老後が不安、20〜30代シングル女性の目標額は?

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皆さん、はじめまして。ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。今回からコラムを連載させていただくことになりました! これからの時代、お金の知識があるかないかで人生の充実度は大きく違ってきます。読者の皆さんにはぜひ、自分らしい充実した人生を送っていただきたいので、毎回、これは知っておいてほしいというお金のテーマを取り上げて、わかりやすい言葉でお話ししていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

「老後2000万円問題」の数字の根拠は?

さて、前置きが長くなりましたが、昨年6月に金融庁が出した報告書、俗に言う「老後2000万円問題」が一時期、世間をにぎわせましたね。引き続き今年も、老後のお金について世間の関心は高そうです。昨年の騒ぎを受けて、私のところにも多くの相談がきましたが、中でも多かったのが、20〜30代の女性の方たちからの相談でした。

彼女たちいわく、「バリバリのキャリア組はともかく、ただでさえ女性はお給料が低くて、家計にあまり余裕がないのに、今回の報道で老後までにいくらためておけばいいのか、とても不安になりました。実際、いくらためておいたらいいのでしょうか?」とのこと。

確かに、今の20~30代の皆さんは、生まれた時から日本経済はデフレで、景気が良い時を知らずに育っています。お給料が右肩上がりにならず、税金や社会保険料の負担は上がる中、老後のお金を2000万円もためなくちゃいけないとなれば、不安にもなりますよね。

そこで、なぜ金融庁が2000万円という数字を出したのか、その根拠をお伝えします。

「2000万円」という不足額の根拠となったのは、総務省が出している家計調査報告(2017年)です。このデータによると、現在60歳以上の夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の高齢無職世帯では、1か月の平均収入は年金を中心に約20万9000円、支出は約26万4000円。ですから、公的年金だけでは、毎月5万5000円の赤字となります。

最近の統計から、日本人の4人に1人は95歳まで生きるとされています。ですから、年金支給開始年齢である65歳から30年生きると仮定すると、「5万5000円×12か月×30年=1980万円」となり、約2000万円が足りなくなるというわけです。

この2000万円という数字は、衣食住の基本生活を送る上で必要なお金で、かつ、持ち家に住んでいることを前提としています。おばあちゃんになっても旅行に出かけたり、おいしいものを食べたりといった、いわゆる「ゆとりある老後」を送るためには、夫婦2人で月35万円程度が必要とのこと。公的年金だけでは毎月15万円程度も足りなくなるわけです。つまり、ゆとりある老後を送るためには、5400万円も足りないということです。

自分自身のケースで考えてみよう!

前述の数字は、夫婦2人で老後を暮らす場合のデータですが、では、シングルの場合はどうなのでしょうか?

総務省の家計調査報告(2017年)によると、現在60歳以上のシングルの高齢無職世帯では、1か月の平均収入は年金を中心に約11万4000円、支出は約15万5000円。ですから、毎月4万1000円の赤字となり、「4万1000円×12か月×30年=約1476万円」で、約1500万円足りなくなるというわけです。

こちらのデータも衣食住の基本生活を送り、かつ持ち家を前提としたデータになっていますので、一生賃貸で暮らしたり、ゆとりある老後を送ったりしたい場合には、さらにお金がかかることになります。

また最近は、フリーランスや個人事業主というスタイルで働く人も増えています。フリーランスの方は、将来もらえる年金は会社員の方よりも少なく、40年間、国民年金に加入した場合、満額で年額約78万円。月額にすると約6万5000円です。

さらに、高齢になると、病気や介護状態になる可能性も高くなります。医療費、介護費として1人当たり500万円程度を準備しておきたいところです。

ひと口に老後のお金といっても、ライフスタイルなどによって、人それぞれ違います。自分の場合はいくらくらい必要なのか、今回のデータなどを参考に考えてみましょう。

不安が「見える化」されれば、不安を減らすためにどうすればいいのか、具体的に考えていくことができます。これから、賢くお金の知識を身につけて不安が軽減されるよう、このコラムで様々な切り口でお話ししていきますので、楽しみにしていてくださいね。

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高山一恵
高山一恵(たかやま・かずえ)
ファイナンシャルプランナー

 慶應義塾大学卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画。2015年から株式会社Money&Youの取締役。結婚、出産、夫の転勤など人生に多くの転機が訪れる女性にこそお金の知識が必要と考え、講演、個人マネー相談のほか、雑誌の記事執筆やテレビ番組出演など精力的に活動している。著書に「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など。