令和時代に必要な妊娠中や出産時、乳児期の育児のサポートとは?

晩婚や晩産化が進むなど女性の妊娠や出産、育児をめぐる状況が大きく変わってきています。太陽生命保険はこのたび、妊娠中や出産間もない女性が直面するリスクにそなえる「出産保険」を発売しました。保険の監修にかかわった母子愛育会総合母子保健センター所長で産婦人科医の中林正雄先生と太陽生命保険の副島直樹社長が妊娠中や出産直後の女性をめぐる課題や必要なサポートについて語り合いました。

妊産婦の孤立が強まる 晩婚、晩産、核家族化

中林 最近の妊産婦さんは、家庭でも社会からも孤立していると感じています。晩婚や晩産化によって高齢の妊婦さんが増えてきていることが一つの要因です。両親も高齢で、ご主人も働き盛りで忙しくしています。核家族化にともない、ご夫婦とお子さんで暮らしている方が多いため、妊娠や出産、子育てについて周囲に気軽に相談できる相手がいません。インターネットを使って情報を集めようとすると情報過多になり、かえって信用できる情報が得にくくなる場合もあります。またコロナ禍では、ご主人が一緒に妊婦健診にきたり分娩に立ち会ったりすることが難しくなるなど、妊婦さんにとって不安な状況が続いています。

副島 太陽生命では、高齢化社会への取り組みとして、2014年に「ベスト・シニア・サービス(BSS)」を始めました。保険加入時の年齢の上限を引き上げたり、認知症予防保険を発売したりするなど、社会のニーズに合わせた商品を開発してきました。また、2020年4月に太陽生命少子高齢社会研究所を設立し、「少子化」や「高齢化」に関する様々な問題について研究しています。研究を進める中で中林先生から貴重なお話を頂戴する機会があり、最近の妊産婦さんの現状を知りました。その時、太陽生命として「少子化」に着目した一層の取り組みを推進しなければいけないと感じました。

「妊産婦さんの気持ち」をしっかり受け止めて生まれた保険

副島 「少子化」の要因の一つとして、妊娠や出産、育児への不安感があることに気づきました。特に子どもを産んだ後、育てていくことに不安を感じ、それが精神的に大きな負担になっています。こうした不安な気持ちを解消できるようなサポートが必要だと考えました。生命保険事業は、国から認可をいただいており、私たち保険会社は社会保障制度の補完という位置づけでビジネスをしています。「妊産婦さんの精神的なケアだけでなく、出産時の異常、産後の疾病などにも備えることができるようにしたい」という想いから、2021年9月、「出産保険」を発売しました。

中林 社会のニーズを素早くとらえた商品を開発されていますね。この保険は、現在の妊産婦さんにとって、とても助かる存在になると思います。

社会として支える仕組みづくりの重要性

副島 社会として支える仕組みづくりも大切で、現状をより多くの方に知ってもらうことも私たちの仕事の一つと考えています。太陽生命では多くの女性が働いており、子育てを経験した社員や子育て中の社員もいます。子育て中の悩みなどは当社社員にも相談いただければと思います。特に成熟した社会では「気持ち」が大切です。妊産婦さんの方々の「気持ち」の問題をしっかり受け止めたうえで、ビジネスとして、社会保障制度の補完として何ができるのかを考えていくことが日本の少子化問題の回答の一つになると思っています。

中林 こうした活動が広まることで、妊産婦さんに対する社会の意識が変わってくると思います。妊産婦さんのサポート環境を整えるうえで、とても大事な第一歩であると感じています。

妊産婦さんの孤独を解消 高まる産後ケアの重要性

中林 女性活躍推進といわれていますが、妊産婦さんに対しては、精神的なサポートの大切さについて認識したうえで、取り組みを進めていかなければなりません。妊娠中と出産後はホルモンバランスが急に崩れるため、マタニティブルーや産後うつになる女性もいます。ところが産後うつは女性一人で抱えると、どんどん悪化しやすくなります。ご主人やご両親ら周囲が理解し、話し相手になることができれば支えやすくなります。いわゆる「ワンオペ育児」をなくしていかなければいけないと思っています。

副島 出産や育児に対して、みんなで協力して支え合える世の中にできるように貢献したいですね。太陽生命は、企業風土づくりの一環で、男性の育児休暇の取得に力を入れており、6年連続取得率100%となっています。取得日数も昨年は平均10日と、企業としては進んでいる状態です。この状況を外部にアピールすることで多くの企業が積極的に育児休暇の取得を推進し、男性が育児することが当たり前である社会の構築に貢献したいですね。そのことが妊産婦さんの孤独の解消につながるのではないかと考えています。

