「教育訓練給付金」で資格取得、将来に備えキャリアアップを

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新型コロナウイルスの感染拡大で、先行き不透明な中、将来に備えてキャリアアップを考えている働き女子も多いのではないでしょうか。今回は、給付金をもらって資格を取得できる「教育訓練給付制度」をご紹介します。条件に当てはまるという人がいたら、ぜひ活用しましょう。

教育訓練給付制度には3種類ある

教育訓練給付制度とは、キャリアアップを目指す人が、費用を自己負担して厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その経費の一部が支給される制度のことをいいます。ざっくりいうと、給付金をもらってキャリアアップを目指せるお得な制度ということ。教育訓練給付金は、「一般教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」「専門実践教育訓練給付金」の3種類があり、雇用保険に加入していて、受講開始時に45歳未満であることなど一定の条件を満たした人に給付されます。雇用保険の加入期間などによって利用できる種類と給付金額が異なります。

一般教育訓練給付は、初めて制度を利用する場合、雇用保険への加入期間が通算1年以上あれば利用できます。2回目以降に利用する場合は、雇用保険への加入期間が前回受講開始日より3年以上なのに加えて、前回の支給決定日から3年以上経過している必要があります。

支給される金額は、教育訓練講座を修了した場合、受講費用の20%(最大10万円。4000円以下の場合は支給なし)です。例えば、受講料が10万円の講座を受けた場合には、2万円が支給されます。仮に分割払いを利用する場合でも、受講修了前に所定の支払額を前倒しして、全額支払いが済んでいる場合は、受講料全体の20%に相当する金額が支給されます。

一般教育訓練給付の対象講座は、「英会話」や「パソコン」など気軽にチャレンジできる講座から、「簿記」「ファイナンシャルプランナー」「社会保険労務士」「宅地建物取引士」などの人気資格講座まで幅広く対象となっています。条件を満たす方は、ぜひ活用しましょう。

特定一般教育訓練給付金は受講費用の40%給付

2019年10月に制度がスタートした特定一般教育訓練給付金の支給対象者の要件は、基本的に一般教育訓練給付金と同じです。

ただし、特定一般教育訓練給付金をもらうには、講座を受ける1か月前までに、「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブ・カードを作成し、ハローワークで受給資格確認を行うことが必要です。

支給される金額は、教育訓練講座を修了した場合、受講費用の40%(最大20万円、4000円以下の場合は支給なし)です。例えば、50万円の講座を受けた場合には、20万円が支給されます。

特定一般教育訓練給付の対象講座は、「速やかな再就職、および早期のキャリア形成に資する講座」となっており、大型自動車第1種・2種免許、介護職員初任者研修、介護支援専門員実務研修、宅地建物取引士、社会保険労務士、税理士、行政書士、司法書士などの講座があります。

最大168万円もらえる! 専門実践教育訓練給付

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専門実践教育訓練給付は、雇用保険に一定期間加入している人が中長期的なキャリアアップを目指して、厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定した講座を受けた場合に給付金がもらえる制度。通常は、雇用保険への加入期間が通算3年以上あれば利用できますが、初めて制度を利用する場合、雇用保険への加入期間が通算2年以上あれば利用できます。

支給される金額は、教育訓練講座を修了した場合に受講費用の50%が支給され、さらにその後、資格を取得し、雇用された場合など、条件を満たせばさらに20%相当額が追加されます。つまり合計で、受講費用の70%が支給されるということです。通常は、支給の上限金額は40万円ですが、資格を取得した場合などには、上限金額は56万円になります。

支給期間も1年間から最長3年間なので、最大だと168万円も支給されるというわけです。

専門実践教育訓練給付の対象となる講座には、看護師、建築士、専門職大学院などがあります。本格的にキャリアアップを目指したい人は前向きに検討したいですね。

いずれの制度も、対象講座は厚生労働省のホームページで確認してください。

◇一般教育訓練給付金はこちら

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学んでいる間の生活費も支援する「教育訓練支援給付金」

昼間に仕事を続けながら、夜間や週末に学ぶというスタイルで資格取得を目指す人も多いと思いますが、専門実践教育訓練給付の対象となっている看護師の資格やMBA取得などを考えると、一度仕事を辞めて本格的に勉強しようと考える人もいるはずです。

教育訓練給付金は、会社を辞めた人でも、一定の条件をクリアすれば利用することができます。とはいえ、いくら給付金があると言えども、給料が出ない状態で資格を目指すとなると、失業手当が支給されているうちはいいですが、手当の支給が終了してしまったら、それなりの貯蓄がないと心配です。

でも、大丈夫。実は2022年3月までの限定ですが、救済措置があります。初めて専門実践教育訓練給付金を利用する45歳未満の人で、失業状態にあり、昼間通学制の専門実践教育訓練を受講するなど、一定の条件を満たした場合には、受講が終わるまで「教育訓練支援給付金」をもらうことができます。もらえる金額は失業手当の日額の80%に相当する金額です。この制度は意外に知られていないのですが、経済的支援を受けながら学べる、ありがたい制度なのです。

こちらも、詳しく知りたい方は、厚生労働省のホームページを確認したり、ハローワークに問い合わせをしたりしてください。

高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。