたブレイクスルー

自分らしく生き生きと働く女性たちが、ポジティブな気持ちになれたり、仕事の役に立ったりする「ハッピーアイテム」を紹介します。

吉野優希(33)
マーケティング本部長

Ankerグループは2011年に元米グーグルのエンジニアが設立し、充電のブランド「Anker」を含めた4ブランドなどを、世界100か国以上で展開するハードウェアメーカーです。私は、日本でのマーケティング部の部門長を担っています。

20代最後の挑戦

前職は、日用品大手のユニ・チャームで営業とマーケティングを経験しました。在職中に、海外のメンバーとディスカッションする業務などもありましたが、自分自身の英語に対する大きな苦手意識があり、積極的に意見を述べることなどに対して難しい状況を感じていました。

「やる」と決めたらすぐやる性格。苦手意識を克服するため、留学を決めた1か月半後には、カナダのバンクーバーにいました。30歳を目前に控えた冬でした。

海外に飛び出したものの、キャリアについて考えた時、「社会人」「留学」でインターネットを検索すると、「帰国後に職がない」「帰ってこられなくなる」などネガティブな情報ばかり。不安でいっぱいでしたが、「前職での経験に加えて、語学力を身につけた私だからこそできることがあるはず! 大丈夫!」と自分に言い聞かせました。

アンカー・ジャパンは、2013年にAnkerグループ製品の日本におけるマーケティング、販売、カスタマーサービスを担う企業として設立されました。カナダでの仕事で行った調査がきっかけで知り、高品質な製品を手頃な価格で開発できる企業としての強みと、将来性を感じて興味を持ちました。

当時ブランドマネジャーを探していた人事担当者からタイミング良くスカウトの連絡をもらいましたが、大企業に勤めていた私にとって、ベンチャー企業に入社するのは勇気の要る大きな決断でした。挑戦する前からあきらめない――。社会人で留学に挑戦した経験が、自分の中で一つのブレイクスルーとなりました。

女性をエンパワーしたい

充電のグローバル・リーディングブランド「Anker」をはじめ、オーディオブランドの「Soundcore」、スマートホームブランドの「Eufy(ユーフィ)」、スマートプロジェクターブランドの「Nebula(ネビュラ)」の四つのブランドの中長期的な育成を目的に、ブランド戦略、デジタルマーケティング、広報、そしてクリエイティブの四つの部門の包括的なマネジメントを担っています。

アンカー・ジャパンの吉野優希さん
アンカー製品を説明する吉野さん

戦略を立案する前には、まず消費者の実態を把握しないといけません。定量情報や、定性インタビューから消費者のインサイト(潜在的なニーズ)を導き、製品やプロモーション戦略に反映していきます。

日本市場向けに最適な製品を展開することも私の部署が関わっています。ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty Air 2 Pro」の発売に際しては、中国本社の用意していたカラーバリエーションのピンクが日本では受け入れられにくい派手な色だったため、日本の女性の好みに合うように、やわらかいピンク色を提案しました。その際には、ターゲット層である学生を中心とした女性にヒアリングも実施しました。

マグネット式ワイヤレス充電器を中心に展開する「Anker MagGo」シリーズの製品では、「かわいい」「豊富なカラーバリエーション」などを軸とした訴求を、消費者にインスタグラムやツイッターで行っています。

ツイッターでは女性ユーザーが「カラーバリエーションも可愛かわいくてスタンドにもなる…欲しい」と、Ankerの商品を紹介してくれる結果にもつながっており、少しずつですがユーザー層が広がってきている実感があります。

Ankerグループ製品の主軸であるスマートデバイス周辺機器は、働く女性などにとっては身近なアイテム。Ankerグループのミッションは、テクノロジーの力で人々のスマートな生活を後押しすること、「Empowering Smarter Lives」です。同じ働く女性として、Ankerグループ製品を広く知ってもらうことで女性をエンパワーしたいです。

20人をまとめる

職場の環境や部下のモチベーションに気を配るのも大切な業務の一つです。20~40代の20人の部下を率いる立場。社内では上司、部下問わず、フラットな関係を維持するためにファーストネームまたはニックネームで呼び合います。メンバーからは「ゆうきさん」と呼ばれています。

直属のメンバーとは、毎週1回、30分間の1on1のミーティングを行い、コミュニケーションを大事にしています。コロナ禍でリモートワークが主になっているので、チーム業務に必要な雑談など、アイデアを気軽に話す場が欠けてしまっていると思うのです。

そういった“楽しさ”の要素は、本部長である私から仕掛けないといけません。個人のパフォーマンスを上げてもらうのが、組織としてのパフォーマンスを最大化することにつながります。そのために自分自身の懐の深さと知識の量をどんどんつけていかないといけないと思っています。

ストレスを感じた時は実家の猫が癒やしてくれます。生まれたときからずっと猫がいる家庭で育ってきたので、いつも身の回りに猫グッズがないと落ち着きません。6か月くらいのオスで保護猫のカイ君は、とてもなつっこい性格で、先住猫(2匹)たちとも仲良くやっています。夜に1匹で“運動会”をし、寝ている私の上に飛び乗ってきます。子猫のエネルギーにはいつもパワーをもらっています。

入社時は社員数十人程度でしたが、今では100人を超えました。やりたいことが実現できるチームが、やっとそろったという印象です。ここからどんどんチームとして成果をあげていくことができます。やってみたいことは全部挑戦できるベンチャー企業ならではの、楽しさ、厳しさ両方があるチーム作りをやっていきたいです。(読売新聞メディア局 渡辺友理)

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