「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りしたこの言葉は、今年も健在のようです。
NHKのテレビ番組「チコちゃんに叱られる!」で、何でも知っている5歳の女の子が、クイズに答えられない大人に対し、顔を真っ赤にしながら上から目線で吐くこの言葉。誰もが時に思いっきり吐き出したい言葉を、チコちゃんに言わせてスッキリできるのが、番組の人気の理由かもしれません。だけど、クイズの内容が日常生活で知らなくても困らない雑学なので、チコちゃんに面と向かって叱られると、一瞬たじろぎ、「ボーっと生きてて何が悪いんじゃ!」と大人げなく反発したくなります。
この番組が、優れたテレビ、ラジオ番組やCMに贈られるギャラクシー賞月間賞などを受賞するほど人気なのは、MCを努める岡村隆史さん(ナインティナイン)の役割が大きいと思います。
元々、岡村さんの芸風は、小柄な体から生み出されるコミカルでエネルギッシュな言動が持ち味でした。40代後半の今、その芸風を封じ、求められるキャラクターをうまく演じた仕事をしているなと感じるのです。
こまっしゃくれて、おませなチコちゃんに対し、子供目線でありながら柔らかな大人の受け答え。さらに、毎回替わるゲストとチコちゃんの間をうまく取り持ち、緩衝材の役割も果たしている。そのおかげで、視聴者はどこか安心して番組を楽しむことができるのでしょう。
岡村さんが教えてくれるのは、期待される役割を演じきるプロフェッショナルのかっこよさ。
仕事の内容や環境の変化など、人は慣れ親しんだものから離れる時、ある種の苦痛を感じます。未知なる新たなモノへの不安を小さくするには、いつだって勇気が必要です。

変化の波も大小様々です。
後輩を指導する立場になる、部下と上司に挟まれる立場になる、転勤や転職で職場環境が変化する、雇用形態が変化する、家族との暮らし向きが変化するなど、自分の意思かどうかは関係なく、変化の波は誰にでも押し寄せます。
そんな時、「よし! ここは来た波に乗ってみよう♪」と、その時々に期待される役割をじっくりと見極め、それを演じてみる。まずは、その覚悟を持つのが第一歩です。一歩踏み出したその先には、新鮮な景色が待ち構えていることでしょう。
自分を変化させ、しぶとく生き残る
外銀勤務時代、米国本店の意向による突然の組織変更は、驚くことではありませんでした。
外国人部長が本国に戻る場合、その秘書は路頭に迷うことがあります。ある時、経験豊富な秘書A子さん(40歳)の行動に、周囲は驚きました。
上司が去り、職を失いかけた彼女は、事務部門に異動し、慣れないオペレーションの仕事に必死に取り組みました。A子さんは年下の私に「ねえ、こんな時、どうするの? 教えて!」と屈託なく質問します。長年、偉い人の秘書だったことなど微塵も感じさせない気安い振る舞いに、同僚たちは好感を持ちました。彼女が事務部門でも頭角を現し、存在感を高めていくまで、そう時間はかかりませんでした。
環境の変化に対応して、自分も変わっていく。生き残るために必要なことだと頭ではわかっても、現実はそう簡単ではありません。つまらないプライドや、人から見たらどうでもいい「こだわり」が、あなたの前進を阻むからです。
前に進むには、自分が変われない理由や「こだわり」を取り除くことが先決です。
自分の形を自在に変化させる「アメーバ人間」になろう!
【あわせて読みたい】
新しい年、まずは肩の力を抜いて走り出そう!
働く女性へ贈りたい、2018年の漢字は「転」
「そだねー」効果、職場でもまねする価値あり!
「子会社に出向」をチャンスに変えたチャレンジ精神!
「これが最後」と思えば、嫌なことも乗り切れる?!
「のどあめ事件」に学ぶ、ムダに敵を作らないためのマナー力