収入減で家賃が払えない、そんな時は「住居確保給付金」の申請を

始めよう!お金のレッスン

写真はイメージです

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。緊急事態宣言が全国で解除され、少し落ち着きを取り戻した感がありますが、平穏な日常を取り戻すには、まだまだ時間がかかりそうですね……。最近は、会社からの休業要請などで収入が減ってしまい、家賃を支払うのが難しいという声も多く耳にします。そんな場合には、どうしたらよいのでしょうか?

知っておきたい「住居確保給付金」

緊急事態宣言が発令されている間の休業や解雇などにより、収入が激減してしまったという方は少なくないのではないでしょうか。そのため、「家賃が支払えない……」「既に数か月、家賃を滞納している」といった声をよく耳にするようになりました。住居費は家計に占める割合が大きいので、収入が減少すると、家賃の負担は家計に重くのしかかってきます。

家賃を滞納し続けていると、退去を求められたり、トラブルに発展したりする可能性が高くなるので要注意です。

そこで、ぜひ知ってほしいのが、「住居確保給付金」です。これは、離職や廃業などで住宅を失ったり、失う恐れがあったりする人に対して、国や自治体が家賃相当額を一定期間支給して、住まいと職の確保を支援する制度。この制度自体は、新型コロナ以前の2015年にスタートした制度ですが、新型コロナで生活が困窮している人が急増する中、4月に支給対象者が拡大されました。

4月から対象者が拡大し、支給要件が緩和に

写真はイメージです

元々、住居確保給付金の支給対象者は、「離職・廃業後2年以内の65歳未満」の方でしたが、65歳未満という年齢要件が撤廃されました。

また、離職・廃業後2年以内という要件が緩和され、その人の責任や都合ではないのにもかかわらず収入が減少した場合にも支給されるようになりました。つまり、今までは失業状態でなければ支給されなかったのですが、失業とまではいかなくても収入が大幅に減った状態で支給されることになったわけです。

具体的には、新型コロナの影響による失業、休業、自宅待機などで収入が減った人などが対象者で、フリーランスの人も対象になります。

さらに、住居確保給付金は、生活困窮者の自立を支援するという観点から、従来は、「ハローワークに求職の申し込みをしていること」という要件もありましたが、当分の間、この要件は不要となっています。

収入要件と資産要件を確認

支給要件には「収入要件」と「資産要件」もあります。それぞれ地域により基準額が違いますので、確認するようにしましょう。

写真はイメージです

【収入要件】 世帯月収の合計額が「市町村民税均等割が非課税となる収入額×1/12+家賃額(住宅扶助特別基準額)」を超えないこと。ちなみに、東京23区の場合、単身世帯13.8万円、2人世帯19.4万円、3人世帯24.1万円となっています。

【資産要件】 東京23区の場合、世帯の預貯金の合計額が、単身世帯で50.4万円、2人世帯で78万円、3人世帯で100万円を超えないこととなっています。

【支給金額】 東京23区の場合、単身世帯5万3700円、2人世帯6万4000円、3人世帯6万9800円が上限です。これは原則3か月間(求職中なら最大9か月間)、家主に支払われます。

給付の申し込みは、必要書類を添えて、居住地の自治体の「生活困窮者自立支援機関」に申請しましょう。情報は新しくなる可能性もありますので、実際に申し込む際には、厚生労働省のホームページで確認するようにしてくださいね。

読者の中には、一人暮らしでがんばっている働き女子も多いと思います。実家の援助も期待できないという方で条件が当てはまる方は、ぜひ活用しましょう。

【あわせて読みたい】
高山一恵さんの連載「始めよう!お金のレッスン」
新型コロナで生活苦…知っておきたいセーフティーネット
新型コロナショック!緊急時にやっておきたいお金のこと

高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。