20歳代の保育士です。ある保護者に「出産育児を経験した人にみてほしい」と言われ、ショックです。憧れの仕事で、4年制大学を出て、幼稚園教諭の資格も取りました。保護者の気持ちもわかりますが、今後同じことを言われた時、どうすべきですか?
読売新聞夕刊の「OTEKOMACHI」のページと連動し、「モヤモヤ・健康編、働き方編」として、働く女性の仕事や健康に関する悩みに専門家が答えます。
別の不満原因か
「出産育児経験のある人に子どもの担任をしてほしい」というのは、実は保育の現場ではよくある要望です。小学校ですらこうした要望が出ることがあります。
僕も12年間保育士として勤めましたが、似た経験はあります。ショックを受ける気持ちもわかります。ただ、出産などを経ていないとふさわしくないのなら、男性保育士は不適任ということになりますが、そうではありません。
保育には固定化したイメージがあり、女性の仕事という印象が強く、かつては保母と言われた時代がありました。しかし、保育の専門性と出産育児はイコールではありません。単なる託児ではないからです。命を守り、集団生活の中で個を育て、社会性を身につけさせ、子どもが健やかに成長する土台を作るのが保育士の役目です。その専門性は資格を取得する課程で身につくもので、出産育児経験と直接は関係ないのです。
こうした要望は、保護者の何らかの不安や不満に起因することが多いです。しっかりコミュニケーションを取って、不安や不満の原因を探り、解消することが重要です。今や保育はチームでするものです。若く、社会経験が少ない保育士が悩みなどを抱えている時は、チームで解決にあたる組織運営も求められています。(大阪教育大教授 小崎恭弘さん)
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