「祝日に有休消化」を強制される こんな会社あり?

弁護士ドットコムニュース

20194月から年5日の「有給休暇義務化」が始まりましたが、みなさん取得はできていますか。都内の会社員女性(20代)は、以前から祝日に有給休暇をあてられていることに疑問を持っています。

女性の会社では、15年目は年に22日の有給休暇が付与されていますが、国民の祝日には有休として休むことを指示されます。祝日に出勤している人はおらず、「有休を減らしたくない」と出勤を希望してもかなわないそうです。

有休が足りなくなった場合には、次年度分を繰り越せることになっていますが、2019年は祝日が17日ありました。お盆休みや年末年始、風邪を引いた時に使うため「それも足りなくなりそうだった」と話します。

こうした会社は他にもあるようで、子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板には、「祝日は有休消化なんて会社ある?!」と題したスレッドで、会社から「祝日は有休消化しており、有休がなくなった人は欠勤扱いになっています」と言われたという投稿がありました。

土日祝日は休みだけど祝日に有休をあてる運用は、法的に問題ないのでしょうか。白川秀之弁護士に聞きました。

就業規則上休みとされている「休日」に有休を取得することはできない

ーー国民の祝日には有給休暇として休むことを指示されるそうです。

そもそも、有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるもので、就業規則上休みとされ、労働義務のない「休日」に有休を取得することはできません。

また、有給休暇の請求は労働者の権利なので、使用者の側が一方的に付与することはできません。そのため、土日祝日が休みの会社で一方的に祝日に有給休暇をあてることは労働基準法違反です。使用者が一方的に付与できないため、欠勤扱いも違法となります。

また、労働基準法が改正されて、20194月からは、年10日以上有休が付与される労働者に対して企業は最低でも5日間有休を与えなければならなくなりました。

それに合わせて、就業規則を変更して、それまで休みだった祝日を出勤日に変更することは、労働者に一方的に不利益な内容なので、変更が無効となる可能性があります。

会社が指定→労使協定が必要

――土日祝日は休みであるものの、就業規則には「休日は土日」とだけ明記され、国民の祝日は休日ではないとされている場合はどうでしょうか。

その場合は、労働者が祝日に有給休暇を申請することはできますし、使用者は労働者にそのように促すことはできると思います。ただし、一方的に指定をするためには、計画的付与に関する労使協定が必要です。

計画的付与制度の対象とできるのは、年次有給休暇のうち5日を超える部分です。例えば、年次有給休暇が15日の労働者は10日まで、計画的に付与することができます。(労働基準法第39条第6項)。残りの5日は労働者が自由に有給休暇を申請できます。

そして、この計画的付与を使用者が一方的に変更することはできません。また、労働者も原則としてその休暇日に拘束されることとなり、休暇日に有休を取得しないことは認められません。変更するためには労使協定を変更することが必要です。

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