毎年12月に京都・清水寺で発表される「今年の漢字」。2018年は「災」でした。
確かに、振り返れば自然災害は多かったし、芸能界でもスポーツ界でも「災い」のニュースが目立った一年ではありました。それにしても、「災」が平成最後の一文字かと思うと気持ちが沈みます。ここは、2位にランクインしていた「平」のほうが「雨降って地固まる」的な前向きの兆しが感じられ、世の中の平和を祈るという意味でも、平成最後の漢字にふさわしかったのでは……と思うのは私だけでしょうか?
災い転じて福となす
皆さんにとって、この一年はどんな年でしたか? うれしかったことも災難だったことも、人それぞれいろいろあったことでしょう。
私が働く女性へ贈りたい今年の漢字は、「災い転じて福となす」の「転」です。
人生には、自分の力ではどうしようもない不運なことが起こります。信頼していた人から裏切られるようなショックな出来事、思い通りにコトが運ばずイライラする出来事など、さまざまな災いが降りかかります。そんな時は、「何で私がこんな目に遭うの?」と世の中の不幸を一身に背負った気分になり、落ち込むこともあるでしょう。だけど私たちには、どんなにダメージを受けても、そこからはい上がろうとする力があります。その力が必ず、災いを福に転じさせるのだと信じましょう。
今年9月に惜しまれて引退した平成の歌姫、安室奈美恵さん。彼女の一見華やかな活躍の歴史にも、浮き沈みの波があったはずです。「七転び八起き」。彼女は挫折のたびに立ち上がり、輝きを増したのです。
9月に亡くなった女優の樹木希林さんは、「不退転」という言葉を思い起こさせます。信念を持ち、何事にも屈しない――。「ぶれない生き方、ゆるぎない信念」は年齢に関係なく、その人を美しく輝かせるのだと教えられました。
「転んでもただでは起きない」したたかさを持つ
気持ちが沈んだ場所でしか見えない景色があります。順調にコトが運んでいる時には気づかない世界です。何かにつまずいて転んで、見上げた夜空に浮かぶきれいな月に感動したり、月の形が見えないほどの薄曇りの方が、空が明るく見えることを知ったり。
ネガティブなコトが起きたお陰で数々の知識が増えるのをプラスにとらえ、抜け目なく立ち上がる。「転んでもただでは起きない」。このしたたかさを持ちましょう。
新しい時代に向けて、転がっていこう!
世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の2018年版国別ランキングが発表されました。それによると、日本は149か国中、110位(2017年は114位)。先進7か国で、昨年に続き最下位でした。
組織内で女性の昇進を阻む見えない障壁――「ガラスの天井」は確かにあります。東京医科大などでの不正入試における女子受験者への差別を思えば、「110位」という順位は今さら驚くニュースではありません。
ただ、順位が低いからといって落ち込んでいる場合ではありません。相変わらずの男性社会を嘆くより、わずかでも女性が働く環境が改善されている現実に目を向けたい。今の大学生は「男だから」「女だから」という意識が私たちの世代よりかなり低く、女子学生が生徒会長になったり、会社に女性の上司・幹部がいたりするのは当たり前と考えている世代。そんな若い世代が社会に出たとき、「男女平等、当たり前でしょう!」という思いをへし折ることがないようにしたいものです。
ガラスの天井なんのその。「生生流転」。すべてのものは絶えず生まれては成長し続ける。世の中に変わらないものはないのです。転んでは起き上がり、そのたびに成長して、新しい自分に生まれ変わっていきましょう。
「心機一転」の2019年。自分の新しいページを開こう!
【あわせて読みたい】
「そだねー」効果、職場でもまねする価値あり!
「子会社に出向」をチャンスに変えたチャレンジ精神!
「これが最後」と思えば、嫌なことも乗り切れる?!
「のどあめ事件」に学ぶ、ムダに敵を作らないためのマナー力