友人に貸した「15万円」、借用書なくても返してもらえる?

弁護士ドットコムニュース

友人に15万円を貸したのに返ってこないので、なんとか取り戻せないか――。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者は、友人に15万円を貸したものの、1年たっても返してもらえません。トークアプリで返金を催促しても、相手からは無視されているとのこと。貸し借りの際、借用書は作っていませんでした。

そこで「借用書がなければ貸し借りは無効ですか? 弁護士はこのくらいの金額でも対応してくれるのでしょうか」と質問しました。

借用書がない場合でも、少額の返金を求める法的な手段を取ることは可能なのでしょうか。氏家信彦弁護士に聞きました。

借用書がなくても「金銭消費貸借契約」は成立

「まず知ってほしいのは、借用書がなくても、貸し借りは金銭消費貸借契約として有効だということです」

――では相談者の場合も、借用書がなくても交渉できるのですね。

「そうです。もちろん、貸し付けの条件を明示した文書等がある方が、訴訟になった場合の明白な証拠にもなるので、有利です(※)。

トークアプリなどに貸し借りの合意内容が残っていれば証拠になり得ますが、そうでない場合は、例えば、貸付金額・時期、返済期限、返済方法や利息などを明示して、双方がサインした念書等を作るとよいでしょう」

――相談者は、個人間の貸し借りトラブルでも、弁護士を通して交渉を進めることは可能か心配しています。

「弁護士に相談や依頼をすることもできます。その際、相談や依頼に要する費用を確認し、友人からの回収可能性も考慮して、ご自身のプラス・マイナスをよく考える必要があります。

相談時に、どういう依頼をすればどれくらいの弁護士費用がかかるのかを、率直に尋ねるとよいでしょう」

60万円以下の支払いを求める訴え「少額訴訟手続」

――話し合いによって解決しなかった場合には、どのような民事手続きをとることになりますか。

「やむを得ず民事訴訟を提起する場合には、簡易裁判所に少額訴訟手続での審理及び裁判を求めるのがよいでしょう。

少額訴訟手続は、60万円以下の支払いを求める訴えについて、原則として、1回の期日で審理を完了し、判決言い渡しを審理終了後直ちに行うなど、簡易迅速な手続きです。統計上、弁護士らが関与せずに本人が申し立てる比率が圧倒的に高いようです。

少額訴訟手続などの少額事件を弁護士に委任する場合、弁護士会によっては、弁護士費用を補助する制度があります。相談の際に、その制度が利用できるかを確認するとよいでしょう」

2020年(令和2年)41日から施行される改正後の民法では、書面でする消費貸借等(民法第587条の2)が新設されますが、改正後においても、書面のない消費貸借契約は有効です。なお、書面でする消費貸借等の説明は、この記事では省略します。

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