子育て世代こそ注目してほしい フリーアナウンサーの中村仁美さんが見つけたURの「子ども目線の子育て」

子どもがノーストレスな場所

 目の前に広がる芝生。公園にはピンクや黄色のカラフルな遊具。敷地内を歩けば、だれかが声をかけてくれます。何気ない団地の日常が今、子育て世代を引き付けています。UR都市機構の団地で全国2番目に戸数が多く、子育て世代に向けてさまざまな取り組みを行っているみさと団地(埼玉県三郷市)を、フリーアナウンサーで小学生と3歳の男の子2人のママでもある中村仁美さんが訪ねました。

子どもの習い事の合間にカフェでのんびり

 団地のセンターモールにあるのは「みさとのおみせ mi*akinai」。NPO法人To Going Concern for Women(GCW)が運営しています。GCWは、女性の自立と家事育児の両立支援を目的に、起業を目指す女性をはじめ、女性と子どもたちのためのイベントなどを行っています。英語やピアノなどの習い事をはじめ、一日店長によるカフェを開催し、子育て中のママたちの気分転換の場となっています。GCW代表理事の吉川真由さん(写真向かって左)から説明を受けた中村さんは「習い事の送迎も楽で、お茶もできるのはいいですね」。
 また、みさと団地では、昨年からみさと団地自治体が主催する子ども向けの映画鑑賞会が開かれています。自治会長の小橋恒夫さんによると、集会所の大型スクリーンを利用しており、親子での参加が目立つといいます。「実際に、映画館での子ども向けの上映日はこんな小さい子を連れて行っていいのかなあと迷いましたが、団地の集会所であれば、気軽に連れて行けそうです」と中村さん。

採れたての野菜を親子で楽しむ

 次に向かった先は、みさと団地南地区の入り口近くにある貸農園「みさとだんちファーマーズガーデン」。利用者は、菜園アドバイザーと呼ばれる専門スタッフのサポートを受けて、野菜づくりができます。中村さんは「子どもたちの食育にもなり、子育てをしながら自分も楽しめそうですね」と、畑で採れたばかりのオクラやナスを手に笑顔を見せました。スタッフの小川友明さんによると、この畑で収穫したトマトは甘くて子どもたちもよく食べるそうです。

 同じ南地区では、子育て世代を意識したエリアとして4年前、芝生の広場を囲んでL字形に並んだ商店街「グレンタ」が誕生しました。保育園をはじめ、「カフェ香りの郷」やたき火用の薪など火とアウトドアの専門店「iLbf」(イルビフ)もオープン。団地の子育て支援NPO法人「MiKOねっと」も拠点を置き、小学生向けに集会所を利用した「遊びの場」を提供しています。放課後を利用して週に2回、みさと団地や近隣で暮らす子どもたちが参加しています。

みさと団地の子育て
東京で必死に探していたものが見つかった

 中村さんに、みさと団地の子育て環境についてお聞きしました。

 子どもが生まれてから、住まい選びでは室内の間取りだけでなく、周囲の環境が家族に合っているかを考えるようになりました。特に赤ちゃんから小学生くらいの間は、公園があったり、車通りが少ない道だったり、習い事に行きやすかったりすることが重要です。訪ねてみて、そのすべてがみさと団地に集約されていると感じました。私が東京で必死に探していたものが、みさと団地にはありました。「子育て世代こそ団地に住んでいただきたい」と思いました。
 子どもは本来、遊び主体で育ってほしいし、私自身もそうでしたが、遊びから学ぶことが多いと思っています。今は大人の都合で仕事へのアクセスを優先していますが、子どものことを考えたら、こういう場所に住みたいですね。車があまり通らず、歩いている人が顔見知りで、親の立場からすると、子どもが団地の敷地内にいるだけで安心できます。何より子どもは絶対楽しいですよ。

中村 仁美(なかむら・ひとみ) フリーアナウンサー

1979年生まれ。2002年お茶の水女子大学卒業。同年フジテレビジョン入社。17年に同社を退社し、18年からフリーアナウンサーとして活動開始。

 URの団地は、戦後の高度成長期、地方から東京や大阪など大都市に移り住んできた人たちの住宅不足を解消する目的で多く建設され、みさと団地も1973年に入居を開始しました。現在、団地では、子育て世代向けの取り組みを進めるとともに、住民の高齢化に対応した施策も拡充。団地の中に、まちに必要な機能・サービスの導入をめざし、「若年層から高齢者まで多くの世代がいきいきと暮らすミクストコミュニティを作ることが、少子高齢化対策につながる」(UR都市機構)としています。
 次回、子どもたちが自慢できる場所 URの「子ども目線の子育て」(団地の子育て 後編)では、URの子育て世代に向けた取り組みをみさと団地の実例とともに詳しく紹介します。

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