中島ナオさん死去38歳、乳がんと闘いヘッドウェア製作や治療支援

ステージ4の乳がんと闘いながら、ヘッドウェア製作やがん治療研究への支援プロジェクトに取り組んできた中島ナオさんが4月20日、死去した。38歳だった。

がん患者もそうでない人も楽しめるヘッドウェアを製作するほか、NPO法人「deleteC」の代表理事として、協力企業とともにがんの治療研究費を寄付するプロジェクトを行ってきた。deleteCの広報担当によると、自宅で家族にみとられ、眠るように息を引き取ったという。

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記者は昨年9月、中島さんを取材した。30代の働く女性の読者が多いページで取り上げることを、とても喜んでくれた。「私自身の30代って、何度もバチン、バチンって倒れて、そのたびに何とか起き上がって……。その時々を必死に生きる、それを繰り返してきて、今38歳ですから」。そう笑っていた。

はつらつとした笑顔と言葉の一つひとつに、強い力を感じた。困難な状況を嘆くのではなく、「がんを治せる病気にする」という明確な目標に向かって、まっすぐに進んでいた。「理想通りに歩み続けられる人ってそんなにいないし、そう見えている人でも悩んでいたりする。見えている部分は、その人の点でしかないですから。だから人間って、奥が深くて楽しい」と話してくれた。

「ずっと頑張ってきてる。そうやってしか生きられない。疲れちゃうんだけど、でも楽しいんだよ。そうやって生きることにも意味がある」

亡くなる直前、家族にこう話していたという。表には出さない、つらさや苦しみもあったはずだ。それでも様々な活動を通して、がん患者もそうでない人も、多くの人を励まし、勇気づけてきた。

がんのイメージを「あかるく、かるく、やわらかく」変えていくという中島さんの遺志を継ぎ、今後もdeleteCの活動は続くという。希望の種を受け取った一人として、私も応援していきたい。

中島さんのご冥福めいふくをお祈りします。

(読売新聞生活部 福元理央)

◇中島ナオさんのインタビュー記事はこちら

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