新型コロナで上司に不満爆発…転職を決意する前にすべきこと

キャリア小町その3

せっかく春らしい気候になったのに、新型コロナウイルスの感染拡大で気分の晴れない日々が続いています。仕事に悩む女性たちが訪れるカウンセリングサロン「キャリア小町」は、対面での相談業務を休止していますが、オンラインで大手電機メーカー勤務の桃子さんから、相談を受けました。

桃子さんは都内の公立大学の経済学部を卒業し、大手電機メーカーに就職しました。営業職を経て、希望していた企画開発の部署に配属されました。平日は残業で夜遅くまで働いていますが、休日はホットヨガに通い、汗を流すのがルーチンだといいます。

「新型コロナの影響で、うちの会社でも3月からテレワークが始まったんです。そうしたら、会社ではそうでもなかったのに、上司が自宅できちんと仕事をしているか監視が厳しくなったんです。スケジュールを細かく提出させたり、業務時間外にもチャットをしてきたり、必要もないのにビデオ通話を求めたり……」

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桃子さんは、この1か月余り、ずっと悩んでいたと言います。「テレワークなんて言っているけれど、事実上の休業状態なんです。新製品の企画書を提出したところで商品化の見通しすら立たないし、プロモーションだっていつになったら再開できるかも分かりません。この程度の仕事だったのかと、すっかりやる気がなくなっちゃったんです」

今回の新型コロナウイルスの影響で、働き方、仕事、会社などについて考えさせられることが多くありますね。こんにちは、サロンオーナーの土屋です。テレワークが推奨されているにもかかわらず、一向に業務環境の整備がままならない会社もあります。休業を決めた会社が社員の給与や休みの扱いをはっきりと示さないことなども従業員の不安につながっています。

不満を抱えた桃子さんは、「もう29歳だし、さっさとこんな会社辞めて転職の準備をしようと思うんです」と決意を口にしました。

不満の解消だけにエネルギーを使わない

「転職」を具体的に考え始めた時、つい今の仕事や職場の不満を解消することにフォーカスしてしまっていませんか?

・今の上司と離れたい……
・今の仕事内容が物足りない……
・今の労働環境がひどすぎる……

こうしたネガティブな要素ばかりを考えていると、仕事に打ち込むはずの貴重なエネルギーがそがれてしまっているはずです。不満の解消を考えてばかりで、もんもんとした気持ちを抱えていては、自分が何をすべきか、何をしたいのかといった大切な部分が見えにくくなってしまいます。

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次に進む前に「自分リセットタイム」

まずは、フラットな「本当の自分」のエネルギーを取り戻してからスタートしてみませんか。

もちろん、収入が途切れることで不安が増大してしまうような場合、現在の職場にとどまったまま次のステップを見つけるという手もあります。転職を考える女性は、年齢のことを心配することも少なくありません。「女は30歳になったら転職は無理」なんていう迷信もまことしやかにささやかれています。そんなとき、私はいつも、こうアドバイスします。「そんなにあせらなくても、あわてなくても大丈夫」。人生100年時代と言われる中で、50歳の方でもまだ道半ばと捉えることができます。

私自身も転職経験があります。まだまだ駆け出しではあるのですが、ここまでの人生を振り返ってみると、「自分らしくない」と気づき、本当の自分を取り戻すのに半年、次のステップへ踏み出すのに1~2年はかかっています。

自分を見つめ直し、歩む道を選び、生活環境をがらりと変えるには、それ相応の時間が必要なのです。もちろん、その間に不安になることもあるでしょう。でも、本当に今を変えたい、自分を変えたいと思うのであれば、今の環境から少し離れて、以下のようなことをしてみてください。

・おいしいものを食べ、ちゃんと味わう
・好きな本を読み、ちゃんとひたる
・会いたい人に会い、本音で相談してみる
・自然の中で自分を見つめ直す

本来の自分の気持ちを取り戻すために、このような「自分リセットタイム」を取ることをおすすめします。外出自粛要請が続く今だからこそ、1人でぶらぶらと近所を散歩してみたり、学生時代の教科書やノートを見返してみたり、撮りためた写真を整理してみたりしてはいかがでしょう。

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理想とする未来から考える

転職活動を本格的に進める覚悟があるのであれば、書類の精査や面接対策が大切です。ただ、いきなり自己PRを磨いて、面接の練習を重ねて、企業の期待に合わせた自分を演じて……と、自分におしろいを塗った状態で得られた内定では、本当に自分らしく幸せに生きることにはつながりにくいかもしれません。

「自分リセットタイム」を取るのが難しい場合、あなたが望むキャリアの最終ゴール地点から描くことをおすすめします。現在の延長から次のステップを描いていくことを「フォーキャスティング」、現状の延長の外側を意識した、理想とする未来から描くことを「バックキャスティング」と言います。

若い人はキャリア形成を川下りや波乗りにたとえ、目の前の困難を一生懸命乗り越えていくことも大切だと思います。社会人経験のある人は、いったん立ち止まって、理想の未来を思い描いてみることも次の未来を切り開くためのエネルギーになるはずです。理想の未来を描く時に大切なことは、不満ばかりをこぼすような状態ではなく、自分が良い感情でいられる環境で行うこと。

自然の中や居心地の良いマイルームなど、心地良いと感じる環境を選び、ゆっくりと時間を取って未来予想図を描いてみてください。

どうしても1人で悩んでいると、もんもんとした気持ちで不満ばかりが募っていきます。そんなときは、インターネットで「キャリア小町」と検索してみてくださいね。

※「キャリア小町」は架空のサロンですが、実際の相談をもとに事例を紹介しています。

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土屋美乃
土屋 美乃(つちや・よしの)
国家資格キャリアコンサルタント、エスキャリア代表取締役

1983年東京・八王子市生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。営業や自社の新卒採用担当として、転職や就職という人の人生の転機に関わる。リーマンショックを機に、転職のみをゴールとせず『自分らしく生きる』ことをテーマとするキャリアコンサルタントとして独立。2011年東日本大震災後に自らの天職を形にすべく、エスキャリアを設立。主にライフイベント期の女性のキャリア支援を行う。

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