オミクロン株感染拡大で子どもの療養のポイント、仕事と両立できる?  

猛威を振るう新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は、国内外で子どもの感染者の急増が報告されています。東京都の10代以下の新規感染者は23日時点で2296人、今月1日の8人に比べ287倍となりました。濃厚接触者と判断されたことによる影響、保育園の相次ぐ休園、家庭内感染の予防対策に頭を悩ませる保護者たちが悲鳴を上げています。

自分たちは大丈夫と思っていた

「園で感染者が出たため、お子さんは濃厚接触者に該当します。10日間の自宅での健康観察、医療機関でのPCR検査をお願いします」

都内の女性会社員(48)は1月24日夜、長男(5)の通う保育園からのメール連絡に驚き、すぐに園に電話しました。園児たちは日頃からマスクをせずに過ごし、手をつないで公園に行っていたことなどから、幼児クラス全員が濃厚接触者と判断されたといいます。

長男に目立った症状はないものの、感染した子どもは、38度の発熱や味覚障害が出ているそうです。

女性は勤務する会社に報告すると、PCR検査で長男の陰性がわかるまで、出社を控えるように求められました。すぐに検査できる病院を探しましたが、かかりつけ医は抗原検査しか対応していませんでした。別の病院を探しても、どこも予約でいっぱい。「症状がなければ検査は薦めない。様子を見た方がよい」という小児科もあり、長男の感染についてはっきりしない状態が続いています。

たとえ長男がPCRで陰性だったとしても、10日間は登園できません。長男の様子を心配しながら在宅勤務をする女性は、「10日間出社しないのはさすがに無理。今まで身近に感染者がおらず、自分たちは大丈夫と思っていました。息子が濃厚接触者になったとたん、仕事が回らなくなることを痛感しました」と頭を抱えています。

コロナよりストレスで倒れてしまう

都内の化学メーカーに勤務する立川市の高木陽一郎さん(30)は1月24日朝、長女(4)が通う保育園の職員に陽性者が出たとの知らせを受けました。高木さんは有給休暇を取得し、別の保育園に通う長男(3)を預け、長女を小児科へ連れていきました。

オミクロン株の猛威で子供の感染者が増加
オミクロン株の猛威で子供への新型コロナ感染が増加(写真はイメージです)

咽頭痛、鼻水などの症状があった長女は25日、陽性と判明しました。夜には熱が38度近くありましたが、食欲があり、翌朝には熱も36度7分に下がっていました。ただ、高木さん本人、妻、長男の3人は濃厚接触者となりました。

高木さん自身は在宅勤務に切り替えて業務を続けるつもりですが、高校教諭の妻は学年末の試験、学校行事、入試などの準備で忙しく、PCR検査を受けた上で待機期間を短縮するつもりといいます。

高木さんは「仕事は在宅でもなんとかできるのですが、長男の保育園から感染の有無を確認する連絡が繰り返しきたり、会社から何日もさかのぼって行動履歴を求められたり、検査を受けられる病院を探したり、2人の子供の面倒をみたり、仕事どころじゃありません」とうんざりした様子。「家庭内で感染しないように長男を別の部屋に隔離しているのですが、わけもわからず泣きわめいて大変です。家族のだれかが陽性で待機期間がまた一から振り出しに戻ってしまうかと思うと、コロナよりもストレスで倒れてしまいそうです」

家庭内の感染防止のポイント

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が流行し、子どもの感染者が急増しています。子どもが陽性となった場合、家庭で感染を広げないために、何ができるのか、小児感染症学が専門の新潟大教授、斎藤昭彦さんに聞きました。

Q 子どもが陽性となった場合、家庭での療養で大切なことは?

A オミクロン株の子どもの感染では、熱が出るケースが多いようです。解熱剤を適切に使ってください。脱水を避けるため、水分補給も重要です。また、喉が痛くなる子どももみられます。固形物が食べにくくなることもあるので、喉越しが軟らかいゼリーやプリンも準備しておくといいでしょう。

Q 陽性者が家にいる場合、マスクはした方がいい?

A 2歳以上の子どもはマスクをするのもいいでしょう。でも、具合が悪い上にマスクをするのはつらいでしょうから、無理のない範囲で。大人はマスクをして、陽性者の飛沫ひまつを浴びないようにしましょう。

Q 家での手洗いの頻度は?

A 食事前やトイレの後だけでなく、陽性となった子どもの回りに置いてあるものや、子どもが触ったものに触れたときには、手を洗いましょう。自宅でも携帯用のアルコール消毒液を持ち歩き、こまめに手指を消毒するのもいいでしょう。

Q 寒い冬、換気のタイミングは?

A 理想的には常時、開けておくと空気が対流し、感染予防になります。ですが、寒いですよね。たとえば、陽性となった子どもが大泣きしたり、たくさん話をしたりして、飛沫が多く飛んだと考えられるときには窓を開ける、一方で、眠っているときは窓を閉めておくなど、メリハリをつけた換気ができるといいでしょう。

Q 高齢者や基礎疾患のある家族も同居。注意点は?

A 陽性となった子どもを隔離するのは難しいこと。高齢者に感染しない努力をお願いするといいでしょう。部屋をわける、接触する際には距離を十分に取るほか、手洗いのタオルを分ける、食事の時間を別にするなどするといいでしょう。

Q 感染力が高いとされるオミクロン株。どうしても感染してしまうのでは?

A 同じ空間を共有する家族だと、感染を広げないというのは難しいですね。リスクはゼロにはなりませんが、手洗い、マスクの着用、換気などやれる範囲の対策をして、リスクを下げていきましょう。感染しても、責任を感じすぎないでください。

(読売新聞 谷本陽子、林理恵)

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