集中力が切れそう…「チャット疲れ」を防ぐためにすぐできること

メールよりも気軽に素早くやり取りができ、複数で会話もできる便利なビジネスチャット。コロナ禍でテレワークの比率を高めることが求められている企業にとって、積極活用したいツールの一つですが、働く人の間では「チャット疲れ」も指摘されています。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にも、「業務中のチャットツールで集中力が途切れます」という投稿が寄せられました。どうすれば、仕事の効率を上げて、「チャット疲れ」を防げるのでしょうか。専門家に今すぐできることを聞いてみました。

トピ主「ないきん」さんは、同期入社の6人のチームで働いています。ビジネスチャットツールを使っていますが、ほかのメンバーからチャットで五月雨式に質問が来たり、いつの間にか会議が始まったりするので、自分の仕事が中断されがち。一度、「会議の時間はあらかじめ決めませんか? 言いたいことはチャットにパラパラ流さずまとめてもらえますか?」と提案しました。ところが、ほかのメンバーには受け入れられず、逆に「いちいち待っていると進まない」「質問したらすぐに回答してほしい」などと、トピ主さんへの不満の声が返ってきました。リーダーにも相談しましたが、「まあ仲良くしてね」と軽くいなされてしまったそうです。

「チームといっても、個々人でやっていることは別なんです。質問に答えるには、調べる時間も必要なのに……」とトピ主さん。「自分の仕事を進めつつ、チーム全体にも悪い影響のない、仕事の進め方はありますか?」と発言小町に問いかけました。

即レスを求めることでストレスも

五月雨式に送りつけるチャットに即レスを求める同僚からのプレッシャー。トピ主さんのストレスいっぱいの環境に、同情的な書き込みが目立ちます。

「チャットって集中力が削がれますよね。私は取り込んでいる時は見ません。トピ主さんも自分のタイミングで返せばいいです。秒で返せと言われても『はーい』と言いながらも、貫けばいいです。一日も置いておくわけでもあるまいし、うまくやりましょう」とコメントしたのは「ビネガー」さん。「たかたか」さんも「相手のペースに合わせて即レスする必要はありません。自分が他の作業に集中している時や電話の時、他の人と話している時などは、そちらを優先して、後ほど返信します。返信を催促されるようなら、『こっちを優先させたい』とか言って止めます。まずはあなたの仕事の優先順位をつけてください。また、私はどうしても回答するのが煩わしい時は、チャットのステータスを『忙しい』モードに変更したりしています。私は基本、常に離席中です」などと、具体的なアドバイスを寄せました。

重要な情報が埋まってしまう

チャット疲れのイメージ写真 
写真はイメージです

インターネット広告などを手がけるビズヒッツ(本社・三重県鈴鹿市)が昨年11月、仕事でビジネスチャットを使っている全国の男女221人を対象に実施したアンケート調査によると、「ビジネスチャットをするうえでの悩みがある」と答えた人は、半数に当たる49.8%。具体的には、「会話のテンポが合わない」「言いたいことが伝わりにくい」「言葉づかいに悩む」「やりとりが多く管理しづらい」「即レスへのプレッシャー」が上位に入りました。「意外に時間が取られる」「大勢でチャットをしているとき、会話がどんどん上に流れて重要な情報が埋まってしまい、結論がわからない」といった悩みをあげる人もいたと言います。

うまく使えばチーム力を引き出すことも

こうした悩みやストレスを伴う「チャット」。「チャット疲れ」を防ぐために何ができるのでしょうか。人材サービス会社「Waris(ワリス)」(本社・東京)が開講している「ワークアゲイン キャリアスクール講座」の講師・藤見慶子さんに話を聞きました。

同講座は、ベンチャー企業などのバックオフィス業務への再就職を目指す女性のために開講されていますが、ここでもチャットツールの使い方は大切な項目。座学で教えるだけでなく、受講者に慣れてもらうため、連絡はメールではなく、コミュニケーションツール「Slack」を使うようにしています。

これだけは使いたいメンション機能&ステータス設定

人材を求めて同社に依頼する企業の間では、チャットツールを使える人材が高く評価されているといいます。藤見さんは「チャットツールをうまく使えば、個々人の能力を生かし、チームの力を引き出すこともできます。でも、やり取りの数があまり増えすぎると、キャッチアップしていくだけで大変です。そんなときにこそ、ツールの機能をうまく使いこなしてほしいですね」と話します。「チャット疲れ」を防ぐためにもぜひ使ってほしい機能として、藤見さんは次の3つを挙げました。

<1> メンション機能 誰宛てのメッセージかがはっきり書いてあれば、見直すときにも便利です

<2> ステータス設定 「取り込み中」「離席中」「連絡可能」など自分の状態を相手に表示しておけば、対応可能かどうかがすぐわかります

<3> 個別の「未読にする」機能 サラッと読んだ後で、すぐに対応できない時などには必要度に応じて未読に戻しておき、落ち着いた時間に対応したり返信したりします

「私たちの会社では、それぞれの名前の登録欄に勤務時間を書くようにしています。そうすることで、対応できる時間がわかりやすくなります。どんなときでも、タスクの期限はいつまでか、どこまで重要度が高いのか、チーム内のほかのメンバーがどんな仕事に追われているのかなどをできるだけ可視化して、共通の目標を持って仕事に取り組めるようにしたほうがいいです。そのためにも、自分が今どういう状態なのかをツールを使って表示しておくといいでしょう。メンションが付いたものからこなしていくようにはしますが、メンションが付いたものの中でも、優先順位をどうやってつけるか、結局、セルフマネジメントが大切になってくると思います」と藤見さん。

チャットツールでも、仕事を効率良く進めるための時間管理術が大切なようです。「人のふり見てわがふり直せ」の気持ちで、機能をおさらいしながら使うといいのかもしれません。

(読売新聞メディア局編集部 永原香代子)

【紹介したトピ】
業務中のチャットツールで集中力が途切れます

Waris コーディネーター藤見慶子
藤見慶子(ふじみ・けいこ)
人材コーディネーター

 1979年生まれ。大手人材紹介会社出身。父親の介護のために退職後、約2年間、介護と仕事を両立させるため短期の派遣社員として数社を経験した。結婚・出産、再就職を経て、2015年に人材サービス会社「Waris」に入社。子育てや介護などライフイベントに左右されやすい女性のキャリア支援に携わっている。キャリアの再構築をめざす「Warisワークアゲイン・キャリアスクール」も担当している。

Keywords 関連キーワードから探す