前回のコラムでは、新婚夫婦の賃貸物件選びについて考えました。結婚後の物件といえば、賃貸だけでなく、購入を検討する場合もあるでしょう。今回は、物件購入を検討する際の視点について考えてみます。
借り手と買い手のニーズは違う
新婚夫婦の物件選びでは、今後のライフプランに変化が起こったとき、柔軟に対応できる物件を選んでおきたいケースも多そうです。変化に対応しやすい物件ということに重きを置くのなら、住まいとしての快適性だけではなく、いざという時に賃貸に出したり、売却したりという対処がとりやすい物件を選んでおくことが大切です。物件の将来の出口を多くしたいならば、いろいろな立場から考えてみることがおすすめです。
自分が物件を購入する「買い手」の立場になった時、物件選びにおいては、ブランド名や広さ、設備の豪華さなどが気になるかもしれません。一方、自分が「借り手」として物件を探す場合は、ブランド名などよりも、より便利な場所に少しでも安い家賃で借りられる部屋の方に魅力を感じるのではないでしょうか。
このように、「買う人」と「借りる人」では、物件に求めるニーズは少し異なります。自分が購入した物件を将来、賃貸に出すことも検討している人は、借り手がどういった条件を好むのかにも、少し思いを巡らせてみるのが良いでしょう。
「コンパクトでもとにかく立地にこだわる」が王道
ライフスタイルや家族の人数、働き方の変化に耐えうる物件を探すなら、貸しやすさや売りやすさは重要です。派手な色のキッチンや扉が透けるお風呂など、自分の趣向にこだわった仕様は、次のユーザーに歓迎されないケースもあります。
次の誰かに貸したり売ったりすることを想定した、柔軟性の高い物件選びをするならば、自分の要望だけでなく、第三者が多く求める要件を気にかけて、歩み寄れるバランスを見つけることが大切です。
一般的に、フットワークの邪魔をしない物件選びは、「広さや設備より、とにかく立地を重視する」という王道の考え方があります。
なお、ずっと購入した物件に住み続けることを想定する場合、賃貸時や売却時の資産性を気にかける必要性は低くなります。あえて立地を譲歩して、資産性は期待せず、十分にローンの支払い能力の範囲内に入る価格帯の物件を慎重に選択するという戦略もあるでしょう。
ちなみに、新婚夫婦の親が物件を保有している場合はどのように考えると良いでしょうか。次回は、2世帯住宅など、親の住まいと合わせて考えるべき視点について整理してみます。
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