ふるさと納税の確定申告が簡素化、その変更点とは?

自分の好きな自治体に寄付し、実質2000円の自己負担で税金が安くなる上に、返礼品ももらえるとあって人気のふるさと納税。このふるさと納税の確定申告の手続きが、今年の令和3年分(2021年分)から簡素化されます。そこで今回は、ふるさと納税の確定申告の簡素化について解説します。

ふるさと納税の控除を受ける二つの方法

そもそも、ふるさと納税の仕組みについては、以前のコラムで解説していますので、そちらをご覧ください。
ふるさと納税で節税&節約、日常生活に役立つ返礼品をゲット

今回は、ふるさと納税を行い、税金の控除を受ける手続きからお話しします。ふるさと納税で税金の控除を受ける方法には、「確定申告」と「ワンストップ特例」の二つがあります。

確定申告
確定申告は、1年間に得た所得から収める税額を計算して、国(税務署)に納税する手続きのこと。原則、毎年2月16日〜3月15日の間に、前年1年間分の確定申告を行います。主にフリーランスや自営業者といった個人事業主や、2か所以上から給与をもらっている人、医療費控除などがある人が行う手続きです。

収入が給与のみの会社員や公務員などは原則として確定申告を行う必要はありませんが、次に説明する「ワンストップ特例」を利用せずに、ふるさと納税で寄付金控除を受ける場合は、確定申告が必要です。

ふるさと納税をした場合の確定申告の手順は、以下のとおりです。

<1>自治体を選び、寄付をする
<2>自治体から返礼品と「寄附金受領証明書」が届く
<3>寄附金受領証明書を添えて確定申告を行う

この手続きを行うことにより、寄付した年の所得税が還付され、翌年度の住民税が安くなります。

ワンストップ特例
「確定申告は手間だな」と思う方におすすめなのがワンストップ特例です。この制度を利用すれば、確定申告をしなくても控除が受けられます。

ただし、「年収2000万円を超える給与所得者ではない」「給与を複数から得ていない」「確定申告をしないこと」「1年間のふるさと納税の寄付先が5自治体以内であること」の条件を満たすことが必要です。

ワンストップ特例を利用する場合の手順は、以下のとおりです。

<1>自治体を選び、寄付をする
<2>自治体からお礼の品と「ワンストップ特例申請書」が届く
<3>ワンストップ特例申請書に必要事項を記載して、返送する

ワンストップ特例を利用した場合には、所得税からの控除はなく、翌年の住民税が安くなります。ただし、ふるさと納税の寄付先が6自治体以上になった場合もワンストップ特例は利用できません(なお、同じ自治体に複数回寄付した場合でも、寄付先が5自治体以内であればワンストップ特例は利用できます)。

また、会社員でも、「住宅ローン控除の手続きをする」「医療費控除を利用する」など、別件で確定申告が必要な方はワンストップ特例が利用できません。つまり、仮にワンストップ特例を申請していても、確定申告をする場合は、ふるさと納税の申告もしなければならないということです。

ポータルサイトを活用して簡単&お得に

読者の方の中には、「今年は医療費控除があるからワンストップ特例が使えない……」と気を重くしている方もいるのではないでしょうか。

そんな方に朗報です! 令和3年分(2021年分)から、ふるさと納税の確定申告が簡素化されます。

これまで、確定申告で控除を受ける際に必要になる「寄付金受領証明書」は、寄付ごとに自治体から発行されていました。ですから、寄付をすればするほど、郵送されてくる寄付金受領証明書の枚数が増えていきます。枚数が増えるほど、確定申告をする際に手間ですよね。

それが令和3年分(2021年分)からは、国税庁長官が指定した「特定事業者」が発行する「寄付金控除に関する証明書」を添付すればいいことになりました。

特定事業者とは、簡単にいえば、ふるなび(株式会社アイモバイル)、さとふる(株式会社さとふる)、楽天ふるさと納税(楽天グループ株式会社)、ふるさとチョイス(株式会社トラストバンク)など、ふるさと納税の情報をまとめているポータルサイトのこと。

詳しくは以下で確認してくださいね。

国税庁長官が指定した特定事業者

これらのポータルサイトでふるさと納税を行うと、「寄付金控除に関する証明書」を発行してくれます。寄付金控除に関する証明書には、1年間に行った寄付の内容や合計額が記載されています。これを確定申告の書類に記載し、寄付金控除に関する証明書を1枚添えて提出すれば確定申告は完了です!

寄付金控除に関する証明書は、各社サイトからダウンロードできます(一部サイトでは郵送してくれます)。なお、複数のサイトでふるさと納税を行った場合は、そのサイト分だけ寄付金控除に関する証明書が必要になりますので気をつけてくださいね。

賢く活用する三つのポイントとは?

ますます便利になるふるさと納税ですが、最後に賢く活用する3つのポイントについてお話しします。

<1>クレジットカードで支払うことでカードのポイントを貯める
寄付金を支払う方法は、自治体によって、クレジットカード払い、金融機関からの振り込み、コンビニ決済、窓口への持参などから選べますが、おすすめは、なんといってもクレジットカード払いです。即時決済ができるので、申し込み手続きが簡単になるだけでなく、カード会社のポイントも貯(た)まります。

<2>ふるさと納税ポイント制度を利用して好きな時に欲しい商品を手に入れる
「これだ!」という返礼品を見つけても、人気の品はすぐに「品切れ中」になってしまうことがよくあります。また、複数の自治体に寄付した場合、同時に返礼品が送られてきて、困ることもありますよね。そんな時は「ポイント制度」を利用しましょう。

ポイント制度は、寄付をすると、寄付に応じたポイントが付与され、有効期限内であれば、好きな時に、好きな返礼品に交換できるというスグレモノです。ポイントの範囲内であれば、何回かに分けて返礼品をもらうことも、ポイントを貯めてお目当ての特産品と交換することもできます。ポイントは寄付した自治体ごとに付与され、その自治体のみ使用できます。

ポイントの有効期限は、1年もしくは2年がほとんどです。ポイント制度の内容は、自治体によってさまざまなので、寄付する際にはチェックしてみてください。

<3>食品や日用品を選べば、家計の節約に
ふるさと納税の返礼品といえば、ブランド牛や魚介といった高級食材のイメージがありますが、家計の節約に役立つような返礼品を選ぶのも手です。

例えば、日々の生活で購入している食品や日用品、調味料、お米、お水、ティッシュペーパー、洗剤、トイレットペーパーなどは、家計の節約につながりそうですね。

ふるさと納税の手続きは、年々簡素化される傾向にあります。節税しながら返礼品ももらえるお得な制度ですので、ぜひ、前向きに活用してくださいね。

高山一恵さん
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)、「ゼロから始めて2時間で一生困らないマネープランができる本」(彩図社)など。

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