新型コロナで生活苦…知っておきたいセーフティーネット

始めよう!お金のレッスン

写真はイメージです

みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。新型コロナウイルスの影響で、収入が大幅に減り、生活が困窮している方が明らかに増えてきました。読者の方の中にも、これから先のことを考えたら、不安でいっぱいという方が多いことでしょう。そこで今回は、働き女子の皆さんにお役に立ちそうな新型コロナ関連の補助金や融資、支払い猶予などについてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

支払いが猶予になる支出を確認しよう

前回、新型コロナ危機での家計の見直しや貯蓄の活用についてお話ししましたが、それでもなお、生活が苦しいというケースもあるでしょう。

そこで、知っておきたいのが、経済的に苦しんでいる人を対象にした補助金や融資、支払い猶予などのセーフティーネットです。

まずは、支払い猶予が可能な支出から見ていきましょう。実は、新型コロナの感染拡大を受け、水道光熱費、税金、社会保険料、携帯電話代、生命保険料などの支払いが猶予になる特別措置が取られています。

例えば、電気代やガス代は、2020年5月までの支払いを1か月延長することができます。また、上下水道代の支払い猶予は、自治体により異なりますが、2か月〜4か月分の水道料金の支払いを2か月〜4か月程度延長することができます。対象者は一定の条件を満たした人になりますので、契約している電力会社などに問い合わせをして確認してくださいね。

労使折半している厚生年金保険料などの社会保険料についても、税金の支払い猶予と同様に1年間の猶予が受けられます。猶予が認められると、猶予された金額を猶予期間中の各月に分割し、納付することになります。

NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手通信3社も、支払い期限の延長を受け付けています。スマホ・携帯代金だけでなく、インターネットの回線費用やプロバイダー利用料なども対象になり、支払いを2020年5月末日まで延長できます。

生命保険の保険料には、通常1か月の払い込み猶予期間がありますが、多くの生命保険会社が、この払い込み猶予期間を2020年9月30日まで延長しています。火災保険や自動車保険、傷害保険など損害保険の保険料も同様に、9月30日まで延長しています。

失業・収入減少でもらえる給付金

次に、失業や収入減少でもらえる給付金を見ていきましょう。なお、詳細な説明は、各給付金の問い合わせ先で確認をしてくださいね。

写真はイメージです

●失業保険 問い合わせ先:居住地のハローワーク

会社が倒産したり、解雇されたりして仕事がなくなってしまったという場合には、「失業保険(失業給付金)」が受け取れます。失業保険は、雇用保険に加入し、一定の条件を満たしていれば、一定期間、お金を受け取ることができる制度です。会社都合の退職の場合、7日間の待機期間の後、年齢や雇用保険の被保険者だった期間によって、90日から最大330日の間、失業保険が受け取れます。給付の金額(基本手当日額)は、離職前6か月の賃金の合計を180で割った「賃金日額」をもとに計算されます。

失業保険は、退職理由が会社都合か自己都合かで受け取れる期間や金額が変わりますが、新型コロナ感染拡大に関連した倒産で失業した場合は、会社都合の退職(特定受給資格者)となります。

●未払い賃金立て替え払い制度 問い合わせ先:最寄りの労働基準監督署

「未払い賃金立て替え払い制度」は、企業が倒産し、従業員に給料が支払われていない場合に、その給料(未払い賃金)の最大80%(年齢による上限あり)を国が代わりに支払ってくれる制度です。

対象になるのは、1年以上事業を行い、倒産した会社です。また、従業員側も、
・定期賃金と退職金の未払い分の合計が2万円以上あること(いわゆるボーナスや福利厚生費などは対象外)
・倒産後2年以内に立て替え払いを請求すること
・倒産の半年前から1年半後の間に、その会社を退職したこと
という条件を満たす必要があります。

支払われる賃金は原則として8割ですが、年齢により上限が異なり、88万円(30歳未満)〜296万円(45歳以上)となっています。

●住居確保給付金 問い合わせ先:居住地の自治体の自立相談支援機関

休業や失業などで収入が減り、自宅の家賃が払えない場合に受け取れるのが、「住宅確保給付金」です。原則3か月(求職中なら最長9か月)の家賃相当額を受け取れます。かつては離職・廃業から2年以内の人を対象にした制度でしたが、今回の新型コロナの感染拡大を受けて、休業によって収入が減少し、家賃が払えなくなる可能性のある人も受け取れるようになっています。

なお、世帯収入と預貯金の額に基準が設けられており、地域によって異なりますので、お住まいの地域の基準を確認してください。ちなみに東京都の場合は、収入基準は、単身世帯13万8000円、2人世帯19万4000円、預貯金額の基準は、単身世帯50万4000円、2人世帯78万円となっています。支給額は、単身世帯5万3700円、2人世帯6万4000円が上限となっています。

●特別定額給付金 問い合わせ先:居住地の自治体

最近決定した給付金で話題となっているのが、「特別定額給付金」です。2020年4月27日時点で住民基本台帳に記載されている人に対し、所得制限なく一律で1人10万円の現金を給付する制度です。受給権者(給付を受ける権利のある人)は世帯主となっているので、世帯主が代表して申し込んで、家族全員の給付金をまとめて受け取る形になります。

生活に困窮している時に利用できる融資は?

●総合支援資金 問い合わせ先:居住している区市町村社会福祉協議会

貯蓄も底をつき、いよいよお金が足りないとなった場合、ついキャッシングを利用しがちですが、安易に利用するのはやめましょう。というのも、キャッシングは、スピーディーにお金を貸してもらえるかもしれませんが、金利がかなり高いからです。代わりに利用したいのが、「総合支援資金」です。

新型コロナによる収入減や失業などで生活に困窮している会社員や公務員に対し、生活再建までの間に必要な生活費を貸し付けしてくれます。貸付額は、2人以上世帯で月20 万円以内、単身世帯で月15 万円以内。貸付期間は、原則として3か月以内(最長12 か月)となっています。いずれも無利子・保証人不要。6か月の据え置き期間があり、10年以内の返済でOKとなっています。

今回、新型コロナ関連の支援策をコンパクトにまとめましたが、これらはすべて、自分自身で手続きをする必要があります。最新の情報をキャッチしつつ、自分が該当する場合には、きちんと手続きをするようにしましょう。

【あわせて読みたい】
高山一恵さんの連載「始めよう!お金のレッスン」
新型コロナショック!緊急時にやっておきたいお金のこと
安定的にお金を増やすには長期・積み立て・分散型投資を

高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。