ABEMA 「ドラマの道」は安室ちゃんが転機、香りでリフレッシュ

ポジティブな気持ちになれたり、仕事の役に立ったり。自分らしく、生き生きと働く女性たちの「ハッピーアイテム」を紹介します。

川島彩乃(36)
ABEMA 制作本部 ドラマ制作部長/マーケティングプロデューサー

オリジナルドラマの責任者であるとともに、マーケティングプロデューサーとして、ひとつひとつの作品をヒットさせ、視聴者にみてもらうための作戦を考えるのが仕事です。

動画配信事業「ABEMA」は新しい未来のテレビとして、2016年、テレビ朝日とサイバーエージェントの共同事業で始まりました。地上波のドラマは、人気の時間枠で放映すれば多くの人の目に触れる機会がありますが、インターネットテレビは番組を作っただけでは見てもらえません。

視聴者の手元まで届けることが大切で、少しでも興味をひくよう、ストーリーや配役を制作担当のプロデューサーらと一緒に考えることもあれば、SNSを使い、インスタグラムのライブ配信に出演者に登場してもらって宣伝するなど、手法は多岐に渡ります。有料プランの「ABEMA プレミアム」会員を増やすため、どこまで無料配信とするかなど効果的な編成方法について試行錯誤することもあります。

ABEMA ドラマ制作本部部長/マーケティングプロデューサー川島彩乃さん 大手小町 読売新聞根っからのテレビドラマ好き。小学生のころは、医療ドラマ「ナースのお仕事」を見て看護師に憧れ、高校時代は、たくさんのドラマから影響を受け、今でも心に残っているセリフがたくさんあります。「いつか、こんな風に人に気付きを与えられるドラマが作れたら」と漠然と夢見ていました。

テレビ業界への憧れはありましたが、大学の社会学部で広告を専攻し、2008年に「サイバーエージェント」に就職しました。インターネット広告の仕事で10年キャリアを重ね、一生の仕事にするのだろうと思っていたとき、転機が訪れました。

安室ちゃんが人生変えた

ABEMAが2018年に歌手の安室奈美恵さんの引退特別番組を作った際、彼女のファンを公言していた私は、社内の企画会議に呼ばれるようになりました。制作担当者と話をする機会が増え、「エンタメ好きなら制作の現場に来ませんか」と声をかけてもらったのです。

当時は、化粧品などの広告を担当し、営業マネジャーとして、女性ばかり10人のチームをまとめる立場。営業しかしてこなかった自分にドラマ制作が務まるのかという気持ちもありましたが、視聴者に作品を届ける仕事に、これまでの営業でのスキルやマネジメント経験が生かせるのではないかとも考えました。

「やらなかったら60歳になった時、後悔する」

3年前、ABEMAに出向しました。最初の仕事はテレビ朝日との共同制作で、歌手・浜崎あゆみさんの半生を描いたドラマ「M 愛すべき人がいて」でした。かかわる人数の多い、大きなプロジェクトで、新入社員に戻ったつもりでがむしゃらに取り組みました。

関係者が円滑に仕事を進められるようにと、打ち合わせも撮影も、とにかく足を運んで、信頼関係を築くことを心がけ、制作を担当するプロデューサーらと同じ熱量で作品に向き合いたいと、必死でした。

当初は、何も分からず、「素人が制作現場で自分の意見を言っていいのか」と迷うことも多く、不安でした。あるドラマの現場で、思い切って監督に、「このストーリーはこう解釈できるのではないか」と提案しました。その意見を取り入れてもらえ、立場や経験の差があっても自分なりの意見を言っていいのだ、と勇気をもらえた瞬間でした。

燃え尽き症候群のための香り

リサーチのために映画やドラマの映像を何本も見て肩が凝ったり、オンライン会議が一日に何件も続いて疲れを感じたり。根を詰めて仕事をしたとき、リフレッシュのために使っているのがアロマオイルです。10種類ほどのさまざまな香りを集め、気分によって持ち歩く香りを変えています。

特に気に入っているのが、パリ発のブランド「SHIGETA」の「モーニングスパーク」というエッセンシャルオイル。都会で働き、仕事をがんばりすぎて燃え尽きてしてしまう女性のためにブレンドされているそうで、ラベンダーの香りに癒やされています。会議と会議の合間、仕事中に疲れを感じたときなどに、手首に塗ったり、香りをかいだりしています。呼吸が浅くなりそうなときにアロマの香りとともに深呼吸すると、「がんばろう」と元気になれます。

営業の仕事では、私たちが提案したものに対して、お客様が最終判断してくださることが多くありました。一方、今の仕事は、全てにおいて答えがなく、自分で仮説を立て、決断しなければならない場面の連続です。常に市場も視聴者のニーズも変化して、ある作品でうまくいったことが、次も必ず当てはまるわけではありません。そこが難しくもあり、面白いところでもあります。発展途上ではありますが、日々、成長を感じることができます。

2021年に配信した「ABEMA プレミアム」会員限定のオリジナルドラマ「私が獣になった夜」は、女性のリビドー(性的欲求)を刺激するというテーマ。リアルな男女関係と複雑な女心をクリエイティブにこだわって表現しました。特に20、30代の女性からたくさんの反響をいただき、2021年に放送したオリジナルドラマの中でも多く視聴された作品になりました。2022年1月から放送をスタートしたオリジナルドラマ「30までにとうるさくて」は、結婚、出産など30歳という節目の年齢を意識する現代の女性の悩みや葛藤を描いています。

見た人が一歩前向きになれるような、少しでもいい影響を与えられるドラマを作りたい。「ドラマならABEMA」と言われるようにしたい。近い将来の目標として見据えています。

ABEMA ドラマ制作本部部長/マーケティングプロデューサー川島彩乃さん 大手小町 読売新聞

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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