今こそ月1万円から始めてみたい積立投資術

始めよう!お金のレッスン

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ネット証券などでは、新規の口座開設数が急増しているようです。今年3月の月間新規口座開設数が過去最多となった楽天証券によれば、今年1~3月に新規に口座を開いた人は、30代以下が68%に上り、女性が45%でした。コロナ禍で先行きが不透明な中、少しでもお金を増やしたいと考える人が増えているのかもしれませんね。そこで今回は、月に1万円から始める、初心者にオススメの投資商品をご紹介します!

初心者向けの「つみたてNISA」

ひと口に投資商品といってもいろいろありますが、初心者が始めやすい投資商品といえば、「投資信託」です。そもそも投資信託とは、投資家からお金を少しずつ集めて一まとまりにしたお金を、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が運用する金融商品です。投資信託の中身は、株式や債券、不動産など様々な商品に分散されています。よく資産運用では「分散投資が大切」と言われますが、投資信託一つ一つが分散投資の役割を果たしています。投資信託は、自分で株式や債券の分散投資を行わなくていいので、便利な商品と言えます。

とはいえ、現在、投資信託の数は約6000本もあり、初心者にとっては、自分に合った投資信託を選ぶこと自体、ハードルが高いでしょう。そこで、オススメなのが「つみたてNISA(ニーサ)」です。

なぜオススメかと言うと、つみたてNISAで買える金融商品は、国が定めた一定の基準を満たした投資信託・ETF(上場投資信託)だからです。もちろん、基準を満たした金融商品がすべて値上がりするとは限りません。しかし、明らかに初心者に不向きなものや積立投資に適さないものは除かれるので、投資先が選びやすいのです。

加えて、つみたてNISAで投資した投資信託から得られた利益は、非課税になります。現在、特定口座や一般口座で投資をして利益が出た場合には、その利益に対して20.315%の税金がかかります。例えば、10万円の利益が出たとしたら、通常は約2万円の税金がかかります。しかし、NISA口座を活用すれば税金はかかりません。2万円あれば、ちょっとした旅行に行けそうですよね。

つみたてNISAは、年間で40万円までの投資に対して、そこから得られる収益は20年間、非課税になります。金融機関によっては、100円から積立をスタートすることができます。

節税メリット大きい「iDeCo」

つみたてNISAは、20年という長い期間にわたって非課税な上に、ラインアップされている商品も国が定めた一定の基準をクリアしているので、初心者が始めやすいのですが、節税という観点では、「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」に軍配が上がります。

iDeCoの大きなメリットは、毎月の掛け金に加えて、運用期間中と年金の受け取り時に税制優遇があること。中でも掛け金の全額を所得控除できるのは大きなメリットです。税金は、税込収入から様々な「所得控除」を差し引いた「課税所得」に対してかかります。つまり、所得控除が増えるほど、支払う所得税が減るので、この制度を利用すると、大きな節税が可能です。iDeCoの掛け金は、「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除が受けられます。

掛け金の上限金額は、自営業者、会社員、公務員などの属性により異なりますが、いずれも5000円からスタートすることができます。

iDeCoの運用商品は、定期預金、保険、投資信託から選ぶことができますが、運用益の非課税のメリットも生かすには、投資信託を選ぶと良いでしょう。ただし、iDeCoは、基本的に60歳までお金を引き出すことができないので(2022年以降に改正予定)、その点は注意が必要です。

株式投資は「るいとう」などでコツコツ積み立て

投資の王道といえば株式投資ですが、まとまったお金がないとできないと思っている人も少なくないのではないでしょうか。

株は、基本的には100株単位で売買されています。ですから、例えば、ある銘柄の株価が1000円の場合、購入するには最低でも1000×100株=10万円が必要になりますし、別途、手数料もかかります。

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でも、大丈夫。実は、株式投資もコツコツ積み立てることが可能なのです。例えば、野村証券や大和証券などの「るいとう(株式累積投資)」、auカブコム証券の「プチ株」、PayPay証券の「つみたてロボ貯蓄」などです。

るいとうは、月1万円以上1000円単位で株を購入していく仕組み、プチ株は月500円以上1円単位で購入していく仕組み、つみたてロボ貯蓄は月1000円から1000円単位で購入していく仕組みです。

個人的には、米国株に注目しているので、PayPay証券の「つみたてロボ貯蓄」を愛用しています。米国株への投資というと、ハードルが一気に高くなる気がしますが、巨大テクノロジー企業であるGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftなどの有望銘柄を少額でコツコツ積み立てながら購入できるので、初心者でもトライしやすいでしょう。

高配当株に投資している米国株ETF

最近、欧米の若者を中心に「FIRE」が話題になっています。FIREとは「Financial Independence,Retire Early」の頭文字を取った造語で、「経済的に自立し、早期リタイアを目指す」といった意味です。FIREを目指してコツコツ投資してみるのも一案ではないでしょうか。

FIREを達成するため、資産運用によって収入を増やしていきますが、配当金を積み上げて資産を増やしていくことを目指します。とはいえ、自分で高配当株を選んで投資するのはハードルが高いという人が多いでしょう。そこで、オススメなのが高配当株に投資しているETFです。

ETFは、証券取引所に上場している投資信託のこと。上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引できるのが特徴です。一般的にETFは、少額から投資することができ、一般の投資信託と比べて取引手数料やその他のコストが安く設定されています。

配当金がたくさん受け取れる配当利回りの高い銘柄は、米国株に多い傾向にあります。例えば、「バンガード・米国高配当株式ETF(V Y M)」や「iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)」、「SPDRポートフォリオ S&P500高配当株式ETF(SPYD)」などは、米国の高配当株に投資しているETFです。ETFは、1本買うことで数十から数百の銘柄に投資するのと同じような効果を得ることができます。加えて、年4回の配当金が受け取れます。定期的に分配金を受け取ることができれば、相場が悪くなったときでも投資へのモチベーションが保てるでしょう。ネット証券によっては、ETFの定期買い付けサービスを行っているところもあります。積立投資のように利用することもでき、1万円程度から投資できます。

「有事の金」に投資するなら「純金積立」

昔から「有事の金」と言われ、戦争、テロ、政治不安など、世界経済を揺るがすような事態が起きると、決まって金投資に注目が集まります。なぜ、有事の時に金価格が堅調なのかというと、株式や債券と異なり、実物資産である金は、価格が下がることはあっても価値がゼロになることはなく、金は全世界共通で資産価値があるものだからです。

先行き不透明な今、資産の中に一部でも金を持っておくと安心です。ただし、ひとくちに金投資といっても、様々な方法があります。初心者にオススメなのが、「純金積立」です。

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純金積立は、毎月一定額を積み立てながら、金の現物に継続的に投資をしていく仕組みの商品のこと。「田中貴金属工業」や「三菱マテリアル」などの貴金属商や鉱山会社、「SBI証券」や「楽天証券」などのネット証券などで始めることができます。

田中貴金属工業や三菱マテリアルでは月3000円から、SBI証券や楽天証券では月1000円から積み立てられます。

今回は、初心者が月1万円から始めるのに最適な積立投資を紹介しました。投資は預貯金と違い、日々値動きのあるものです。だからこそ、高値づかみを防ぎ、値動きに一喜一憂しなくて済む、積立投資をしていくのが一番です。先行き不透明な世の中だからこそ、少しずつでも自助努力でお金を増やしていきましょう。

高山一恵さん
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)、「ゼロから始めて2時間で一生困らないマネープランができる本」(彩図社)など。