トリンプ ブラやショーツのありきたりじゃないPRの極意とは

自分らしく生き生きと働く女性たちが、ポジティブな気持ちになれたり、仕事の役に立ったりする「ハッピーアイテム」を紹介します。

今井悦子(39)
トリンプ・インターナショナル・ジャパン
コラボレーション&コーポレート/ブランドPR

「今回のテーマは、『あなたは大丈夫!? 実は見られてる! 夏のランジェリーの落とし穴』。Tシャツや薄手のアウターに響きにくい夏のブラやインナーを紹介します」。6月下旬、社内の会議室で若者向けブランド「アモスタイル バイ トリンプ」の商品をそろえ、固定したスマートフォンのカメラに向かって語りかけます。

今年3月から、1か月に1回のペースでインスタライブで商品のPRを始めました。コロナ禍で来店機会の減ったお客さまへ、新製品や人気アイテムのデザインや機能を紹介。下着に関する豆知識やお得な情報なども盛り込み、購入へつなげる試みです。

この日、最初に取り上げたのは、縫い目のほとんどないシームレスのブラジャー。「吸水速乾性の素材で汗をかいてもサラッと快適です。カップの下部分に厚みを持たせたデザインで自然にボリュームアップできます」。ブラジャーを裏返して内側部分の厚みを見せ、ストラップやパワーネットの素材など細部もアップで映し出します。

「これ、欲しかったブラジャーだ」「シンプルなデザインでかわいい」・・・・・・。ライブ配信のため、視聴者からのコメントが次々と書き込まれます。「ほかにはどんな色がありますか?」「ショーツは何種類ありますか?」といった質問が寄せられると、その場で答えていきます。

インスタライブの内容は、企画を一から考え、台本を書き、司会進行も務めます。まだ手探りですが、視聴者との双方向のやりとりは、お気に入りのブランドや商品を仲のいい友達に勧めるような感覚です。下着メーカートリンプで広報PRを担当する今井悦子さん

PRの仕事は地道な作業の積み重ね

大学卒業後、女性の美や健康に携わる仕事にあこがれて入社。広告宣伝の担当として、タレントを起用したキャンペーン企画やモデル撮影、店頭に置く販売促進ツールの企画に約7年携わり、その後、現在の広報PR担当に。

広報PRは、新製品の発表会や展示会、タレントのトークショーなどイベントの企画運営といった華やかな面もありますが、普段は社内で販売実績や新製品情報を集めたり、PR用の原稿を書いたりする地道な作業の積み重ねが大切になります。

最初にキャリアを積んだ広告宣伝と広報PRは、ブランドや商品の情報を伝えるという点では、一見似ているように思われます。しかし、仕事で会う人が広告会社の方たちだったのが、今は雑誌編集者や新聞記者などへ様変わりしました。

メディア向けに作るPR資料は、ありきたりの文言を並べ、ただ機械的に送るだけでは何の反応も得られないと痛感しました。女性誌やテレビの情報番組などに、どうすれば良い形で取り上げてもらえるかを常に考えます。それぞれの媒体が求める情報に合わせて、プレスリリースを何種類も用意するようにしました。

ファッション誌なら女性目線のニュースやトレンドを意識した話題、新聞は販売実績の数字や「業界初」といったトピック、テレビの情報番組には女性の意識調査や新商品の注目ポイントなどを盛り込みます。記事を即座に公開するウェブメディアには、商品にちなんだ写真の用意があることを書き加えるといった工夫をするようになりました。

成長する野菜の生命力

新型コロナウィルスの感染拡大に伴ってリモートワークが増えたのをきっかけに、2020年から都内の住まいを引き払って千葉県内に移りました。

近所に畑を借り、アスパラガス、トマト、キュウリ、ナスなどの野菜、イチゴやスイカなどの果物、ハーブや花などを加えると年間約40種類の農作物を育てています。毎朝5時に起き、畑へ出かけ、農作業をするのが日課になりました。土に触れている時間は無心になって、鳥のさえずりが耳に心地良く響きます。

種をまき、小さな芽に水をやり、ぐんぐん成長する生命力にエネルギーをもらっています。仕事が立て込んで夜遅くなったり、思うようにいかず落ち込んだりしても、翌朝、野菜や花の手入れをしていると、いつの間にか気分がリセットされます。「よし、今日もがんばろう」。収穫したズッキーニやレタスを両手いっぱいに抱えても、仕事へ向かう足取りは軽く感じられます。

天候や害虫の影響で、間もなく収穫を迎える作物をダメにしてしまうこともあります。PRの仕事でも、アピールしたい内容と異なった取り上げられ方をしたり、何度説明しても理解してもらえなかったり、狙い通りにいかない難しさがあります。

そんなときは、「なぜダメだったのか」と原因を探り、「どうすればいいのか」と攻略する方法を考えます。失敗の経験を生かし、手を尽くせば必ず実を結ぶことを、野菜たちが教えてくれます。

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)

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