「まるで双子を抱えているよう!」何も出来ないパパにならないために

今年4月から育児・介護休業法が大きく改正されます。一番の目玉は「男性版産休」の創設で、10月から実施されます。育児休業とは別に、子どもの出生後、8週間以内に最大4週間まで、2回に分けて取得できるそうです。「えっ、自分で産まないのに、産休?」。最初はそう思いましたが、これぐらいのインパクトがないと、男性の子育ては進まないのかもしれません。

夫の育児への積極的な関わりは、多くの妻の切実な願いです。講演会などで、妊婦さんから「家事の分担もほぼしない夫が、出産後に子育てに関わってくれるかとても不安です」などの相談を受けます。ただでさえ、出産を控えていろいろな準備をしたり、手続きをしたりと忙しく、自分自身の体調管理も大変な時なのに。それでも出産前のタイミングで、気づいてよかったと思います。子育てが始まってから「何も出来ないパパ」に気づいては手遅れです。

その手遅れ感があるご夫婦のお話を結構聞きます。もちろん妻の側からが多いです。

「びっくりするぐらい、赤ちゃんのことや子育てについてわかっていない。一切家事ができない」
「全く役に立たなくてストレスです。赤ちゃん以上に夫の世話に手間がかかります。双子を抱えているようです」

なぜこんな状況になるのでしょうか? 夫の側の意見も聞くと、夫だけの問題とはいえない理由があるようです。

「何を一体どうしたら良いのか全てがわかりません。誰も教えてくれませんでした」
「赤ちゃんが小さすぎて怖い。疲れている妻に申し訳ないのですが初めてなので」
「何をしても妻の機嫌が悪いです。いっそのこと何もしない方が良いのでしょうか?」

決して最初から育児や家事をしないと決めているわけではなさそうです。「なんとかしたい」「どうにか頑張りたい」という思いだけはあるのですが、残念なことに、そこにスキルや知識、実力が伴っていない感じがします。

男性は妊娠がわかり父親となるプロセスにおいて、出産や子育てについて学ぶ機会がほとんどないのです。身近に「パパ友」もいません。女性に比べて「意識・知識・技術」が圧倒的に少なく、その差が子育ての関わり方に大きく影響を与えます。だからこそ子どもが生まれる前の夫婦のあり方が、とても大切になります。

2人で少しずつ親になる

妻は不安な気持ちを夫に伝えてください。その上で、子どもが生まれた時に必要になることを、2人で一緒に考えましょう。本やインターネットで情報を共有する、両親学級やセミナーなどに参加する、赤ちゃんグッズを買いに行くなどです。ポイントはそれぞれの思いを伝えることです。無理に合わせるのではなく、「共有」の姿勢です。「2人で少しずつ親になっていく」。そんな感覚を共有することが、これからの夫婦や家族に必要なことだと思います。

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「子育て応援団」のコーナーでは、子育て支援の専門家や医師、タレントらがリレー方式で、働きながら子育てをするママやパパに向け、元気が出るメッセージや日々の暮らしに役立つ知識を盛り込んだコラムを掲載します。

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子育て相談アドバイザーの小崎恭弘・大阪教育大学教授
小崎 恭弘(こざき・やすひろ)
大阪教育大学教授

1968年生まれ。兵庫県出身。91年に同県西宮市初の男性保育士となり、12年間保育施設に勤務。その後、神戸常盤大学を経て2014年から現職。専門は保育学や児童福祉、父親支援など。3人の子がおり、それぞれ育児休業を取得した。全国で年60回程度の講演会を行っている。父親の育児を支援するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」顧問も務める。

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