転居を考えているなら、9月が物件探しの狙い目です。3月に次いで賃貸物件が潤沢に流通し、選びやすくなるからです。普段は空室が出にくく競争率が高い部屋も、こまめにチェックすることで入居できるかもしれません。今月は、住居費節約につながる賃貸住宅を選ぶポイントを考えてみましょう。
礼金、更新料なしで人気の物件は?
賃貸物件の動きが活発になるのは、入学や就職など新生活が始まる前の2月中旬から3月中旬、秋の人事異動前の9月初めから10月下旬にかけて。秋の方がやや期間にばらつきがあります。私も部屋を貸して家賃収入を得ていますが、確かに春と秋は入退去のお知らせが多いですね。人が多く動く時期には、普段だったら空室が出にくい物件が流通します。
人気が高く、空きが出にくい物件と言えば、都市再生機構(UR)が運営するUR賃貸住宅や、JKK東京など地方自治体の住宅供給公社が運営する賃貸住宅です。公社は、自治体によって制度が違うので確認が必要ですが、一般的には礼金、仲介手数料、更新料などが不要で、住居費を抑えて住みたい人には、良い選択肢です。
先着順で入居可、事前の情報収集がカギ
「公的な賃貸物件は抽選」というイメージも多いかもしれませんが、UR賃貸住宅では、ほとんどが抽選なしの先着順です。JKK東京でも先着順の空室検索ができます。JKK東京が管理する物件の中でも、所得が低い人が優先的に入居できる「都営住宅」や、中堅所得者向けの「都民住宅」などは、もちろん抽選になることも多いです。
URや公社の中の物件は、ファミリー層向けで間取りが画一的といった印象がありますが、最近ではデザイナーズ物件や、リノベーション物件など、ライフスタイルに合わせた間取りも登場しています。単身で入居可能な物件もあり、抽選ではない部屋とはいえ、空室は珍しく、すぐ埋まってしまうようです。
あらかじめ、住みたい区画に目星をつけておき、広さや家賃などを民間の賃貸住宅も含めて調べておくことが大事です。そして物件が出回る頃には早めに決断できる準備をしておくと有利でしょう。
1週間程度、申し込みで仮押さえをして検討することや、建物によっては条件を伝えて空室が出たらお知らせをしてくれることもあります。
希望の条件を満たす部屋を有利に借りられるとうれしいですね。