収入増でも貯蓄できない…理由は「パーキンソンの法則」にあり

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今の時代、お給料を上げるのはなかなか難しいかもしれませんが、転職やスキルアップなどで、晴れて収入がアップしたという場合でも、「貯蓄が増えない」と悩んでいる働き女子は少なくありません。一体なぜ、貯蓄が増えないのでしょうか?

パーキンソンの法則とは

例えば、読者の皆さんも来月からお給料が手取りで5万円増えたとします。この5万円分をそっくりそのまま貯蓄できるという人は、どれくらいいるでしょうか?

おそらく、5万円も増えたのだから、洋服を買おう、前から気になっていたレストランで食事をしようといった具合に、収入が増えた分だけ使ってしまう人が多いのではないでしょうか。これは、実は「パーキンソンの法則」に当てはまることなんです。

パーキンソンの法則とは、英国の歴史学者で政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソン(1909~93年)の著作「パーキンソンの法則:進歩の追求」の中で提唱された法則です。

その内容を要約すると、「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」というもの。確かに、これまで多くの方のマネー相談にのってきましたが、上記の例のように、お給料が上がっても、貯蓄に回さずに、趣味や外食にお金を使ったり、買い物をしたりと、収入が増えた分だけ使ってしまうケースが少なくありませんでした。

「先取り貯蓄」で支出の膨張を防ぐ

収入が増えた分、使ってしまうのであれば、最初から使える金額を小さくしておくことが有効ですよね。そのために有効なのが「先取り貯蓄」です。先取り貯蓄とは以前、このコラムで紹介しましたが、支出した後に余ったお金を貯蓄に回すのではなく、お給料が入ったら、先に貯蓄分を取り分けてしまうという方法です。

先に貯蓄を取り分けて、後は残ったお金の範囲で生活すれば確実にお金はたまりますし、支出が膨張したとしても、貯蓄分は先に取り分けてあるので安心です。

とはいえ、毎月お給料日にお金を引き出し、別口座に入れて……と手作業をしていたら、続けるのが面倒になりますよね。そこで活用したいのが、財形貯蓄や積立定期預金など、自動的に積み立てできる制度。毎月のお給料日に、指定した額を自動的に給与天引きや口座引き落としで積み立ててくれるので、面倒な作業が不要です。また、財形貯蓄や積立定期預金は簡単に引き出せないので、お金がたまりやすいでしょう。

仕事はそれに使える時間があるだけ膨張する

実は「パーキンソンの法則」には、収入と支出以外についての法則もあります。今回はさらにもう一つ、紹介します。

例えば、2日で終わる仕事なのに、「1週間で仕上げればいい」と言われたので、納品が1週間後になってしまったという具合に、本来ならさっさと終わらせるべき仕事を、与えられた時間ギリギリで仕上げてしまうということって、ありませんか?

これは、「仕事はそれに使える時間があるだけ膨張する」という、パーキンソンの法則です。ですから、たとえ仕事量を減らしたとしても、与えられた作業時間が変わらないのであれば、時間ギリギリまで使ってしまう可能性が高いでしょう。

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できるだけ早く仕事を終わらせて、プライベートの時間を楽しむためには、締め切りを本来の締め切りよりも前倒しで設定したり、作業一つ一つを簡素化したり、時間をかけずに作業する仕組み作りを考えたりすることが必要です。

今回ご紹介したパーキンソンの法則を、皆さんの貯蓄方法や働き方を見直すきっかけにしていただけるとうれしいです。

高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。