また誰とも話さなかった…オンライン疲れ解消三つの「あえて」

キャリア小町その9

新型コロナウイルスの影響で、働く環境に変化が訪れています。在宅勤務やテレワークが一気に進み、仕事へのモチベーションの維持にも影響を及ぼしています。「オンラインの会議にいい加減疲れた」「自宅では仕事がはかどらない」といった声を聞くことも少なくありません。

ちゃんとやっていけるのか・・・

6月下旬、「キャリア小町」へ相談に訪れたのは、34歳の宏子さん。第2子の育児休暇を経て、この夏、1年半ぶりに職場へ復帰予定です。ところが、育休中に職場環境はがらりと変わってしまいました。新たな部署で、いきなりテレワークでスタートしなければならなくなったのです。オンラインのコミュニケーションに不安を隠せません。

宏子さんは元々、春に復帰するつもりでした。ところが、新型コロナの影響で子どもを保育園に預けられなくなってしまったため、復帰のタイミングが遅れました。1年以上仕事から離れて、子ども2人を預けて仕事復帰となると、それだけで緊張感は生じるものです。その上、テレワークによる仕事に戸惑っています。

「新しい部署に復帰するので、あまり顔を合わせたこともない上司や同僚といきなりオンラインでコミュニケーションなんて、ちゃんとやっていけるのか心配で……」と、復帰を数週間後に控えた宏子さんは浮かない表情です。

「オンライン疲れ」はこう解消する

こんにちは、キャリア小町オーナーの土屋です。テレワークになり、オンラインでの会議や商談などが増えてきている中で、その状況に不安になる方も少なくありません。慣れない働き方に、「オンライン疲れ」を訴える人も見受けられます。

通勤がなくなり、満員電車に乗ることで生じるストレスは軽減されるものの、同僚や上司とのコミュニケーションが希薄になり、なにげない情報交換がしにくくなります。オンラインでは、意識的に伝達する工夫が求められます。そこで、オンラインコミュニケーションの三つのポイントを紹介しましょう。

【1】あえて、雑談タイムをとる

写真はイメージです

オンライン会議では、出席者は議事が終わると画面をプツンとオフにします。会議室から自席に戻るまでのちょっとした情報交換、プライベートな会話、会議後の立ち話などもなくなります。

オンラインでは、「すきま」となる余剰タイムがなくなってしまうので、あえて会議のチェックイン5分前などに、近況や体調などを話す工夫をするといいでしょう。生産性向上が求められているため、そんな時間を無駄と切り捨てる人もいるかもしれません。しかし、そのような時間こそ、仕事をする上での潤滑油となり、新しいアイデアや企画を生むきっかけになることは間違いありません。

業務とは関係のない話題のコミュニケーションが、組織への貢献度、チームワークの醸成、仕事へのモチベーションの維持が期待できます。テレワークになってから、1日誰とも仕事以外の話をしないという人もいます。心の健康のためにも、お互いに「声かけ」は大切です。

【2】あえて、オフタイムにオンライン

完全オンライン化でも、雰囲気を良くする工夫の一つとして、休憩時間やランチタイムにもオンラインにしているという職場があります。「さすがにランチは放っておいて」「休憩時間は構わないで」と感じる人もいるでしょう。ところが、人とのつながりを深める意味で、前向きにとらえているケースもあるのです。

テレワークの状況下では、新たな出会いやつながりをどんどん作るというよりは、今あるつながりの中で信頼関係を深めるほうが、ストレスは少ないはずです。あえて、業務の話はしないで、たわいもない話をするオンラインのオフタイムは、オンラインストレスを解消するのに役立ちます。同じような悩みや不安を抱えている人もきっといますよ。

【3】あえて、生活感を受け入れる

豪邸に暮らしていたり、立派な書斎があったりすればいいのですが、実際は狭い家で夫婦ともにテレワークをしていたり、幼い子どもや老親を抱えていたり……。業務に適した環境の家ばかりではないでしょう。

自宅で仕事をするようになって、騒音や家事が気になるという人もいるでしょう。「夫がランチを要求する」「子どもがまとわりつく」「親が掃除機をかける」……。犬の鳴き声が会議を邪魔をする、なんてことも。

写真はイメージです

在宅勤務が原因で夫婦げんかが増えたという人もいます。オンラインの画面に生活感が映らないよう過剰に気をつけたり、仕事をきちんとやろうとしたりし過ぎるあまり、ストレスを抱えて心身に悪影響を及ぼしかねません。家族の声が聞こえても、子どもが画面に写り込んでも、むしろ、お互いにほほえましく受け止めるくらいのゆとりを持つことが望ましいですね。

テレワーク環境に戸惑いを覚えているのは、自分一人だけではなく、職場の上司も仲間も同じです。オンラインになったとしても、自分から職場環境をより良いものにしていく働きかけは、誰でも、いつからでもできます。自分の不安はみんなの不安だと思って、職場のメンバーに働きかけてみてください。

※「キャリア小町」は架空のサロンですが、実際の相談をもとに事例を紹介しています。

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土屋美乃
土屋 美乃(つちや・よしの)
国家資格キャリアコンサルタント、エスキャリア代表取締役

1983年東京・八王子市生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。営業や自社の新卒採用担当として、転職や就職という人の人生の転機に関わる。リーマンショックを機に、転職のみをゴールとせず『自分らしく生きる』ことをテーマとするキャリアコンサルタントとして独立。2011年東日本大震災後に自らの天職を形にすべく、エスキャリアを設立。主にライフイベント期の女性のキャリア支援を行う。

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