仕事のメールを送ったのに、数日たっても返事がこない。「もーっ。いったい何やっているのよ。早くしてよ!」と相手のレスポンスの悪さを責め、こちらのイライラは募るばかり……そんな経験を私もしてきました。
「返信しない相手が悪い」と、つい決めつけてしまいがち。だけど「メールを送信したからといって相手に伝わったとは限らない」。実はこれがメールの心得です。
メールの4つのメリット、3つのデメリット
メールを開封しても、文末まで読む気にならないメールがあります。読まないから、どんどん後回しになり優先順位が低くなっていきます。
読んでもらえるメールを目指すには、「私のメールって読みやすい?」という視点が大事。相手がメールを読み、その内容を理解し、アクションしやすいメールを書いているか? メールで用件を伝えるメリット、デメリットを冷静に見据える必要があります。
<メリット>
(1)いつでも書けてすぐ送れる(2)資料を添付できる(3)一度に複数の人に連絡が可能(4)書いたものを記録として残せる
<デメリット>
(1)一度送ったら消せない(2)機密性が低い(3)相手にどのように伝わったかわからない
うんざりメールのチェックポイント
では、読む気をなくさせるメールとは?
・何を伝えたいのかポイントがわからない(ロジカルでない)
・改行が少なく、文字の固まりが大きくて、うんざりする(空白がないのでパッと見て、威圧感がある)
・長文なので、読むのに時間がかかりそう(余計な情報が多い)
・礼儀に欠ける(名前の間違い、言葉遣いなどの不注意さが目立つ)
・開封確認の要求付きにムッとする(管理されていることに反感を持つ)
読み手をうんざりさせてしまうこんなメールを反面教師として、自分のメールをブラッシュアップしていきましょう。
確実に開封してもらう件名の書き方
メールはまず開封してもらわなければ話になりません。
<そそられる件名にする>
大量に届くメールの中で確実に開封してもらうには、相手が「これは自分に関係がある。これをスルーすると大変!」と思う件名にすることです。例えば、「打ち合わせの件」より、「7月4日の打ち合わせ時間の件」と具体的な数字を入れることで、「これって来月に迫っている案件だ。早めに返信しよう」と相手に思わせます。
「お久しぶりです」とか、「ご報告」という件名も避けましょう。「○○へのお誘い」「納期・価格決定のご報告」など、一目で目的がわかる簡潔かつ具体的な件名にしましょう。
<それって本当にメールでいいの?>
メールのやり取りには、ふさわしくないものがあります。
例えば……
*緊急の用事は、電話やFAXのほうが早い場合があります。
*とても大切な案件は、「face to face」で話したほうが相手に確実に伝わります。
*ネガティブな情報は、面と向かって言いにくいのでメールで、という逃げの選択をしてしまうと、その後の人間関係に響いてきます。
メールはコミュニケーションのきっかけづくりでもあります。すべてをメールに頼るのは危険です。
また、普段から相手への印象を良くしておくことも大切です。好感を持つ人からきたメールは、優先的に読みたくなるものです。名前を見た瞬間に、「どうしたの? 何?」と思わせる人っていますよね。「あの人からのメールは読まなくっちゃ!」と思ってもらう魅力ある人になりたいものです。
良識があるかどうかはメールでわかる。スルーされない存在感も大切。