女性が職場で感じる男女格差…昇進や給料よりも多かったことは?

働く女性の約半数が、職場でジェンダーギャップ(男女格差)を感じ、約4割が女性であることが理由で、お茶出しや掃除などを任された経験をしている――。こんな調査結果が、女性向け転職サイトが実施したアンケートで明らかになりました。

半数が職場でジェンダーギャップ「ある」

調査は今年4月、キャリアデザインセンター(東京)が運営する転職サイト「女の転職type」が、同サイトの会員女性を対象にインターネットで実施。868人から回答を得ました。

職場でジェンダーギャップがあるかどうかを尋ねたところ、「非常にある」「ややある」と答えた割合が52%と半数を超えました。年代別にみると、20代が47%、30代が53%、40代が57%と、年代が上がるほど多くの女性が男女格差を感じていることが分かりました。一方、ジェンダーギャップを理由に転職を考えたことがある人は27%にとどまっています。

「女性であること」を理由に職場で経験したことや感じたことを尋ねると、「お茶出し、掃除などを任される」と答えた人が38%で最も多く、「給料が低い」(37%)、「給料が上がりにくい」(36%)、「補助的な仕事を任される」(34%)、「昇進、昇格のスピードが遅い」(33%)が続きました。

「特にない」と答えた人は24%にとどまり、大多数の女性が格差にもとづく経験をしている結果となりました。さらに、「女性であることが職場でどう影響するか」を聞いたところ、「有利」と答えた人が19%だったのに対し、「不利」は約3倍の56%に上りました。

職場での格差問題解消のために何が必要かという問いでは、「社長(経営層)の意識が変わる」が60%でトップ。これに、「誰でも育休が取りやすい環境にする」(54%)、「リモートやフレックスなど柔軟な働き方ができる環境が整う」(47%)が続いています。

令和なのに「女性だから」という仕事

世界経済フォーラムが今年3月に発表した「ジェンダーギャップ指数2021」で、日本は世界156か国中120位。先進国の中で最低レベルとなっており、調査結果はその実情を浮き彫りにした形となりました。

調査を行った同サイトの小林佳代子編集長は、「日本は、多様性を認める世界の潮流から取り残されています。女性だからという理由で、お茶出しや掃除を任された人が約4割に上ったことは、合理性がなく、令和になってもそうした職場があることに驚きます」と話します。

⼥性の活躍を推進している企業ほど経営指標が良く、株式市場での評価も高まるという世界的な傾向があることから、「ジェンダー差別、ハラスメント、偏見がある企業は、成長が見込めず、人材獲得でも厳しくなります。変えるには、強引なくらいの組織改革が必要です」と小林さんは強調します。

小林さんは、女性特有の体の不調への理解不足や、相談相手がいない肩身の狭さなど、職場の女性比率が低いことから来る悩みを耳にしています。女性側が「こういう仕事は女性がやるものではないか」「女性は控えめであったほうがいいのでは」という古い概念から抜け出せていない場合もあるといいます。

多くの企業で女性活躍を推進する動きが加速する中、「女性側も、女性という属性が理由での不当な扱いは間違っていることだと認識し、できるだけ声をあげてほしい。ジェンダーに関係なく活躍できる社会を目指していくために、人々の意識と行動の変化が求められています」と話しています。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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