「どのくらいの預貯金があったら、投資を始めても良いでしょうか」。初めての投資を検討している人からよくそう質問されます。安心できる貯蓄額の目安を知っておいた方がマネープランを検討しやすくなりますよね。
最低100万円貯めてから考える
「最低限貯めておいた方が良い金額は?」という質問に対して、私は「生活費の3~6か月分」と答えています。例えば、手取り月収が25万円の人でも生活費として使っているのが月20万円であれば、60~120万円が目安です。
自己都合で退職することになると、3か月は失業給付(雇用保険の基本日額)の給付制限があって受け取れません。また、万が一、大きな病気をしたとして、50万円くらい手元にあれば、高額療養費制度などを使って乗り切ることができます。このような非常時をしのぐために、3~6か月分の生活費にあたる預貯金があると安心です。一般的に言えば、100万円前後の金額になる人が多いのではないでしょうか。
そのため、いくら預貯金があったら投資を始めても良いかという質問に対しては、「最低限貯めておきたい100万円を超えたら」というのが1つの回答になります。
投資にためらいがあるなら500万円超
逆に100万円を超える貯蓄があれば、誰でも投資をした方が良いか、というと「預貯金が500万円を超えるまでは迷っても良いのではないか」と考えています。
100万円は、日常生活にイレギュラーなことが起こった時に対応するための費用ですが、500万円あれば、住宅購入の頭金や教育費の一部に充てることもできます。人生の大きな決断に備えて、まとまった金額を運用せずにそのまま持っていても構わないでしょう。
投資を早く始めたい人は100万円が貯まってから、投資にためらいがある人は500万円を超えるまでは熟考して、というのが金額的な目安になりそうです。
100円投資で慣れておくのも手
一方で、最近では100円から投資信託を購入することができます。ジュースの代わりに投資信託を購入するという感覚ですね。
ほんの少額であれば、背負うリスクもその範囲に収まります。少額投資でリスクや相場の変動に慣れてから、本格的な投資を検討する形でもいいかもしれません。
この場合、必ずしも目安の額が貯まっていなくてもスタートさせても良いでしょう。
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