SHELLY なぜユーチューブで性教育を若い世代に伝えるのか

タレントのSHELLYさん(37)はバラエティー番組などで活躍する傍ら、昨年12月、動画投稿サイト「ユーチューブ」で、性教育について語る「SHELLYのお風呂場」を始めた。若い世代が性について正しい知識を持つことは、自分を守り、生き方を選ぶことにつながるからだという。

20代は必死

雑誌のモデルを経て、タレントの仕事を始めましたが、20代は自分の立ち位置が確立しておらず、どうすれば生き残れるか必死でした。がむしゃらに頑張って、のし上がってきました。

その後出産を経験したり、セクハラなど女性を取り巻く様々な問題をテーマにしたインターネットの番組に携わったりして、「性教育って大事だな」との思いを強くしました。大好きなバラエティー番組で楽しい時間を盛り上げるだけではなく、自分の考えを発信したくなったのです。

周りには20代で燃え尽きてしまう人も多く、そのまま変わらない人もいます。でも、私は現状維持に違和感があり、思い切って性教育について伝えるユーチューブを始めました。視聴者がいなかったら恥ずかしいと思ったけれど、失敗を恐れて挑戦しないのはもったいない。そんな気持ちでした。

想像以上の反響

幸いなことに、2人の姉が色々教えてくれたおかげで、性教育には10代の頃から興味がありました。若い世代が正しい知識を身につけて、自分の体や性とオープンに向き合ってほしい。自分を守り、生き方を選ぶことにつながるからです。

動画のテーマはスタッフと決めて、医師に監修してもらっています。コンドームや月経カップの使い方、容姿や性的指向に対するバラエティー番組での「いじり」について悩んだことなど、様々なことを話します。

登録者数は20万人近くに上り、反響も想像以上でした。緊急避妊薬についての動画を公開後、「助かりました」とお礼のメッセージが届きました。避妊に失敗し、ネット検索で私の動画を見つけた女子学生からでした。始めた意味があったと実感。保健室の先生みたいな存在になれたらうれしい。そして、LGBTQ(性的少数者)も含め、誰もが「仲間だ」と思える場にしたいです。

30代で、離婚もしました。踏み切るまではすごく怖くて、2人の娘への影響も心配でした。離婚後は娘たちと暮らし、前の夫ともいい関係を続けられています。変化に合わせて自分なりに学び、みんなにとってより良い環境を作る努力を続けています。

自分の考えをいい形で発信できるようになり、今は自分で人生のハンドルを切っている実感を味わえています。40代も楽しみ。「あんな大人になりたい」と、誰かに思ってもらえるようになれれば最高です。

◇ ◇ ◇

【取材後記】SHELLYさんのユーチューブを見て、ぜひ話を伺いたいと取材を申し込んだ。性に関する知識にとどまらず、「自分の人生は自分で決めよう」という熱意が伝わってきて、前向きな気持ちになるような動画ばかりだった。台本はなく、事前に調べたことを中心に話しているという。

性教育を語ることと、タレントとしてのイメージについて迷いはなかったのか。失礼ながらこう尋ねると、「主戦場のバラエティーで話をする機会がなかっただけで、(性教育についての考えを)隠そうとは思っていなかった」と即答された。マネジャーたちと楽屋などで社会問題について話すこともあり、「何かやりたい」と考えていたそうだ。

「トイレットペーパーはいいのに、生理用品を買うのは恥ずかしいって変ですよね」と言われ、はっとした。ドラッグストアなどで生理用品を買う際、人目につかないように紙袋に入れてもらうのは当然だと思っていたが、隠さなくていい気もする。無意識の思い込みについて、考えさせられた。(読売新聞経済部 青木佐知子)

「30代の挑戦」は、各界で活躍する女性たちにキャリアの転機とどう向き合ったかを、読売新聞の30代の女性記者たちがインタビューする企画です。

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SHELLY(しぇりー)
タレント

1984年、神奈川県生まれ。14歳の時に、モデルでデビュー。タレントとして、バラエティーからニュース番組まで幅広く活躍している。父親は米国人。

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