「この街から、とっとと出て行きやがれ!」。「とっとと」の元になった言葉は?
【1】少しのあいだを意味する「咄嗟(とっさ)」
【2】その場からしりぞく意味の「退(ど)く」
【3】「はやい」を意味する古語「疾(と)し」
【4】瓶の口から酒が流れ出すときの音「とっとっとっ……」
「とっくに」「とっくの昔に」という言い方があります。この「とっく」は、「はやい」を意味する形容詞「疾し」の連用形「疾く」が変化してできた言葉です。
「とっとと出て行きやがれ!」の「とっとと」も、「疾く」を繰り返した「疾く疾く」が変化した「とっと」に助詞の「と」がついて、副詞の形になったもの。江戸時代の文章では「とんとと」の形でも使われています。この言葉は、おもに相手をせかすのに使われますが、邪険に扱うニュアンスがあるので注意が必要です。
似た言葉に「さっさと」があります。こちらは手際のよいさまを表し、見下したようなニュアンスはありません。ちなみに「さっさ」は風や水などの音を模してできた言葉です。
正解は【3】「疾し」
(読売新聞「校閲道場」より)
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