今年話題になった言葉を選ぶ「2018ユーキャン新語・流行語大賞」に「そだねー」が選ばれました。平昌五輪でカーリング女子日本代表チームが試合中に使っていた北海道なまりの言葉です。ノミネート30語に入った「もぐもぐタイム」とともに、私たちには忘れられないワードです。
北海道の人にとっては「そだねー」は標準語だそうですが、初めて耳にする私たちには、相手を包み込むような温かい響きが新鮮でした。さらに、オリンピックという大舞台のピリピリムードの中、どこかのんびりした響きのある「そだねー」は、応援で力の入った私たちの緊張も緩めてくれました。同じ意味の「そうですね」「わかる」「確かに」「なるほど」では置き換えられない、独特の柔らかいニュアンスです。
「ポジティブな言葉だけを発するというルールで活動し、その言葉が評価されたのでうれしい」
カーリングチーム「ロコ・ソラーレ(LS北見)」代表理事・本橋麻里さんの「流行語大賞」授賞式でコメントです。ポジティブな言葉には、メダルを取る偉業を成し遂げるほどの力があるということです。
「そだねー」で相手を受け止め、前進する
職場でも「ポジティブな言葉だけを発するルール」をまねしてみる価値はありそうです。
日常には、自分の思い通りにコトが運ばず、ため息が出そうになる場面がたくさんあります。こんな時は誰かを責めたくなるものです。
「まったく、○○さんは常識がないから困る!」「あの人のせいでこんな結果になった!」
これを、「そだねー、○○さんは人とは違う考え方をするんですね」「そだねー、○○さんの失敗、次回に生かしましょう」としてみてはどうでしょう。

相手を批判していると、いつまでも同じ場所に立ち止まることになります。前に進む力を失うのです。「そだねー」には相手を受け止める包容力があります。真っ先に反応して批判するのではなく、相手をいったん受け止める余裕を持つことで、ネガティブモードでイライラする時間が省けます。これも一つの「働き方改革」です。
ネガティブな言葉は仲間を萎縮させる
外銀時代の上司から、社内のエレベーターの前で「君にはイライラさせられる!」と言われて傷ついたこと、今でも鮮明に覚えています。自分なりに考えて作った資料が、上司の期待を裏切ったことは理解しました。でも、信頼していた上司だっただけに「イライラする」のひと言は、私に奈落の底に落ちるほどのダメージを与えました。「私は能力がないんだ」と自分を責め、そこからはい上がるまでに相当な時間がかかったのです。
自分をいきなり否定されると、誰でもムッとし、そこには不穏な空気が流れます。
相手の未熟な点を真っ先に指摘したくなる気持ちを、いったん抑えましょう。「なぜこう考えたのか?」と相手の気持ちを考えることが大事。相手が誰(上司、同僚、部下、取引先)であれ同じです。
相手の気持ちを聞いて、「なるほど、そういう考え方なんですね」といったん受け入れ、その後、自分の考えを伝えればいいのです。そうすれば相手も聞く耳を持つはず。ケンカ腰になって無意味な時を費やしたり、関係性がギクシャクしたりすることは、お互いにとってマイナスです。
感情的になって得することなど一つもありません。
イライラしたら、「そだねー」と心の中で言ってみよう。
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