カンジダになりやすいのは“特性”?健康と働き方を考える1冊

2020年1月、「明日 わたしは柿の木にのぼる」という国産のデリケートゾーンケアブランドを立ち上げました。地域の資源を価値化して持続可能な地域をつくることと、生物学的女性特有の健康課題を日々のケアで解決したいという思いで、3年かけて開発したブランドです。

今月、弊社では「はたらく女性の心と身体のFACTBOOK 〜未来のわたしのために、今のわたしができること〜」という小冊子を作成しました。初版は無償配布を行っています。

広尾レディース院長で医学博士の宗田聡先生に監修していただき、働く女性たちのたくさんの声を集めてつくりました。生理から妊娠・出産のしくみ、流産、不妊、更年期、デリケートゾーンのケアまで、作り手である私たちも学びつつ、“知りたかった”女性の心と体のあれこれをまとめています。

この小さな冊子では、なかなか人に言えない心の声〈VOICE〉を共有し、医師監修のもと、研究データや知見から知識〈FACT〉を伝え、少しでも日々を健やかに過ごすための選択肢〈CHOICE〉を提案しています。

病院を選ぶかつての基準

国家公務員として働き始めてから転職先の日本総研を辞めるまで、とにかくがむしゃらに働いていた20 代は、様々な女性特有の健康課題に直面しました。

生理不順はもちろん、例えばカンジダちつ炎という症状を頻繁に繰り返し、こそこそ昼休みに病院に行っては対症療法、という一時しのぎを何年も続けていました。

病院を選ぶ当時の基準は「昼休みの時間で戻ってこられるか」。自分の体調を理由に仕事で迷惑をかけたくない、と思っていたのです。そして、「なんで、よりによって婦人科系の症状ばかり出るのだ……」と。婦人科系の症状が出るのは、私の“特性”であり、たまたまだと思っていたのです。当然、病院で原因などをしっかり振り返ることなどあるはずもなく、症状を繰り返すばかりでした。

しかし、30代手前になり、無理をしていた体がいよいよ悲鳴をあげ始めました。精神的にも仕事に対する悩みが深くなり、「もう無理だ」と日本総研を退職。少し休養しようと思いました。

すると、あれだけ繰り返していた婦人科系の症状や、2か所もあった頭皮の十円ハゲが、パタリとなくなったのです! 私の体の生まれながらの特性だと思い込んでいた症状が、会社をやめた途端、発症しなくなったのです。

キャリアと体

なぜこれらの症状が突然なくなったのか、勉強を始めてみると、生活習慣やストレスが女性の体の仕組みには大きく影響があることがわかってきました。

私が悩まされたカンジダ膣炎は、疲労やストレスなどで免疫力が低下することも、発症する原因の一つです。原因が改善されないと繰り返されるものでした。薬で一時的にかゆみなどを抑えることはできましたが、根本的な治療には生活習慣の改善が求められるそうです。よほど当時の私はストレスがまっていたのだと納得。

ほかにも、食生活の乱れや睡眠不足、過度のストレス、疲労など、働いていたら多くの人が経験することが原因となり、女性特有の健康課題に直面する可能性はあるのです。

この「事実」をもっと早く知っていたかった、と強く感じました。女性特有の健康課題はキャリア選択にも大きく影響してしまうのです。

小林味愛さんのつくったキャリアと女性の健康を考える小冊子「はたらく女性の心と身体のFACTBOOK 〜未来のわたしのために、今のわたしができること〜」
初版は無償配布しています

「迷惑をかけるし、相談するほどのことじゃないだろう」「このくらいならきっと大丈夫」と思いつつ、実は何が起きているのか、どうすれば良いのか、自分のことなのによくわからない。自分の心と体の変化や不調に対して、見て見ぬふりをしてしまうこともあると思います。

人と働き、誰かと暮らし、社会の中で生きていくうえで、ストレスなく自分の心と体を大事にすることは、ハードルが高いようにも思えてしまいます。でも、生物学的女性特有の体の仕組みを知り、自分の今の状態を見つめることは、体や精神の「ゆらぎ」とうまく付き合っていくための心持ちやすべを手にすることにつながるかもしれません。

まずは、自分の体を知ることから始めてみませんか。私たち自身も社会も、まだまだ知らないことにあふれています。自分の体を知り、困りごとや希望を周囲に伝えていく。そうしたことが巡り巡って、みんなが生きやすい世の中になっていくことを願っています。

「はたらく女性の心と身体のFACTBOOK 〜未来のわたしのために、今のわたしができること〜」配布場所の詳細などはこちら

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小林味愛プロフィル写真
小林 味愛(こばやし・みあい)
起業家

1987年東京都立川市生まれ。慶應義塾大学を卒業後、衆議院調査局入局、経済産業省出向、日本総合研究所を経て、福島県国見町で株式会社陽と人(ひとびと)を設立。福島県の地域資源をいかして、農産物の流通や加工品の企画販売など様々な事業を展開。あんぽ柿の製造工程で廃棄されていた柿の皮から抽出した成分を配合した国産デリケートゾーンケアブランド「明日 わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた。現在、3歳の娘を育てながら福島県と東京都の2拠点生活を送る。

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