上司への信頼が揺らぐとき、「この上司の下で働いていて大丈夫なのかしら?」と不安に感じるものです。外資系銀行時代、チームリーダーをしていた30代の時こんな経験をしました。
新しい送金システムをようやくチームメンバー全員がマスターし、事務処理がスムーズに流れてきた頃。上司から「送金システムを海外に移すことになった」と言われ、相当な時間をかけ、海外の社員と連絡を取り合い、どうにか移し終えました。ところが、今度は「やっぱり前のやりかたに戻して」と指示され、キレました。
「部下を何だと思っているんですか!!」
変更のたびに長時間の残業になり、私たちは疲弊していたのです。私の反抗的な態度に上司も面白くなかったのでしょう。それまで“face to face”で会話をしていたのに、仕事の指示はメールが飛んでくるだけに。メールの文面だけでは仕事の内容や緊急性が伝わらず、つい放置していたら、さらに残業をしなければならない事態に追い込まれました。結局、私の部下に更なる負担をかけることになってしまいました。いったい私はどうすればよかったのでしょう。
上司の説明不足はこちらから補う
組織である以上、上司の命令には従わなくてはいけません。それは、あなたの上司も同じことです。さらに上からの指示に従っているのかもしれません。いきなり、「えーっ! また変更ですか?」と部下が嫌な顔をすれば、上司は板挟み状態になり、気分は急降下します。会社の方針は、トップの交代、業界の動向などの環境の変化によって変わっていくのです。
ここは冷静になって「なぜ、この仕事をする必要があるのか?」「なぜ今までと違うやり方をする必要があるのか?」と質問し、仕事の意味・必要性・緊急性を理解し、納得する必要があります。上司の説明不足はこちらから補うのです。上司と会社のゴールを共有し、同じ方向を向いてみましょう。自分の仕事の目的が明確になれば、あとは淡々とやるだけ!
イラつく上司は「反面教師」。イラッときたら、自分を戒めましょう。「こんな上司にはならないぞ!」。自分の部下には、仕事の内容と重要性をきちんと説明し、納得がいくまで話し合いましょう。ダメな上司の弱いところを補うような働き方をすれば、上司に感謝され、ほかの人たちからも信頼され、味方を増やすことになるでしょう。
上司に依存や期待はするべきでない。