バービーと考える働く女性の健康…ピル服用率が全国平均5倍の理由

東京・丸の内エリアで働く女性のピルの服用率は全国平均の約5倍――。このほど都内で行われた、働く女性の最新実態調査「まるのうち保健室『働く女性ウェルネス白書 2022』」の報告会で明らかになりました。女性が働きやすい環境を実現するのが狙いで、お笑いタレントのバービーさんのトークショーも同時開催されました。

同調査は医療コンサルティング企業「ファムメディコ」と三菱地所(ともに東京都千代田区)の共催で、丸の内エリアを中心とする都心で働く20~60代の女性294人を対象に、アンケートや健診プログラムなどの臨床データを用いて、実施されました。

報告会では、調査の分析を行った神奈川県立保健福祉大学の吉田穂波医師(産婦人科)が、「PMS(月経前症候群)など本人にしかわからない主観的なデータと、健診にもとづく臨床データを組み合わせた調査は、大きな意義がある」と紹介。

調査結果からは、対象女性のピルの服用率は15%で、全国平均2.9%の約5倍であることがわかりました。吉田医師は「若い世代を中心にピルの服用が急速に普及し始めている可能性がある」と分析しています。

丸の内エリアで働く女性のピル服用率の調査結果表
「働く女性ウェルネス白書 2022」より引用

20代のピル服用率は3割を超え、「避妊」のイメージが強かった低用量ピルが、近年では「月経痛の緩和」や「PMSの予防」といった、健康管理の目的で服用されているとみられるそうです。

婦人科に行ったことがない…61%

報告会では、働く環境が女性の健康に大きく影響していることや、女性の健康に対する知識・理解の低さが指摘されました。

経膣けいちつ超音波検査で異常所見があった75人のうち、産婦人科に通院したことのない人は33%。ファムメディコの取締役・佐々木彩華さんは、経膣超音波検査において、4人のうち1人に何らかの異常(所見)が見つかった実態に、眉をひそめます。

婦人科症状は受診行動に結び付きにくいのが課題であり、経膣超音波検査の受診機会を社会全体として増やす取り組みが望まれます。

所見の内訳は子宮筋腫が66%で最多、ついで卵巣嚢腫のうしゅと子宮内膜症が多かったそうです。これら子宮系の疾患は、月経痛や貧血といったQOL(クオリティー・オブ・ライフ)の低下をもたらすのみでなく、将来的な不妊リスクや後発疾患の発症リスクを高める要因にもなります。

早期発見が重要視される疾患にもかかわらず、今回の参加者のうち、産婦人科に通院したことがない人は参加者全体の61%にものぼりました。

佐々木さんは、「自治体から送られる子宮けいがん検診無料クーポンは、子宮頸がんを検査するもので、経膣超音波検査とは異なります。混同されやすいので、『子宮頸がんではなかったから自分の子宮は大丈夫』と思い込まないでほしい」と話しています。

内診台ではガンダムに

報告会に続くトークショーでは、お笑いタレントのバービーさんが登場。月経時の仕事のパフォーマンスは20%低下するという結果について、「私も女性ホルモンには、いつも流されるまま。もともと苦手な大喜利のパフォーマンスは、私なら40%は落ちる」と自身も女性ホルモンに悩まされていることを吐露しました。

ウェルネス白書の報告会トークショーで生理や女性ホルモンについて語る三菱地所まるのうち保健室井上友美プロデューサー、バービーさん、ファムメディコ取締役CVO佐々木彩華さん
トークショーで婦人科検診について話す、左から三菱地所まるのうち保健室井上友美プロデューサー、バービーさん、ファムメディコ取締役佐々木彩華さん

産婦人科検診台(内診台)に抵抗のある女性が多いことに話が及ぶと、「自分がガンダムになった気持ちで、ウィーンガチャンと座ればいいんです」と診察に向かう心持ちをアドバイス。かかりつけ医は三つあると言い、「ネットで先生の顔写真を見たり、クリニックのキャッチコピーを見たりして、寄り添ってくれるかなと思えるところに行くようにしています。生理痛が重い、イコール、何かしらあると思っていいんじゃないかな」と呼びかけました。

(読売新聞メディア局 渡辺友理)

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