「保険の見直し」という言葉をよく聞きます。確かに自分が支払っている保険料は適切なのか、気になりますよね。
一言で「保険」といいますが、その種類は生命保険に医療保険、火災保険に地震保険と多岐にわたります。そして保険は、「起こる確率は低いかもしれないけれど、起こった時に大きな経済的損失を伴う事態」に備えるもの。保険を見直すには、そもそも保険とはどんなものなのか基本的な情報を押さえておくことが大事です。
終身と定期の違い
保険に加入する場合、保険料の額に大きく影響する要素として、定期保険を選ぶか、それとも終身保険にするかという点があります。定期保険は「一定期間に保険事故(保険の対象となる事故)が起こった場合に保障する契約」で、一方、終身保険は「自分が死ぬまで保障が続く契約」のことをいいます。
一定期間だけ保障すればよい定期保険は、保険料は安く、保障が大きくなる特徴がありますが、その期間に事が起きなければ、いわゆる“掛け捨て”の契約になります。終身保険は掛け捨てにならず、支払った保険料の一部が積み立てられますが、通常保険料は高くなります。
保険の基本は「大数の法則」
保険商品は基本的に「大数の法則」に基づいて設計されています。大数とは、文字通り、大きな数のかたまりのこと。たとえば、自動車事故を考えると、1台1台の自動車について事故が起こるかどうかはわかりません。けれど、保険に加入する車の台数が多くなればなるほど、どのくらいの確率で事故が起こるのか、事故の発生率を予測できる精度があがっていきます。
保険料はその予測に基づき、全体として赤字にならないよう設計されていて、事故が起こらなかった人は保険金を受け取れず、一定の確率で起こる事故に遭遇した人だけが保険金を受け取る仕組みなのです。
保険って本当に必要なの?
そう考えると、保険事故に遭遇しなければ、保障を受けられないわけで、支払った保険料を「損した」と思う人もいるかもしれませんね。
そもそもなぜ保険が必要かというと、「自分の貯蓄では到底まかなえない事態に遭遇したときに備えるため」です。逆に言えば、自分の貯蓄でまかなえる人ならば、保険に入らなくてもいいのです。
保険は、確率としては少ないものの、起きた時の経済的な損失が大きい事態に備えることが本来、得意とするところです。保険料の支払総額を「保険金で相殺できるか」「元が取れるか」と考えることは、本来の保険の性格を考えると、天秤にかけられないものであることがわかります。
さて、この保険商品は保険業法によって三つの分野に分かれています。生命保険は第一分野、損害保険は第二分野、どちらにも属さない医療保険などは第三分野に分類されます。6月は第二分野の保険商品について、選び方やチェックポイントを解説していきます。
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