帝人 炭素繊維でスポーツの可能性広げる「夢のもと」

ポジティブな気持ちになれたり、仕事の役に立ったり。自分らしく、生き生きと働く女性たちの「ハッピーアイテム」を紹介します。

上田理紗(26)
炭素繊維事業本部 成形材料営業部

炭素繊維は鉄と比べると、重さが4分の1、強度10倍の「軽くて強い」素材です。航空機や人工衛星に使われる高品質の炭素繊維素材「テナックス」を、身近なスポーツ用品に使った商品の企画・提案をしています。

落雷や乱気流など航行時のさまざまな衝撃に耐える炭素繊維は、釣り具やゴルフクラブのシャフトなどにも使われています。女子ソフトボール日本代表が使っているバットにも採用され、より硬い打感や力強い弾きを実現しています。高性能な素材と最新技術による道具の進化で、様々なスポーツでパフォーマンスの向上、記録更新につながると期待されています。

私のハッピーアイテム 読売新聞 大手小町 帝人で炭素繊維の営業を担当する上田理紗さん
女子ソフトボール日本代表のバットには、航空機や人工衛星用の高品質の炭素繊維素材が使われている

大学では英米文学を専攻していましたが、就職活動でメーカー各社を調べているときに、旅行でよく利用する飛行機にも、新幹線や自動車のボディーなどにも用いられている炭素繊維という夢の素材を知り、興味を持ちました。テニスに打ち込んだ大学時代、毎日のように握っていたラケットにも使われている素材だったと気づき、親近感を覚えました。

世の中をもっと便利にしていく仕事に関わりたいと思っていました。今できないことでも、将来実現する力を持っているこの素材の可能性にひかれ、「炭素繊維の営業を担当したい」と志願しました。

ミス連発を反省し頭の中を整理

入社して最初に配属されたのは物流チームで、素材の輸出入の業務を担当しました。炭素繊維の素材は、糸状、織物状、シート状など様々な形状があります。製品化のスケジュールに合わせて世界各地へ船で運ぶ手配をします。温めて固めた素材は常温で管理し、冷やして固めた場合は、品質保持のため冷凍状態で輸送する必要があります。

扱う輸出入の件数が増えてきた入社3年目のころ、1人では処理仕切れない量の仕事を抱えてしまいました。輸送の順番を間違えたり、温度管理を誤ったり、ミスを連発してしまいました。

すんでのところで先輩から指摘され、大事に至らずにすみましたが、多くの人に迷惑をかけ、落ち込みました。仕事が立て込んだ時には一つひとつの業務をノートに書き出し、頭の中を整理するようになったのは、このときの反省からです。

昨年、念願だった営業部へ配属されました。素材メーカーは、材料、部品、製品などを作る「縁の下の力持ち」というイメージがあるかもしれません。でも、スポーツのブランドやメーカーの担当者と直接会って、どんなニーズがあるのかを探り、どんなスポーツ用品に使うことができるか、製品開発にも積極的に関わるように心がけています。

品質やものづくりを重視している会社なのか、コストや販売戦略を含めた提案を求めているのか、担当するメーカーの社風や体質にも気を配り、実際に商品を使う消費者の視点も考えます。関わった商品がヒットし、「こんな提案、これまでなかった」とメーカーから喜んでもらえることにやりがいを感じます。

性格変えてくれたパートナー

休日のリフレッシュは体を動かすことです。仕事をきっかけに、家族からゴルフを教えてもらったり、釣りを始めたり、新しいスポーツに挑戦しています。 学生時代から続けているテニスはラケットを握ると、朝から晩までコートを夢中で走り回っていた日々を思い出します。努力を重ねて、代表で試合に出るメンバーに選ばれたり、試合でのリーダー役を任せられたり、高校時代は内気で人前で話すこともなかったのに、テニスを通して自信が持てるようになりました。使い込んだラケットは私を変えてくれた大切なパートナー。この仕事ができているのもテニスのおかげかもしれません。

今は、まだ周りの力を借り、助けてもらいながら商品の企画・提案に取り組んでいます。もっと経験を積み、技術的な知識を身に付け、満足してもらえる提案ができる営業担当になっていきたい。画期的なテニスラケットの開発に関わったり、時計ブランドにも採用してもらえるようにしたり、炭素繊維とともにスポーツや暮らしの可能性を広げていきたいと思っています。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

私のハッピーアイテム 読売新聞 大手小町 帝人で炭素繊維の営業を担当する上田理紗さん

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