複利効果を味方につける「ほったらかし投資」

始めよう!お金のレッスン

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みなさん、こんにちは。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。前回、忙しい30代女子のみなさんにオススメの投資方法として、投資信託積み立てを活用した「ほったらかし投資」をご紹介しました。少しでも元本割れのリスクを小さくして、安定的にお金を増やすためのコツは「分散投資」と「長期投資」です。今回は、長期投資の強い味方、「複利効果」についてお話しします。

経済は長期的に見れば徐々に成長する

貯蓄にあって投資にないもの、それが「元本保証」です。この元本保証がないために、投資を敬遠してしまう人が多いと思いますが、少しでも元本割れのリスクを小さくして、安定的にお金を増やすためのコツが、「分散投資」と「長期投資」です。前回、分散投資については触れたので、今回は長期投資についてお話しします。

長期投資とは、10年、20年という長いスパンでお金を運用すること。経済は、上昇と下降を繰り返しながら、長期的に見れば徐々に成長していきます。4月14日に国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しが発表されました。今年は新型コロナウイルスの影響で、世界全体の経済成長率はマイナス3・0と予測、1929年に起きた「大恐慌以来の経済悪化」となる可能性が指摘されました。でも、新型コロナについてはどんな対策が功を奏するか、また国別にどこまで深刻な事態になるか、先行きは不透明です。株式市場が乱高下しているのも、こうした思惑が反映してのことです。

金融庁のデータを見ると、国内外の株式、債券に20年間、積み立て、分散投資した場合の投資収益率は、2%〜8%(年率)に収れんされるとのこと。つまり、100万円投資すれば、20年後には185万円〜321万円になっている可能性が高いということです。

お金が増えるスピードが速くなる「複利効果」とは

また、長期で投資をすることで、「複利効果」を味方につけることができます。複利とは、投資元本とそこから生まれた利息を合わせて再投資すること。

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例えば、100万円を利回り3%で運用すると、税金を考慮しなければ、1年後には103万円になります。次は、その103万円を新たな元本として全額投資します。そうすると、「利息が利息を生む」状態になり、お金が増えるスピードが速くなるのです。

一方、複利に対して、100万円に付いた3万円の利息を別に取ってしまい、再度、元の100万円を投資するやり方を単利と言います。利回りが同じなら複利でどんどん元本を増やしていった方が、お金の増えるスピードは格段に速くなります。

長期で投資するほど、複利効果は加速する!

このように、複利の場合には元本に利息を組み入れて運用するので、お金が増えるスピードは加速します。加えて、複利は長い時間をかけた方が効果を発揮します。

例えば、毎月3万円を利回り5%の商品で複利運用した場合、10年後、単利の場合は451万円、複利の場合は468万円になります。20年後は、単利の場合は1082万円、複利の場合は1238万円、30年後は、単利の場合は1892万円、複利の場合は2507万円と、長期で複利運用すればするほど効果が大きくなります。

前回、投資信託についてお話ししましたが、投資信託には、分配金(株式の配当金に当たる)が出るタイプと、分配金を再投資できるタイプがあります。

実は、投資信託の中でも毎月分配金をもらえる分配型ファンドが人気ですが、効率良くお金を増やしたいなら、分配金は再投資するのがおすすめです。というのも、今まで説明してきたように、その都度分配金を受け取らずに、元本に再投資すれば、利息が利息を生む「複利効果」が得られ、運用効率がアップするからです。

相場が大きく荒れている時には、投資なんて……と思ってしまう人も多いと思いますが、投資を安定的に続けるためのポイントとして、「分散投資」と「長期投資」を知っておきましょう。

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高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。