前回までのリサーチにより、予算が3000万円以内で30平米以上、あくまで都心の便利な場所を選ぶのなら、ほぼ中古物件しか選択肢がないことを、我々30代の働き女子は理解した。
高殿「しかし、肝心のエリアをどこに絞っていいのかわからない! 東京広い! 物件多い!」
M村「住んでいる私たちでも、実は東京のこと、よく知らないんですよね」
災害関係も気になるところだ。ゲリラ豪雨や台風や、あとはもちろん地震。

M「あ、でも新築マンションのパンフレットにも、だいたい地盤のことは書いてありますよ。『武蔵野台地の安定した地盤』とか。だったら安全なんじゃ」
高「いやいや、そんなこと言っても、東京の半分以上は武蔵野台地ですやん」
やたらめったら「武蔵野台地」という安心ワードが多用されている不動産関連パンフレット、本当に多い。でも、そもそも武蔵野台地って、そんなに安心なのだろうか?
それに、武蔵野台地にだって川は流れている。四谷や渋谷は名前のとおり谷だし、神田川沿いは「御茶ノ水」「水道橋」「飯田橋」「江戸川橋」と水に関する地名が並ぶ。

高「“名前から危険度がわかる!”みたいな話も多いけど、そもそもあてにならないこともあるよね。市谷は“谷”だけど、日本で一番防災に強いであろう防衛省があるのは、みなさまご存じのとおり」
M「新宿は武蔵野台地にありますが、江戸時代、だいたい沼地ですしね」
水害が怖いから港区には住まない、という人たちがいる。彼らは世田谷や目黒区のいわゆる武蔵野台地の高くなっているほうが安全だ、と西を目指すのだが、思い出してほしい。皇居は意外と海側に建っていることを。
M「古代の遺跡の上は絶対に安心だっていう説もありますね」
高「古墳は何千年も水没していないから安全な証拠って言うアレね」
東京にだって古墳はあるし、縄文時代から人は住んでいた。
高「遺跡重視の人にとっては、港区の三田はどうなんだろう。あの辺りから大森にかけて海岸線沿いにいっぱい貝塚があるんだよね。そうすると、あの辺りは、水害に遭ったことがないことになるんだけど……」
『女性のための快適住まいづくり研究会』代表の小島ひろ美先生によると、川沿いでも安全な場所はあるという。たとえば東京・秋葉原と浅草の中間にある蔵前という土地は、見てのとおり隅田川沿いだ。ハザードマップで見ても東京低地とされている。しかも川のそばという、一見条件がよくない場所に見える。だが、「蔵」という地名から、そこに古い時代には米蔵があったことがわかるのだ。昔は米といえば現金も同じ。それを保管する倉庫があったなら、そのポイントは川のそばでも水害は少なかったのでは?
しかし、なんといっても家は高い買い物だ。ぜったいに失敗したくないし。そのためには地名で推測する以上の情報が欲しい。
そこで、住宅診断のエキスパート『さくら事務所』の会長・長嶋修さんと、ホームインスペクターの辻優子さんに、災害を避けるための物件選びのポイントを教えてもらった。ここで、衝撃の事実が判明する!
監修:風呂内亜矢/協力:小島ひろ美(女性のための快適住まいづくり研究会)
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