高殿「ホ、ホームインスペクター、って、何ぞ……」
もう、何を基準に判断していいかわからなくなった我々は、中古物件のチェックポイントを教えてもらうため、中古物件診断のプロである『さくら事務所』の会長・長嶋修さん、ホームインスペクターの辻優子さんと共に白山(都営三田線)の築20年のマンションを見学することにした。
辻「ホームインスペクションは“申し込み後、契約前”がベストタイミングなんです」
高「なるほど、契約してしまうと違約金が発生しますもんね」
ポイントは、診断士を入れたいと申し出たとき、不動産会社の診断士ではなくあくまで外部の診断士を利用することだという。
高「不動産屋と診断士が内部で癒着してるとかありそう」
M村「ホームインスペクター。名前もかっこいいし、ミステリードラマのネタになりそう……」
高「面白いけど、ハウスメーカーはどこの提供枠にもいるから、ドラマの題材としては実現は難しそうだなー」
思わず声を潜めてしまう我々。ちなみに映画ならいけそうです。

ここで、さくら事務所の会長、長嶋修さんの登場です。長嶋さんは日本におけるホームインスペクションの第一人者で、もっと一般的に住宅診断士の重要性が認知されるための活動をされています。
長嶋「まずは外壁や基礎に不具合の兆候は見られないか、室内に雨漏りの形跡はないかなどを目視で確認します。建物のコンディションを依頼者に説明します」
高「最近のマンションはほぼタイル張りですが、どういったところを見ればいいですか?」
長「外壁がタイルの場合、コンクリートの劣化を防止できる反面、タイルが浮いたり、はげ落ちたりすると、コンクリそのものの劣化が進んでしまいます。タイルが落下したらキケンだし、そもそもタイル1枚落ちたら、その10倍の面積が浮いているということなので、いつ他の部分のタイルが降ってくるとも限りません」
M「よく、10年おきに点検をいれる、と聞きますが」
長「現実的には、タイル外壁には3~5年おきに点検が必須ですね。15年くらいたったら劣化したタイルを張り替える必要あります」
高「えっ、たった15年で張り替えですか!?」
脳裏にあらゆる外観の有名マンションが浮かんでは消えていく。あれらの有名ブランドマンション、15年ごとに張り替えしてるようには思えないんだけど……。

長「メンテナンスのしやすさを考えたら、タイル貼りより塗装(モルタル)の方が修繕費は安くていいですね。タワーマンションは下層部にタイルを張り、上層部には張っていないことが多いです」
M「あんなに高い場所の張り替えなんて無理ですもんね」
高「しかも、あんな上から、もしタイルが降ってきたら凶器だよ。下手すると死んじゃう」
長「タイルの目地にしっかりモルタルを流し込んでいるかどうかも見るポイントですね。陰影が出てかっこいいからという理由で、そのままにしているマンションもありますが、あれはよくない。目地がそのままだと、はがれやすいですから」
外観チェックが終わると、次は内部の診断。ホームインスペクターの辻さんの出番です。
監修:風呂内亜矢/協力:さくら事務所 長嶋修、辻優子
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