大王製紙 生理用品に「かわいくない」を選択したきもち

働く女のランチ図鑑vol.38

フェミニンケア・ブランドマーケティング部 もと あや (28)

「こういうナプキンが欲しかった!」

昨年11月に生理用品「エリス 素肌のきもち シンプルデザイン」をネット限定で発売すると、3時間で完売に。SNSに寄せられたたくさんの声を見た瞬間、「大成功!」と、心の中で小さくガッツポーズしました。

トイレにそのまま置ける生理用品

「素肌のきもち」シリーズの商品開発からプロモーションまでのマーケティングを担当しています。今回の限定品は、営業や開発部門のメンバーら12人で、商品化に取り組みました。目指したのは、ホテルのアメニティーのような高級感のあるパッケージ。トイレにそのまま置いても恥ずかしくないよう、本来なら側面に書かれている商品説明などを底面に入れました。ロゴも正面にはありません。必要な情報をサイトで確認できる、ネット販売ならではの試みです。

生理用ナプキンと聞くと、ピンクの花柄がうっすら透けた不織布の包みなど、かわいいデザインを思い浮かべる人が多いと思います。一方で、以前から「生理の日にかわいいものは求めていない」「花柄は恥ずかしい」という声も多かった。

そこで、あえて「かわいくない」アイテムを作ろうと、思い切ってパッケージにダークブラウンを選びました。コンセプトは、「生理用ナプキンにシンプルという選択肢を」。社内から不安の声があがるほど、大胆な挑戦でした。

周囲の反対を押し切って発売にこぎ着けたのですが、予想以上の反響に驚きました。発売を知らせるツイートに4.5万「いいね」がついた時には、「これがバズるということか……」と思わず声がもれました(笑)。異動して2年以上、こんなに手応えを感じたのは初めてです。

テレワーク中の献立疲れには、ぜいたくランチ

2月に入籍し、新婚生活が始まったばかり。家事は時間がある方がしていますが、昼食は私の担当になることが多いですね。新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、3月末からテレワーク中心の働き方になったので、昼休みになるとササッと2人分の食事を作っています。

出勤する日は、前日のうちにお弁当と夫の分の昼食を用意します。卵を多めに溶いて、お弁当用に卵焼き、夫の分はオムライスにして……と、献立を考える日々に疲れることも。そんな時には、出勤日が重なる同期とランチに繰り出します。

最近立ち寄ったのは、東京都千代田区の本社から徒歩5分ほどにある「日本橋海鮮丼 つじ半 神楽坂店」。2年前から目をつけていたものの、行列ができる名店でいつも入れませんでした。コロナの影響か、この日は珍しくすいていたんです。

苦手なイクラは抜いて、注文しました(本さん撮影)

普段は800円以内で済ませますが、奮発して1100円の「ぜいたく丼 梅」を注文。マグロやツブ貝、イカやエビといった海鮮がこぶし大に丸められ、ご飯の上でキラキラ光っていました。締めは、残ったご飯に刺し身をのせてだし茶漬けに。一度で二度おいしいランチのおかげで、ぜいたくな気分を満喫できました。

「なんとなく選ぶ」消費者の難しさ

2015年に大王製紙に入社。営業を経験した後、17年に今の部署に移りました。「素肌のきもち」シリーズは、これまで何度か装いを変えてきましたが、ハネが長い、前後の端が波形、幅が細いという独自の形はずっとそのまま。ところが、調べた結果、そういった特徴を知られていないことが分かりました。ショックでした。

色合いや肌への刺激、見た目のかわいらしさ……化粧品であれば、こだわりを持って選ぶでしょう。一方で、生理用品は、素材や厚さ、サイズの違う商品がたくさんあるのに、「なんとなく」使っている女性が多いのが実態です。私自身、入社前は安さと量を重視していましたから、その気持ちもよく分かります。

こだわりがないと、不満や要望も見えづらい。ですから、利用者に商品の感想を聞く時には、「どんな時に嫌だと思いましたか?」「なぜそう感じたんでしょう」と、細かく質問を重ねることを大切にしています。

生理のストレスをゼロに

正直、生理ってつらい。おなかが痛くなったり、からだがだるくなったり。だからこそ、せめて「ゴワゴワする」「漏れていないか気になる」というストレスは、ゼロになるようにしたい。生理期間でも、普段のショーツをはいている時と変わらない感覚でいられるような商品を生み出していきたいです。そして、生理は恥ずかしいものではないという意識が広がり、「生理痛でしんどい」と素直に言える社会になることを願っています。

(取材・安藤光里、撮影・稲垣純也)

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生き生きと働く女性をクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

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稲垣純也
稲垣 純也(いながき・じゅんや)
カメラマン

1970年愛知県生まれ東京在住。篠山紀信氏に師事。2002年独立。雑誌やWebを中心に主に人物撮影。得意分野は女性ポートレイト。

Junya Inagaki