もうすぐ7月。夏休みに海外旅行を計画している人も多いのではないでしょうか。海外で心配なのが、急な病気や事故などで治療を受ける場合。日本では通常3割の自己負担で治療を受けることができますが、海外では原則、全額自己負担になります。
虫垂炎入院で770万! 国による医療費の違い
もし海外で治療を受けた場合でも、帰国後に「海外療養費」の申請をすると、日本で同様の治療を受けたと想定した費用の7割(通常の現役世代の場合)の給付を健康保険から受けることができます。
問題は、同じ治療に対してかかる医療費が、日本と同じとは限らないこと。例えば、医療費が高いアメリカで、急性虫垂炎で病院に行き、手術後に腹膜炎を併発して8日間入院した場合、7万ドル(約770万円)が請求されたという事例もあります。日本で同様の治療を受けた場合の医療費が50万円程度とみなされた場合、海外療養費で支給される金額は35万円。その結果、約735万円が自己負担となります。
ですので、渡航先の医療費の水準を確認し、損害保険会社の海外旅行保険や、手持ちのクレジットカードに付帯されている海外旅行保険を事前にチェックしておく必要があります。
利用付帯と自動付帯のどちらを選ぶ?
旅行会社などが企画したパック旅行なら、海外旅行保険が付いている商品もありますが、自分でフライトやホテルを予約する個人旅行は、海外旅行保険も自分で手続きをする必要があります。インターネットで申し込んだり、空港の自動販売機で加入したりできます。
海外旅行にはクレジットカードを持っていく人が多いと思いますが、手持ちのカードに海外旅行保険が付帯されているかどうかもチェックしてみましょう。ゴールドカードなどの場合、海外旅行の補償が付いている場合も多く、死亡や高度障害、治療費、持ち物の損害(携行品損害)などが補償の対象です。
クレジットカードを複数持っていたとしても、死亡や高度障害での補償は、最も高額なものの一つだけが適用になります。一方、治療費や携行品損害については、複数枚の累計額での補償も可能です。旅行で心配なのは治療の部分なので、自分が持っているカードの補償額を重点的に確認したいですね。
また、カードに付帯される海外旅行保険は、旅行に関わる費用を当該のクレジットカードで支払った場合に対象となる“利用付帯”と、カード保有者であれば自動的に付帯される“自動付帯”があります。
どちらのルールで補償が適用されるのか、確認しておくと心強いでしょう。
出発前には、旅先の医療の状況や、自分が持っているカードの付帯保険、海外旅行保険の補償内容などを確認して、安心して旅行に出かけたいですね。海外療養費や補償の申請には、現地で支払った医療費の領収書や診療内容などの書類が必要になるので、どんな書類が必要なのかを事前に調べておき、忘れずに持ち帰りましょう。
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