中林 妊産婦さんの孤独の解消には、ご家族の理解が一番必要ですが、なかなかできないことも多く、産科施設で助産師さんや看護師さんが対応しているケースが増えています。愛育病院でも、孤立した妊産婦さんたちをサポートするトレーニングを受けた方々が増えてきました。2019年12月に母子保健法が改正され、「産後ケア事業」が法制化されました。事業の実施を全国の自治体の努力義務としています。自治体は、産後ケアに対して経済的支援を行いますが、多くは医療機関に委託して実施しています。

産後ケアには、数日から1週間宿泊する「短期入所型」、退院したあと朝から夕方まで訪れる「デイサービス型」、助産婦さんがご家庭に訪れる「アウトリーチ型」の3つがあります。こうしたケアを私たちも実施していきます。ただ、自治体の補助だけでは成り立たないため、利用する妊産婦さんも費用を負担することになります。そういう時に、今回のような保険があると、妊産婦さんは経済的な不安がなくなるとともに、いろいろな不安や悩みを第三者に聞いてもらうことで安心できます。経済面と心理面の両方においてサポートできると期待しています。

副島 今回の出産保険は、まだ発展途上段階であると考えており、今後、みなさんに利用していただく中で、保険制度で何ができるかを調査研究しながら保障内容の充実につなげていきます。多くの方にご加入いただき、産後ケアの施設などをどんどん活用していただきたいです。そして、妊産婦さんの心の問題の解決につなげていければと思います。

「子どもをもっと育てたい」と思える社会へ

中林 近年、児童虐待が非常に増えていますが、主な加害者は実母のケースが多いです。育児はお母さんに心身の負担がかかっており、はけ口を子どもに向けてしまっているようです。妊産婦さん自身に過重な負担をかけており、耐えながら子育てをしているのが実情だと思います。妊娠出産時にお母さんが亡くなることもありますが、出産後1年以内にうつ病で自殺される方の方がずっと多いことが分かってきました。そうならないような予防対策をすることがこれからの日本には大切であると感じています。

副島 お母さんたちが「子どもをもっともっと育てたい」と思えるような社会の仕組みをどうつくっていくかが重要なのですね。

中林 昔であれば、お母さんは「産後21日間は無理をしないように」とまわりの協力が得られていましたが、現在はその期間でさえも協力を得られずに一人で初めての子育てをしている人が少なくありません。また若い時と違い、年齢を重ねると精神的にも成熟しているだけにこうした環境に順応することが難しい場合もあります。

WHO(世界保健機関)は受胎してから2歳の誕生日を迎えるまでの人生の最初の1000日間は将来の健康をつくるうえで大切であるとしています。栄養面でこの時期にきっちりとした対応をしていくと、成人病予防につながるという研究結果も出ています。2018年に国際母子手帳会議で訪れたタイのバンコクの病院では、少子化対策として産後ケアに取り組んでいたのが印象的でした。産婦人科医だけでなく小児科医、臨床心理士、栄養士がサポートし、母乳育児をはじめ子どもの遊ばせ方や読み聞かせなども伝授していました。

副島 妊産婦さんの問題について、お母さんの悩みに耳を傾けるところから始めなければいけないのではないかと感じますね。妊娠、出産、育児にかかわる分野で今後も、さまざまな課題が出てくると思います。中林先生をはじめ、さまざまな方々とともに、お母さんの心のケアをはじめ解決できていない課題について生命保険会社として恐れずに発信していきます。そして、少子化問題を前向きな形で解決していけるような商品をつくっていきたいです。

太陽生命の「出産保険」はこちらから

中林正雄(なかばやし・まさお)
産婦人科医・母子愛育会総合母子保健センター所長

1968年千葉大学医学部卒業、同大学院卒業。米国コロラド州立大学、東京大学医学部産婦人科、 東京女子医科大学母子総合医療センター教授を経て、2002年母子愛育会愛育病院院長、2013 年4月から現職。厚生労働科学研究などで、安全で安心なお産のための医療システム構築に取り組んでいる。愛育病院は年間3000件のお産を扱っており、2021年8月から同病院を受診中の妊婦やパートナーを対象に新型コロナウイルスワクチンの接種も始めた。

副島直樹(そえじま・なおき)
太陽生命保険株式会社 代表取締役社長

1958年東京都生まれ。1981年慶大商学部を卒業して太陽生命保険入社。2008年に発売した複数の保険を組み合わせられる主力商品「保険組曲Best」という同社の主力商品の開発を担当した。2019年4月から社長。営業担当の執行役員時代には東日本大震災が発生し、連絡が取れない宮城県石巻市の支社従業員の安否確認のため東京から車で向かい、支援物資を届けた。ローリング・ストーンズの大ファンで、高校時代はバンドに熱中。現在は音楽活動の再開時期を模索している。

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