自然由来で人気のコスメに込められた「職人魂」 SHIRO・梅津和佳奈

働く女のランチ図鑑 vol.32

今、人気急上昇中のコスメブランド「SHIRO」。自然由来の素材を使ったアイテムを展開し、若い女性ユーザーを中心に売り上げを伸ばしています。ブランドを手がける「シロ」(本社:東京・青山)で働く梅津和佳奈さん(36)に、仕事の内容やランチの楽しみを聞きました。

北海道発の人気コスメブランド

「SHIRO」は、スキンケア用品やメイクアップ用品、ルームフレグランスなどを展開している北海道発のブランド。2019年で10周年を迎えました。売り上げは、この5年間、年平均成長率約48%と伸び続け、ニューヨークとロンドンにも店舗を広げています。

梅津さんはマーケティング・PR担当を任されていますが、商品開発から販促物の制作など、幅広い業務をこなしています。

シロの強みは、自社に開発部門や工場があることです。年間200ものアイテムを次々と生み出し、多いときには、月に20アイテムを発売することも。さらに、新店舗のオープンなどが重なることもあり、「忙しく大変な時もありますが、新しいことに常に全力で関われるので充実しています」と目を輝かせます。

カラダをいたわるビーガンランチ

昨年9月にブランドイメージを一新し、パッケージを白からネイビーに、ロゴを「shiro」から「SHIRO」に変えました。それに合わせて、梅津さんは2か月ほどの間、全国25店舗を奔走。閉店後、店内に掲げられたロゴの位置や商品の陳列などを確認してまわるハードな時期を過ごしました。

慌ただしい日々を過ごす梅津さんのお気に入りが、レストラン「アラスカ ツヴァイ」(東京都目黒区)のランチです。

玄米ご飯に、野菜やお総菜が詰まっているランチボックス。や高野豆腐などを使って、肉の食感もしっかり再現されています。この日のランチは、中華風の味付け。

このレストランでは、ビーガン(完全菜食主義者)でも食べられるメニューを提供しています。自宅に近いので、休日に愛犬と一緒に訪れることもありますが、仕事がある日は、もっぱら宅配サービス「ウーバーイーツ」で会社に届けてもらいます。

ビーガンフードと聞くと、肉や魚といった動物性食品は一切使われておらず、なんだか物足りなさそうなイメージもありますが、「大満足のボリュームで、男性でもおなかいっぱいになりますよ!」と、梅津さんは太鼓判を押します。

野菜をたくさん取れるのもうれしいポイントで、「おだしが利いていてすごく優しい味がするので、疲れている日でも箸が進むんです。おなかいっぱいになるのに、きちんと体をいたわっている感じがします」。

中でもおすすめは、ご飯の上に大きなギョーザがのったランチ。日替わりのメニューなので、届くまで中身は分かりませんが、ギョーザランチだった日には、一気に気分が上がるそうです。

モノづくりにかける思い…自社ブランドのこだわり

シロは元々、他社の化粧品などを委託生産するOEMメーカーでした。受注先の中には、誰もが一度は聞いたことのある有名企業も多くありました。

北海道出身で、地元で全国規模の仕事がしたいと考えていた梅津さん。06年に当時、北海道に本社のあったシロに入社しました。同社はその後、OEMの経験を生かし、「素材の力を最大限引き出す」製品づくりを信念とした自社ブランドを立ち上げることに。梅津さんはその際、製造管理を担当しました。

「シンプルな素材を濃厚に配合するのって、実はすごく難しいんですよ。思ったよりも生産数が少なかったり、安定しなかったり。オイルの配合成分が高いせっけんを作った時には、微妙な配分の違いで全然固まらなかったこともありました」

今では定番となっている「がごめ昆布」を使ったスキンケア用品の開発では、社員自ら素材を選別するところから始まり、とろみ成分を出すために昆布を洗う時間や混ぜる回数、温度調整などで試行錯誤を繰り返しました。

そんな自分たちを、梅津さんは「職人」と表現します。本社を東京に移した今でも、その姿勢は変わりません。

「自分たちが本当に欲しいものだけを、魂を込めて作ってきました。だから、製品を使ってもらったら肌でわかってもらえると思います」と自信をのぞかせます。

「ネット広告もほとんど出さないし、モノづくりしか得意じゃないんです。自分たちが本当に欲しいものを、魂を込めて作る。だから、多くを語らなくても使ったら良さを分かってもらえると思います」と自信をのぞかせます。実際、ピンク好きの社員がほとんどいないため、化粧品のラインアップには、明るいピンクのコスメが少ないそうです。

諦めたら終わり。どこまで満足できるものを作れるか

最近では、街中ですれ違った人からSHIRO製品の香りがしたり、実際に使っている人を見かけたりすることも増え、ブランドの広がりを実感しているといいます。

同社は「世の中を幸せにする」を会社の理念としてうたっています。「壮大な言葉ですが、10年を迎えた今、この理念を実現できると思いが強くなっています。シロを通して、笑顔が増えたらいいな」と梅津さん。

「シロだからこそ、常に新しいことに挑戦できる。諦めたら終わりなんですよね。どこまで満足するものを作れるか。他社にはまねできないモノづくりを続けていきたい」

(取材・文/メディア局編集部 安藤光里、写真/金井尭子)

 ◇    ◇    ◇ 

 生き生きと働く女性をクローズアップする「働く女のランチ図鑑」。職場での仕事ぶりや気になるランチの様子をお届けします。

【あわせて読みたい】

【働く女のランチ図鑑】ほかの記事はこちら

コーヒーに「いい感じ」で寄り添うフードとは…スターバックス・森賢子
街の熱量を上げたい…日本橋活性化の仕掛け人 三井不動産・坂本彩
ヘキをとれ! 時計売り場の静かなる戦い セイコー・余合夏実

金井 尭子(かない・たかこ)
フォトグラファー

 ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ舞台芸術学部卒業。 帰国後は都内の撮影スタジオに勤務し、2011年独立。得意分野は人物ポートレイト。 バンコク発のファッションブランドに夢中で年2回は必ず訪泰。 現在はフリーランスフォトグラファーとして東京をベースに活動している。ホームページ