なんであの子が昇進? と思ったら、今すぐ「転職活動」すべき理由

キャリア小町その7

緊急事態宣言の解除に伴い、街中に人の流れが戻りつつあります。しかし、働き方や業務内容がすっかり元に戻るかというと、そういうわけにはいかないようです。業績に悪影響が出た企業も多く、自身のキャリアに不安を覚える方も増えてきています。

大学卒業後、広告代理店の営業職一本でがんばってきた早紀さん(29)。フットワークが軽く、人当たりが良いため、入社当初から頭角を現しました。社内の評価も決して悪くありませんが、ベテランの先輩たちが多い部署のため、いつまでたっても“下っ端”の扱いです。

会社への不平不満が爆発

営業でいくら成果を出しても、インセンティブなどがあるわけではなく、がんばっても、がんばらなくても給与は変わりません。早紀さんは、待遇やポジションで評価が得られないことに不満を募らせていました。そんなとき、別の部署で、後輩の女性社員が昇進。理不尽だと感じています。「なんであの子が? 私よりも会社に貢献していないのに、たまたまポジションが空いたという理由で昇進するなんて納得できない」と早紀さんはこぼします。

新たなキャリアを模索した早紀さんは、上司に掛け合い、4月に広報部へ異動することが内定していました。ところが、新型コロナウイルスの影響で、人事がすべて凍結。会社への不満、不信が抑えきれなくなり、転職を考えるようになりました。ただ、今のような不安定な時期に、転職活動をすることがいいのかどうか悩んでいます。

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こんにちは、「キャリア小町」オーナーの土屋です。早紀さんのように、新型コロナをきっかけに、抱え込んでいた不平不満が爆発するという例は少なくないでしょう。とはいえ、先の見えにくい状況の中で、転職活動に踏み切っていいのか、悩ましいところです。

「転職活動」と「転職」は別もの

「転職活動」と「転職」は別ものです。転職活動を行ったからといって、必ずしも転職をしなければならないわけではありません。職務経歴書を書いたり、自己PRを考えたりすることは、自分自身のこれまでの棚卸しになります。今の自分がどのように社会で評価されるかを知るきっかけにもなります。

幅広い業界に目を向けたり、他社の労働環境を調べたりするうちに、自社の魅力に気づくこともあります。なので、私は転職活動を行うこと自体は、今の時期であっても反対はしません。むしろ、在宅勤務やテレワークで時間的な余裕ができたのであれば、自分のキャリアを見直し、自身の経験や長所などを再確認することをお勧めします。

「転職活動を始めたら、必ず転職しなければいけない」などと気構えず、「転職活動をしてみて、結果的に自分に合った会社や環境に出会えたのであれば転職する」くらいの気持ちで臨んでいいのです。

転職エージェントを活用する

早紀さんのように、転職活動を始めるといっても、初めての転職活動で何からスタートしていいかわからないという方も多いかと思います。そんな時は、やはり転職のプロに頼ることから始めてみましょう。

「転職エージェント」と言われるサービスです。無料で登録が可能です。登録後に自分の担当となるキャリアアドバイザーとの面談に進みます。アドバイザーに自分の経験、志向、希望をしっかり伝えてください。転職先を自分で探していると、興味や関心のある業種に偏りがちですが、思わぬ求人企業を紹介してくれる可能性があります。特に、大手が持ち合わせている求人数には頼れるものがあります。

職務経歴書を作る上でのアドバイスをくれたり、面接に向けたサポートを行ってくれたりするサービスもあります。転職活動の進め方を一から指南してもらえるはずです。転職エージェントを味方につけて、自己理解を深めていきましょう。

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自ら動くことも大切

ただ、エージェントに任せきりではリスクもあります。長年付き合いがあり、自分の専属と思えるような信頼関係が築けていれば別ですが、転職活動の初心者は複数の転職エージェントに登録し、さらに自分自身でも転職サイトへ登録しておきましょう。

大手は幅広い業種と豊富な求人数が特徴で、選択肢を広げることができるメリットがある反面、一人のアドバイザーが担当する求職者も多くなる傾向があります。どうしても、信頼関係を築いたり、緊密にコミュニケーションをとったりという点では、物足りないと感じる懸念があります。小規模なエージェントなら、求人数は多くないかもしれませんが、きめ細かい対応が期待できます。

また、自ら転職サイトへ登録しておけば、求人企業の人事担当から直接スカウトがくる可能性もあります。エージェントからのアプローチもあります。せっかく貴重な時間を使って転職活動に踏み出すのであれば、エージェントからの提案を待つだけでなく、自分でも自分に合った企業をしっかりと探す姿勢は欠かせません。

新型コロナの影響で先行きが見えないからと、二の足を踏んで様子見をしてしまう人も多いかもしれません。でも、いつまでも不平不満を抱えてもんもんとしているくらいなら、まずは行動に移したほうが前向きになれるはずです。

※「キャリア小町」は架空のサロンですが、実際の相談をもとに事例を紹介しています。

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土屋美乃
土屋 美乃(つちや・よしの)
国家資格キャリアコンサルタント、エスキャリア代表取締役

1983年東京・八王子市生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。営業や自社の新卒採用担当として、転職や就職という人の人生の転機に関わる。リーマンショックを機に、転職のみをゴールとせず『自分らしく生きる』ことをテーマとするキャリアコンサルタントとして独立。2011年東日本大震災後に自らの天職を形にすべく、エスキャリアを設立。主にライフイベント期の女性のキャリア支援を行う。

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